ファイナルファンタジーXI
(6:リーダーの器編)

ゲームの中でも実社会と同じような役割しかできない・・・。



 6月に入って(?)FF11やBBユニットが再出荷されたらしく、7日(金)〜9日(日)の週末あたりは新人が急激に増加。そのせいなのかどうなのか、金曜の夜「さあこれからFFザンマイだ〜」というそのタイミングでサーバーダウン(;_;) そして続く土曜日も夕方から12時間以上に渡って緊急メンテのためゲーム不能だった。

 プレーヤーとしては週末に心ゆくまでプレーできると期待していたところにこの事態だ。これまでにも何度かあった事とはいえ、掲示板で不満をぶちまける人も少なからずいた。まあ「どうせ寝不足なんだろうから、サーバーダウンのうちにゆっくり寝ておけ」という神の啓示だと思って、寝た人の勝ち。

 日曜日もLさんを発見し、昨日ご一緒したXさんも合流。またまたパーティー結成だ。すっかり顔なじみか?

 Xさん「こんにちはー。Lordyさんて昨日一緒だった人だよね?」
 俺「はい。よろしくお願いしまーす」
 Lさん「Lordyさん、『兎の尻尾』は手に入れましたか?」
 俺「いえ。まだなんです」
 Xさん「じゃあ、今日は兎狩りに行きましょう」
 俺「え! いいんですか?」
 Lさん「私もKさんももう入手したので」
 俺「あ、ありがとうございます!」

 説明しよう。FF11での職業(ジョブ)にはメインジョブとサポートジョブがあるが、最初はメインジョブしか設定できないようになっている。つまり戦士は戦士、白魔道士は白魔道士の技しか使えないようになっている。しかし、あるクエストをコンプリートするとサポートジョブを設定できるようになって、例えば戦士をメイン、サポートを白魔道士にすれば、白魔法も使える戦士になれるのだ。このサポートジョブを得るために必要な3つのアイテムのひとつが「兎の尻尾」なのだ。この他にあと2つのアイテムが必要で、3つ揃えられれば晴れてサポートジョブを設定できるという訳だ。

 そして、これら3つのアイテムはブブリム半島・マウラ周辺に出現するモンスターが持っているため、多くのプレーヤーが我も我もとブブリム半島やマウラ周辺に集まって、ここ2週間くらいゴールドラッシュ状態なのだ。だから先日行った時のマウラの町はあんなに人口密度が高かったのだ。

 で、結論から言うと、LさんXさんのご協力によってこの日の内に俺は「兎の尻尾」をゲットできた! ゲットするまでに何度も何度も兎と戦ったけれどなかなか落とさなくて、もうあきらめようか?という意見まで出たけど、Xさんが「バイトに行く時間まであと30分あるからそれまで頑張ろう」と言って踏ん張ってくれたのが嬉しかった。こんな見ず知らずの俺のために・・・うっうっ(T^T)o

 ブブリム半島ではこの日も例によってゴブリントレインが発生して、ヒヤリとさせられる場面があったけれど、今回は死なずに切り抜けられた。ここら辺はゴブリントレイン常習地帯としてすっかり有名になっている。それにしても、今回の戦いでいよいよ俺の弱さがはっきりしてしまった。レベルが2つ違うとはいえ、Xさんと俺で強さがあまりにも違いすぎる。使用武器の差なのか?それともレベル2の差とはそのくらいの差なのか? どっちにしてもこのままではLさんやXさんに迷惑がかかる。何とかしなければ!

 まずは手っ取り早い対策としてレベルを上げたいと思った。この時点で俺はレベル12だったが、Lさんはレベル13、Xさんはレベル14。という訳でXさんLさんと分かれた後、1人で特訓だ。1時間ほど経験値稼ぎをしてやっとレベル13になれた。(その直後に死んでレベルダウンしてしまい、またやり直ししたけど(^^;) 次は装備品だ。ネット情報を色々調べた結果、レベル13の戦士にはボーンアクスという片手斧が最も強い武器だという事が判明。しかも値段が安い割に高性能。その上、地元ウィンダスで売っているではないですか。

 防具はバストゥーク国で売っているスケイルアーマーなどの「スケイル」シリーズが最も良いという事が判った。しかしバストゥーク国にはマイキャラがいない。たとえ新規にマイキャラを作ったとしても、そもそも絶対的にお金が足りないから買えない。でも、バストゥーク国からウィンダスまで来ている人もけっこう多く、そういう人のバザー品の中にスケイルシリーズの防具を出品しているのを見た事がある。バザー品なら店で買うよりも値段が安いから、今度見つけたら必ず買うという事にした。

