ファイナルファンタジーXI
(7:サポジョブ死闘編)

誰もがサポートジョブを求める旅人だ。



【不思議なカップル】
 やっとの事でレベル15になった。1ヶ月以上毎日やり続けてもこれだ。この一点だけ取っても普通のRPGとは違うという事が判るでしょう。

 この日、ほぼ同レベルのAさんとBさんが仲間になった。白魔道士がいないと辛いという事で、たまたま近くにいた白のMさんに声をかけた。そしたらMさんは隣りに立っていたZさんと既にパーティーを組んでいた。結局MさんとZさんともに仲間になり、5人パーティーになった。

 で、ここからが重要なのだが、このMさんとZさんはどうも普通の仲ではない雰囲気。横で観戦していたニョーボも「この二人は絶対恋人同士でしょう」と言っていた。Mさんは、反応の仕方、言葉遣い、行動パターンが一般の人と全然違う。Mさんは女性で、Zさんがその彼氏。そしてZさんがMさんをグイグイ引っ張ってる感じ。Mさんの言葉の端々からZさんの事を凄く信頼しているのがわかる。俺は「なんか、場違いな人を仲間にしちゃったかな?」と思ったけど、Zさんが凄く頼りになるのでそのまま一緒に戦った。

 FF11の中で出会った人で、この人は男だなと判る人は多いけれど、女だなと判る人は見た事が無かった。言葉遣いが丁寧というだけなら俺も丁寧に話しているけれど、ちょっとした返事とか受け答えでクセが出てしまうんだよね。そういう意味でこのMさんみたいな受け答えをする人は初めて会った。ちょっとドキドキした(^^;

 戦闘途中でMさんが死んじゃった。死ぬとホームポイントに戻されてしまうのだけど、Mさんは海の向こうのセルビナという港町にホームポイントを設定していたため、再合流するために船に乗って戻ってくるまでみんな港で待った。実時間で40分くらいかかったかなあ・・・。船は1日3便しか無いため、乗り逃すとかなりの時間のロスになる。我々はずーっとマウラの船着き場で立って待っていた。その間、ゲーム攻略に関する話をしながら。

 パーティーメンバーはどんなに離れていても会話ができるようになっている。Mさんは「すみません・・・私の為に・・・」としきりに謝っていたけど、俺ら戦士が接近するモンスターに気が付くのが遅れてしまったためにMさんが直接攻撃されてしまった訳で、「いや、悪いのはこっちの方です。Mさんのせいじゃないです」とみんな謝ったのだった。Mさんが乗った船が港に着いた時には嬉しかった。本当に船が港に入ってきて、そして船からMさんが下船して来るのがちゃんと見えるのには驚いた。このリアルさ表現へのこだわりは大したものだ。

 この後、サポートジョブを得るための3つのアイテムの2つ目、「ダルメルの唾液」もZさんらの協力によってゲットできた。左の写真がその「唾液」を落とす強敵ブルダルメル。見ての通りかなり巨大! 近くで見ると迫力あるよー。

 サポートジョブ取得のためのアイテムは、いよいよ残りひとつだ!


【船に乗って隣りの大陸へ!】
 次の日、俺もその船に乗ってセルビナに行ってみようと思い、船に乗った。

 船の甲板に出て見ると、陸がどんどん遠くなるのが見える。本当に船に乗ってる気分だ。船内の売店に行ってみたら釣り餌を売っていた。ここのところウィンダスの街では釣り餌の需要が多くて慢性的に品不足。でもここでは普通に売っていた。だからチャンスだと思ってたくさん買った。で、釣り餌が手に入ったので甲板で釣りをしてみた。そしたら魚が釣れた。もっと釣ろうと思って続けて釣っていたら、モンスターが釣れてしまった! 船内でモンスターに追いかけ回されて、結局死んでしまった(^^; 俺は一体何のために(金を払ってまでして)船に乗ったのか・・・。とほほ・・・。

 ウィンダスに戻り道を歩いていたら、自分にそっくりな猫娘が前を走っていた。よくよく見てみるとそれはNさんだった。Nさんは、Lさんと共に一番最初にまともなパーティーを組んだ相手の人。併走していたらNさんも俺に気が付いたようで、立ち止まった。

 俺「こんにちはー。お久しぶりです」
 Nさん「今日はどちらへ?」
 俺「ダルメルの肉が欲しいので、タロンギ峡谷で狩ろうと思って」
 Nさん「タロンギのダルメルは肉を落としませんよ」
 俺「そうなんですか?」
 Nさん「肉狙いならブブリム半島の方ですね」

