ICO

女の子の手を引いて古城から脱出せよ!



 「ICO」と書いてイコと読む。’01年末発売でそれほど話題にならなかったようだけど、実際にプレーしてみるとこれは凄い!

 謎の城から女の子と一緒に脱出するゲーム。城に生け贄として連れてこられた主人公イコは、そこに白い女の子が檻の中に捕らわれているのを発見し、一緒に脱出しようとする。たとえば自分一人だけなら下りられる段差も、女の子は怖がって下りられないのでいろいろ工夫しなければならない。また女の子を連れ戻そうと(?)やって来る不気味な黒い影とも戦わなければならない。

 昔あった「MYST」の静かで謎めいた雰囲気と、半固定視点の3Dアクションを合わせたような内容。例えて言えば「ゼルダの伝説・時のオカリナ」のアクションを視点半固定にしたような感じ。キャラクターのモーションや表情はリアル系。

 城の事も女の子の事も、黒い影の事もほとんど何も分からない。背景説明がほとんど無く、いきなりゲーム内の世界に放り出され、何だか分からないけど脱出しなくちゃと思わせる。城の中を見ていくうちに少しずつ状況が見えてくる・・・のか? (取説にはある程度背景が説明されているのだけど、あくまで参考程度という感じの内容)

 ヒットポイントとかアイテムという概念はほとんど無い。主人公の武器は木の棒1本だけだが、主人公が敵の攻撃で死ぬ事は無い。謎の敵に女の子を連れ去られたり、高い所から転落したりするとその時点でゲームオーバーになる。
 女の子とは言葉が通じないので、手まねきしたり手を繋いだりして誘導する。手を繋ぐボタンは押し続けないと手が放れてしまうので、ついついボタンを押す指に力が入る(これ重要!)。手を繋いでいるとコントローラーがドキン・・・ドキン・・・と脈拍みたいに振動するぞ。女の子の手を引いて歩くと、歩く速度が違うので女の子がグイと引っ張られるモーションも実にそれっぽい。

 しかしどうしても別行動しなければならない場面に出くわす事もあって、そんな時は女の子の事を気にしながらも単独行動に出る。で、女の子から遠く離れた状態で謎の敵が出現したりすると非常に焦る。
 一緒に見ている奏一郎たちが「あ! 敵が出た! 女の子が危ない! 急いで戻ってーっ!」などと大慌てだ。ここら辺の緊迫感の出し方やバランスも巧い。先に進むための謎かけは(これまでクリアした範囲では)それほど難しくなく、ちょうど良い感じ。操作性も悪くない。

 どうしても進めなくなって困ってしばらくうろうろしていたら、女の子が何か言葉を発してシャンデリアを指さしていた。「え? このシャンデリアがどうかしたの?」と思って天井に登って棒で叩いたらシャンデリアが外れて落下!! それで先に進めるようになった・・・。という具合にさりげなくヒントが出るようになっている点もニクい! なお劇中のセリフは全て謎の言語で、日本語の字幕が出るようになっている。女の子の話す言葉は主人公の言葉とは異なる言語で、字幕も変な記号で表示される。何を言っているのか全く不明だ。

 それにしてもこの世界のリアリティはなかなかの物。この雰囲気リアリティがこのゲーム最大の魅力と言えましょう。窓から差し込む光。屋上に出た時の風の強さと高所の怖い感じ。それだけで一枚の絵になるような感じ。
 音楽は無し。風の音とか、たいまつが燃える音とかがするだけ。それがまた誰もいない静かで広い古城という雰囲気を盛り上げている。マジで夢に出てきそうな風景だ(悪夢とは限らない)。大人が読む童話・・・という感じのコンセプトかな?

[2002/01/09]
ある意味芸術度 ★★★★


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