 さて、ボーンアクスを買いにウィンダスの骨細工ギルドに行ってみたら値段がメチャクチャ高い! 3万ギルくらいの値付けだ。ネット情報では3千ギルくらいという話だったのに、どうしてこんなに違うのか? ネット情報は桁を間違えたのか? この世界では商品の値段は情勢によってかなり変動する事が判っている。実際、漁師ギルドでの釣り餌の値段ですら、以前買った時の2倍くらいになっていた。

 3万ギルじゃあ買えないなあ・・・と思い、仕方なく堤防で釣りをする事にした。疲れた時には釣りをするのが一番だ。で、堤防の近くにある武器屋の品揃えを何の気無しにチェックしてみたら、ボーンアクスが3千ギルくらいで売っていた!! えっ? ええっ?! 何これ?

 ファミ通の記事によると、同じ商品でも店によって売値がかなり異なるため、よくよく調べてから買わないと大損するという。なるほど。こういう事だったのか。という訳でめでたくボーンアクスを購入。さっそくその切れ味を試しに外に出た。そしたらこれが大誤算!! 武器の性能としては強いのだが、自分の「片手斧スキル」が低すぎて全然ダメージを与えられないのだ。

 FF11では武器の種類によってもそれぞれスキルがあって、俺は片手剣はずっと使ってきたから片手剣スキルが高いけれども、片手斧は全くの初心者なので片手斧スキルが1なのだった。このスキルの影響は想像以上に大きく、性能的にはボーンアクスの方が上なのに、いつもの剣によるダメージの2割程度しかダメージを与えられない感じ。このせいで危なく死にかけた(^^; (この時助けてくれた通りすがりの人。ありがとう!)

 でもボーンアクスで戦い続ければ徐々に「片手斧スキル」が上がって、いつかは剣以上のダメージを与えられるようになるはず。剣も斧も両方使えた方が将来何かと便利だろうし、経験値稼ぎにもなるからここはひとつ斧の練習をみっちりしようと決心。ザコ敵相手に斧で戦い続けた。

 そして途中、出会った人がバザーに出品していた物の中にスケイルアーマーなど欲しかったアイテムを発見し、速攻で購入。バザー品だから店で買うより安いし一挙両得。気がつけばレベル13で望みうる最高の装備が整っていたのだった。やった! 地道な努力の積み重ねが良い結果をもたらすのだ! W杯で日本がロシアに勝利した事だし、俺も片手斧で頑張ろう!! どういう脈絡なのか自分でも判らないが、何だか希望が沸き上がってくるのを感じた。(ロシアに勝った日の夜だった)


【チョコボ】
 FF11では各国にチョコボ舎という施設があり、条件を満たせばチョコボに乗って外を走り回れるという。しかしその条件というのが不明のままで、実際にチョコボに乗っている人はまだ見た事が無かった。

 しかし! 遂に6月8日。目撃してしまいました。チョコボに乗ってストトトトーっと走り去っていく人を。かっこいいー! 遂にやったヤツがいたんだ! 9日には何人も集団でチョコボを乗り回している人達を目撃。今後はどんどんチョコボで移動する人が増えそうだ。うらやましいなあ・・・。


【ゲーム内容が一部変更に】
 6月11日、FF11のバージョンアップが行われた。サービスが開始されてから初めてのバージョンアップだ。これによってゲーム仕様の一部が変更になった。内容はゲームバランスの調整とバグ修正が主目的のようだ。具体的には、これまで強すぎる過ぎると言われていた黒魔道士の能力に一部制限がかかり、またジョブとして不利過ぎると言われていたシーフに優遇措置が施された。たしかになあ、これまで黒魔道士はソロでもかなり強い敵と戦えたけど、シーフは何の役にも立たないという印象だった。だから黒魔道士をやってる人は多いけれどシーフをやってる人のはあまり多くなかったと思う。

 その他、パーティーを組んだ時の経験値の配分仕様の変更とか、サポートジョブを入手できる資格の制限を厳しくしたそうだ。上でも書いたようにサポートジョブを入手するために多くの人がブブリム半島に集中してしまい、ちょっと困った状況が起こっているのは事実。これを解消するためにサポジョブ入手条件を厳しくしたのだろう。それにしても、このようにゲームの仕様が途中で変更できてしまうと攻略本を作っている人は困るだろうなあ・・・。