 俺「じゃあ、トカゲの卵狙いでメリファト山地へ行こうかな」
 Nさん「メリファトのトカゲも卵出さないはずですよ」
 俺「ええ!?」
 Nさん「トカゲの卵は、バストゥーク国のあたりで出るそうです」
 俺「バストゥークですか・・・遠いなあ」

 というような会話をして意気投合した俺とNさんは、一緒にセルビナに行く事になった。セルビナ・・・。船上で死んだ嫌な記憶が蘇る。でもNさんと一緒なら大丈夫だろうという事で一緒に船に乗った。船内では操舵室が安全だという事で、操舵室から甲板を眺めていた。そしたら甲板にモンスターが一匹いるじゃないですか! どうやら最低1匹はモンスターが登場するようになっているようだ。そのモンスターは俺よりレベルが上のNさんから見ても「強そうだ」と表示されるとの事。それじゃあ負けても仕方がなかった。

 セルビナに無事到着。セルビナは小さな港町だった。雪が積もっていて、歩くと自分の足跡が雪に残る。すげぇー(^^; ・・・と思ったら、実は全部白い砂だった。そこから更に砂丘や草原を走り抜け、とうとう隣りのサンドリア王国に到達。初めて隣の国まで走破したよ。感激ーっ! ウィンダスからだと実時間で1時間以上かかったかなあ。ここでもNさんが色々教えてくれて、小クエストをいくつかこなした。

 Nさん「今日は遠くまで連れ回してしまいましたねえ」
 俺「いえいえ。楽しかったですよ」
 Nさん「フレンド登録いいですか?」
 俺「いいですよ。しましょう!」

 フレンド登録とは、気の合った仲間を登録しあう事。フレンド登録した相手に対しては、その人がログインしているかどうかを確認したり、簡単に直通通話したりできるようになる。パーティーを組んだ仲でもそうそう簡単にはフレンド登録まではしないのが普通で、この人とはウマが合いそうだなと思った人とだけ登録するのが普通だ(・・・と思われる)。つまりNさんは俺の事を信頼できると認知してくれたのだ。嬉しいなあ。この出会いがFF11の大きな魅力のひとつだなあ。


【異国、サンドリア王国】
 Nさんに連れられてはるばるサンドリア王国まで来てしまった俺。こんな遠くまではそうそう頻繁には来れないので、サンドリア近辺でできる事は全部やってからウィンダスに帰ろうと思った。街の住人に話しかけて回ると色々な用事を頼まれる。レベルが低いキャラにはそれなりに難しいクエストなのかもしれないが、今の俺のレベルでは何の障害もなく済ませられる物が多い。やれる仕事はどんどん消化。

 その中で「龍王の墓の水を取り替えてきて欲しい」というクエストがあった。龍王の墓? それってどこにあんの? サンドリアの住人にとっては常識なのかもしれないが、今日初めてサンドリアに来た俺にとっては全くの謎。野外をさんざん歩き回った末にようやく発見。墓所へと通じる洞窟には外とは違う(たぶん、より強い)敵が出現するが、レベル15の戦士にとっては痛くもかゆくもない。他のプレーヤーが一生懸命戦っているのをよそに、サクサク先に進む俺。「わははは、ここでは全然負ける気がしねえぜ!」 そして龍王の墓を発見。水を取り替えて任務完了。

 ここで素直に街に引き返せばそれで何の問題も無かったのだ・・・。しかし、地図を見るとまだまだ奥があるように描いてある。「この調子で奥まで行ってみっぺか?」と要らぬ色気を出したのが敗因。奥の洞窟は、それまとは桁違いに強いモンスターがうようよしていたのだ。完全に慢心&油断していた事も相まって、サックリと死にました(^^; 優勝候補フランス、まさかの1次リーグ敗退!って感じでした。この死亡で経験値が350くらい後戻り! 痛たたたっ! この失敗を取り戻すため郊外に出て兎やヒツジと戦い続けた。