 この夜、常連のLさんをはじめとしたレベル14前後の5人パーティーで某洞窟を探検した。この洞窟には「特ダネ確認」というクエストの目的地がある。俺もこれまで何度も挑戦してきたが、洞窟の奥に出現するモンスターが強すぎてそのたびに断念していた。しかし!今回気が付いたのだが「特ダネ確認」クエストの目的地は実は簡単な所にあったのだった。地図に書かれていない場所にあるため、地図を頼りに探すと見つけられないのだ。だから多くの人はそこには気が付かずに数段難しい奥の道へと進んでいる。難しい方の道は5人パーティーでも慎重に行かないと危ないような難しさで、実際、ちょっとヒヤッとする場面が何度かあった。

 今回初めてこの奥の道の終点に到達できた。終点には怪しい魔法施設があった。しかしこの魔法施設に関するクエスト、あるいはミッションをまだ受けていないので、今はここでは何も起こらないのだ。その魔法施設には、レベル15の5人パーティーでもかなりヤバそうな敵がうようよいたので、無理せず引き上げる事になった。

 「さあ帰ろう」と引き上げ始めたら、向こうからレベル8の戦士が1人で歩いて来た。例によってこっちを「特ダネ」の目的地だと信じて来たそうだが、「こっちは違うよ」と教えてあげたらガッカリしていた。ガッカリするのはいいけれど、あんた、こんな所から1人で帰れるの?と心配になった。「ここら辺は危ないから、俺たちと一緒に行こうよ」「ついでに『特ダネ』の目的地まで連れてってあげるよ」などと声をかけ、その人(Cさん)は「すみません」と恐縮しつつパーティーに合流した。Cさんのレベルでは、ここら辺の敵に捕まったら瞬殺されてしまう。みんなそれを判っているので助け船を出したのだ。パーティーのリーダー役のRさんは、実際にもリーダー然とした人らしく、指示や言動がリーダーっぽかった。そのRさんがキッパリと「(Cさんを)連れて行こう」と言い切ったのは偉いと思った。

 Cさんを連れての帰り道、やはり強敵がゾロゾロ出現。強敵カブト虫2匹に追いかけられて逃げ回っている人もいた。あの人は絶対に助からないだろう・・・と思った。でも助けられそうな人については見捨てずに助けた。負けそうな人に向かってRさんが「戦闘解除しろー!」と叫んだのにはドキッとさせられた。これは「あんたが戦闘解除しないと助けたくても助けられないから早く戦闘解除しろ!」という意味なのだが、ゲーム内ではこういう命令口調はあまり使わないのが普通なんだよね。この人はリーダーの素質がある人だなあ、と思った。ちなみに俺は横から相づちを入れる役だ(^^; リーダー役ではない。これじゃあ実社会での役割とほとんど同じじゃないか。ゲームの中でも結局その人の性格が出てしまうんだなあ、と思った。

 Cさんを「特ダネ」の目的地まで案内し、その後洞窟から出た。Cさんは「このご恩は忘れません!」と何度もお礼を言った。Rさんは「お礼は誰か他の人を助ける事で返して下さい」と言って送り出した。うーんRさん、リーダーの器だなあ。


【まさにサル!】
 ここ1ヶ月くらい、FFのおかげで慢性的な寝不足状態。まあそれでも睡眠時間は最低5時間は確保してますが。社会人だし。歳も歳だし。

 6月某日は休みを取ったので、その前の晩からFFザンマイ。10時間以上プレーしてしまった。さすがに夕方にはもう眠くて眠くてぶっ倒れそうだったが、それでもやり続けた。まさにサル! このままやり続けたら腎虚で死んでしまう!!という状態。いやホント、こんな生活を続けていていいのだろか(^^; 普通こんなにゲームばっかりやってたら、ニョーボが怒り出すはずなのだが、近年は自分もゲームにハマりまくった経験があるせいなのか全然怒らない。むしろニコニコしている。かえって不気味だ・・・(^^;;;;;;;


【平日の朝から・・・】
 という訳でその日は平日の朝9時だというのにFF世界へGo! サーチしてみるとさすがに人口が少ない。3百人ちょっとだ。最近は土日だと2千人を超えるくらい来るんだよねえ。で、その、平日の朝から来ている連中の顔ぶれをザッと見てみると、昨夜一緒のパーティーで戦った人を発見。Zさん! あんた、こんな時間からここにいるという事は学生だな!? それともフリーターか? 冷静に考えてみれば1ワールドで3百人として、全部で20ワールドあるから、全体では6千人ですか。平日の朝っぱらからゲームしているヤツらが6千人も・・・。世も末ですな(^^;

 中にはずっとログアウトせず、つまりゲーム世界にキャラがいる状態にしっぱなしにしている人もいるようだ。どうしてそんな事をするかと言うと、自分のバザー品をできるだけ多く売りたいためだろう。バザー品を売るにはマイキャラを他人に面と向かって見てもらわなければならないため、ログアウトしている時には当然バザーはできない。しかし常時接続でマイキャラを人通りの多い門の側などで座らせておけば多くの人が通りすがりに自分のバザー品をチェックしてくれて、売れるチャンスが増えるという寸法だ。実際、ウィンダスの東門の辺りに行けば、ほぼいつでも誰かがバザー品を公開した状態で座りこんでいる。まさに現実における露天商と同じ行動なのである。

 バザーと言えば、11日のバージョンアップで街の「取引所」が開店した。売りたいアイテムに「最低落札価格」を指定して預ければ、自動的にオークションにかけられ、落札されればその代金が送られてくるという仕組みだ。出品されている物をざっと見てみたが、個人のバザーよりも落札価格がやや高目なように感じた。バザーはその場その場での出会いであり、「適正相場」なんて誰も知らないし調べようもないので、確実に売ろうと思ったらあんまり高値には設定できない。だから同じアイテムでも人によって値付けに物凄く開きがあったりする。

 しかしオークションだと過去の落札記録からだいたいの相場が見えてくるから自然と値段が安定する。売る側にとっては割と安心して売りに出せる。しかし買う側にとってはバザーで買うよりも高値になる可能性もあるのではないだろうか?(その代わり、バザーで欲しい物を探し歩く手間は省ける)

 今どのくらいの人がこのオークションを利用しているか判らないが、俺の感覚としては、想像していたよりは流行っていない気がする。と言いつつ、俺はオークションで装備品を(バザーよりも)高値で売り払う事に成功し、まんざらでもない気分なのだった。


【パーティーリーダーへの道】
 先日Rさんのリーダーぶりを目の当たりにした俺は、俺もリーダーになれるように努力せねば・・・と思い立ったのだった。いつものようにタロンギ峡谷に出て経験値稼ぎをしつつ、誰か仲間にならないかなあ・・・と同エリアの人をサーチ。意を決してレベルの近い人(レベル13前後)に積極的に声をかけるようにした。すると想像以上に誘いに乗ってくる人が多い。

 「一緒にやりましょう」
 「よろしくお願いします」
 「こちらこそよろしくー」

 やはりレベル13程度ではソロは厳しいので、みんな仲間が欲しいのだ。仲間になった人が更に仲間を誘ったのでネズミ算式(大げさ)に仲間が増え、気がつけば6人(パーティーの最大人数)になっていた。6人いれば大抵の事は安心だ。俺が声をかけてこんなに人数が揃うなんて・・・。ちょっと嬉しくなってしまった。それと同時に、リーダーとしていい加減な行動は取れないぞ!という責任感も感じたのであった。

 前にも書いたが、「タロンギ渓谷に咲いているタロンギカクタスという花を取ってきて欲しい」というクエストがある。その花が咲いている場所はとっくの昔に判明していたのだが、そこには強敵がたむろしているため1人では取りに行けず、これまでペンディングになっていた。しかし今日は6人パーティー。しかも俺がリーダー! チャンスだ!

 「タロンギカクタスを取りに行きたいんですけど、いいですか?」
 「まだ取ってないんですね。いいですよ。行きましょう」
 「その後はメリファト山地に行ってみませんか。いい経験値稼ぎになりますよ」

 話は決まった。それでは出発だ! 6人ともなると移動も大変だ。みんなちゃんとついて来ているか確認しながら、なおかつ敵にも注意しつつ移動しなければならない。障害物が多い場所では仲間とはぐれてしまう人もいるのだ。実際Bさんが崖から落ちて仲間からはぐれてしまった。しかも夜だったので視界が悪く、Bさんがどこにいるのか判らない。「Bさんが戻るまでここで待ちましょう」「待ってますから慌てずに行動して」などと声をかけた。

 さて「タロンギカクタス」だが、あっけないほど簡単にゲットできた。さすがに6人パーティーだ。パーティーの中にこのクエストを受けていない人がいて、「ああ、俺もクエストを受けてから来れば良かったなあ」と悔やんでいた。クエストを受けた状態でないと花が取れないようになっているのだ。

 でも以前バザーで「タロンギカクタス」を売っている人を見た事があるし、他の人から譲ってもらってクエストをコンプリートしたという人もいる。という事は俺が花を取って、その人に渡せば大丈夫なのでは?と思って試してみたのだが、渡せない。

 「あれ? 渡せないよ」
 「おかしいなあ。私がやった時には渡せたんですけどねえ」
 「あ、花がEXアイテムになってるよ」(EXアイテムは他人に渡せない)
 「きっと11日のバージョンアップでアイテムの仕様が変わったんだ!」
 「それはありえる」
 「自分で取って来い。楽するなって事か」
 「そうですか。また来なきゃいかんのですね。残念(笑)」

 さて、花を取っている所に更に追加メンバーが来てしてしまった。メンバーの1人が知り合いに声をかけてしまったのだ。

 「6人を超えちゃいますね」
 「アラにしましょう」
 「おお!」
 「アラなんて初めて!」
 「ついにアラですか(笑)」

 「アラ」とはアライアンスの事。最大3パーティー、つまり最大18人までをひとつの集団として行動させる事ができ、これをアライアンスと呼ぶ。アライアンスを組むのはもちろん初めての経験だ。結局7人を3人と4人に分けて、2パーティーをアライアンスさせた。(左の写真がその時の様子。パーティーメンバーのリストが画面左の上下2つに分かれて表示されている。下が自分がいるパーティーで、上がアライアンスしたパーティーだ。)

 しかしメンバーの1人が「もうそろそろ寝ないとマズいので、寝落ちさせて下さい」と抜けたので、すぐに6人パーティーに戻った。つかの間のアライアンスであった。本当に短時間であったけれど、アライアンスを組むとリーダーはパーティー間の調整も行わなければならなくなるため、その責任はいよいよ重大になる、と実感した。メンバーの人数が多いので、各自がバラバラに戦ったのでは勝てる戦いにも勝てなくなる。事前に各メンバーの役割を周知徹底させ、作戦を決めておく必要があるだろう。その話し合いを仕切るだけでもかなり大変な仕事だと思う。俺にはできそうにないな・・・(^^;


【まだ見ぬ地、メリファト山地へ突入!】
 「花を取った事だし、メリファトに行きましょう」という事で、メリファト山地に突入した。メリファトはタロンギ渓谷の更に奥にある荒涼とした丘陵地帯で、登場するモンスターはより強力になっているという。

 ここには大トカゲとか、でっかい羽虫みたいなヤツとか、今まで見た事が無いモンスターがいた。取り敢えず大トカゲと戦ってみたが、手応え十分。さすがに強く、これまで経験した事の無い特殊攻撃を使ってきたりしてちょっと苦戦したが、その見返りは大きく、1回の戦いで100以上の経験値をゲット。そしてアイテムもザクザク出る。ソロで経験値稼ぎをした場合、普通1回で10〜50程度の経験値しか得られず、アイテムもたまに1個出るという程度なのだ。

 「これは美味しい!」
 「今、クリスタルが一度に4個も出たじゃん!!」
 「いいッスねえ〜(笑)」
 「もっと狩ろうよ」

 これが大トカゲと戦っている所。なりは小さいけどそのパワーは侮りがたい。レベル13前後では6人で当たらないと勝てそうにない。

 獲物を求めて北上するパーティー一行。マップを見ると変な点線が描いてある部分がある。

 「この点線は何なんだろうね?」
 「とりあえずこの点線の所まで行ってみましょう」
 「はーい」
 「OK〜」

 謎の点線を目指してひた走るパーティー一行。すると遙か前方に超巨大な白い物体が見えてきた。

 「何だあれは?!」
 「げげげ」
 「すげえー」
 「なにこれー!」

 それは超巨大な白骨(背骨なのか?)だった。骨の太さだけでも数10メートルはありそうな巨大さで、それが端が見えないくらいの長大な長さで東西方向に横たわっている。伝説の時代の龍か何かの骨なのだろうか? ゲームの中の事なのにその存在感は物凄く、見ているだけで圧倒されてしまう。こんな巨大な生き物がこの世にいたなんて・・・。こんなヤツの前で、俺たち冒険者は一体何ができるというのだろう・・・と自分の矮小さを自問した。

 「絶景だねー」
 「凄すぎ」
 「この骨を背景にして記念写真を撮りましょうよ」
 「いいねえ」
 「撮ろう撮ろう!」
 「はーい、みなさん並んで下さ〜い」

 先のバージョンアップで、画面をJPEG画像として保存できる機能が追加されたので、記念写真を撮る事ができるのだ。

 「撮った?」
 「OK、撮ったよ」
 「ホームページに使おう」(メンバーの中に俺以外にも自分のホームページを持っている人がいた)

 これがその時の記念写真。背景にある白い巨大な物体が問題の骨だ。

 その巨大感は、この写真では全く伝わらないと思う。しかしゲーム内で体験するとその巨大さに圧倒されてしまう。

 観光気分で更に奥へと進み、遂にこのエリアの「監視所」まで到達した。監視所は安全地帯ではないのだが、駐在員が立っているので何となく安心できるのだ。

 「やったー」
 「とうちゃーく!」
 「初めて来れたよ」
 「よし、ホームポイント登録しよう」
 「え? そんな事して大丈夫ですか?」
 「しない方がいいんじゃない?」
 「もうしちゃった。マズかったかな?・・・(^^;」

 ホームポイントとは死んだ時に戻される場所の事。普通は町の中の安全なポイントを登録するのだが、狩り場に近い所の方が移動にかかる時間が少なくて済むので、野外のポイントを登録する人もいる。ただし野外のポイントは、基本的に安全地帯ではないので、1人では勝てないような敵がいる危険な場所でポイントを登録してしまうと生き返ったとたんにまた殺されるという事があり得てヤバいのだ。

 「やっぱり奥に行くほど敵が強いようだから、タロンギ渓谷の近くまで戻りましょう」
 「わかりました」
 「OKー」

 もと来た道をたどってタロンギ渓谷への出口を目指した。そのまま素直にタロンギ渓谷に戻っていれば良かった。しかしみんな調子に乗っていた。この調子ならもっと強い敵とでもやり合える。そう思っていた。それが罠だった・・・。

 「マップで見ると東側がやけに広いよね」
 「気になる」
 「何があるんだろう?」
 「ちょっと行ってみますか」
 「はーい」

 ちょっとだけ東に行ってみようと思い、本当にちょっとだけ東に足を伸ばしてみた。ジュラシックパークに出てきた2本足で走る小さい恐竜みたいなヤツが歩いていた。

 「あれは何だ?」
 「おい大丈夫か?」

 次の瞬間、仲間の1人が攻撃された。ヤバい! 俺はすぐさま攻撃態勢に入った。他のメンバーも攻撃態勢に入った。しかし攻撃が当たらない。やけに攻撃力と防御力が高い。

 「ヤバいんじゃない?」
 「いや、けっこう行けるかも」

 敵のHPはまだ半分以上残っているのに、こちらの魔法使いはMPが底をつき始めた。「こいつはマジでヤバいぜ・・・」とは思ったが、今さら逃げられない。どうせこいつは追いかけてくる。そしてこの状況では絶対に逃げ切れない! ましてや俺は盾役の戦士であり、リーダーでもある。俺が逃げたら他のメンバーは絶対に助からないのだ!

 「死ぬ時は例えドブの中でも前のめりに倒れて死にたい」

 「巨人の星」の中で語られる坂本龍馬の言葉だ。実際の坂本龍馬がそういう発言をしたのかどうかは知らないが、その時の俺はそう思って戦っていた・・・。

 ・・・・・・・・・。



 次にやる時は、あらかじめ逃げる時の段取りをメンバーに周知させて、ヤバそうな時にはHPに余裕があるうちに逃げるようにしよう・・・と思った。俺が倒れた後、予想通り他のメンバーは次々と瞬殺されていった。ひとたまりもなかった。無惨な結末だった。荒野にはただ乾いた風だけが吹いていた。


(後日談)
 この事件の翌日に発売された週刊ファミ通にこのモンスターの事が書いてあった。そこには「どう猛な肉食恐竜。攻撃力が高いので絶対に近づくな」と書いてあった・・・。あと坂本龍馬が言ったとされている言葉は、どうやら「巨人の星」の中だけの創作らしいです。

[2002/06/15]
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