 何十匹か倒した頃、何だかパッドがブルブルしている事に気がついた。むっ!殺気っ!!と思って横を見たら街道を超巨大なヒツジがズシーン!ズシーン!と地響きをたてながら歩いているではないですか! ななな、何じゃこりゃーっ!! 遠目にはそこらにいるヒツジモンスターと同じみたいに見えるんだけど、近くで見るとそのデカい事、デカい事!! ヒツジのくせして見上げる巨大さだ。これが噂に聞いた「ノートリアスモンスター」ってヤツか!?と思い、大慌てでモンスターの背後方向に逃走。背後から「調べる」コマンドをしてみたら当然ながら「とても強い」と出た。そこらのザコ敵とは違って固有名詞がついていた。今回は運良く気付かれず済んだけど、もしあいつに見つかってしまったら絶対に助からないと言われている。くわばらくわばら・・・。

 その後街に戻って、さてもう夜も遅いからログアウトするかな、と思っていたら、全然知らない人から直通会話が飛び込んできた。

 Xさん「すみません、お願いしたい事があるんですが」
 俺「私、今から落ちようと思ってるんですけど・・・」
 Xさん「クエストなんですが協力していただけませんか?」
 俺「どこまで行くんですか?」
 Xさん「同種族でパーティーを組むというクエストです」
 俺「ああ、なるほど。わかりました。そういう話でしたら協力しますよ」
 Xさん「ありがとうございます!!」

 サンドリア国のクエストのひとつに、同じジョブで6人パーティーを組むとか、同じ種族だけで6人パーティーを組むとか、そういうパーティーメンバーを集めるミッションがあるのだ。つまり、ゲームの早い内にパーティーを組む経験をしておけ、という親心的なミッションだ。

 しかしサンドリア王国はエルヴァーン族という種族の国なので、ここで始めた人にはミスラ族が少ない。ミスラ族で始めてしまった人は「同じ種族だけで6人パーティー」というのはかなり難しい問題と思われる。だからすぐ協力したのだった。人通りの多い門の脇でミスラだけ6人もかたまっている様はかなり目立っていた。こんな事は珍しいから記念写真を撮りましょうという事になり、並んで写真を撮った(左の写真)。


【またしても船上で犠牲者が】
 次の日、サンドリア国からウィンダス国へと帰路についた。セルビナから船に乗ってマウラへ向かう。あの甲板にモンスターが出る船だ。乗り込んだ客は6人ほど。客室でおとなしく待っていればいいものを、出航と同時に客室から出て行くヤツが約2名。出て行ったあいつ大丈夫かな・・・、と心配していたら案の定モンスターに攻撃されているというメッセージが出た。

 まさか客室まで入って来るのか?と心配していたら、逃げ戻って来たヤツの後ろからモンスターが入ってきた!! 今度はタコみたいなモンスターだ。こいつは初めて見た。「やべえっ!」 隣りに座っていたCさんと一緒にすぐさま逆側の扉から甲板に脱出。甲板にいても安全ではないので操舵室へ逃げ込んだ。「○○○は倒された」というメッセージが出た。あっと言う間に2人死んだ。辺りが急に静かになった。操舵室の窓から外を見てもモンスターが見えない。いったいどこにいるのだろう・・・。

 Cさん「ここは安全なのかなあ?」
 俺「扉を開けなければ大丈夫なはずです」

 下の客室にいるらしい人のセリフが聞こえてきた。
 Pさん「外に出てはいけないのですか?」
 俺「扉を開けるとモンスターが入ってきます。開けては絶対ダメです」
 Pさん「わかりました。じっとしてます」

 甲板にモンスターがいるのが見えた。強さを調べてみたら「とても強い」だった。この敵に勝つにはレベル15〜20程度の6人パーティでないとダメだろう。「くわばら、くわばら・・・」 たった11分の航海だが、非常に長く感じられた。


【プレーしながら寝てしまう人たち】
 さて船はマウラに到着。マウラには非常に多くのプレーヤーが集まっていた。ここで以前一緒に戦った事のあるTさんを発見。Tさんは「僕はシーフなので誰も仲間に入れてくれない・・・」と嘆いていた。確かに、レベル14程度のシーフはほとんど役に立たないからなあ。突然サンドリア出身のYさんから誘いがかかった。この人は初対面。俺はTさんに声をかけ、一緒にYさんのパーティーに参加した。更にTさんが友達のOさんに声をかけ合流。このOさんも以前一緒に戦った事がある人だ。こうして6人パーティが結成された。横を見るとすっかり顔なじみのLさんが立っていた。彼は別のパーティに参加しているようだ。

 俺「あ、Lさん、こんにちはー」
 Lさん「おや、ローディーさん、こんにちはー」

 Lさん「あ、そうだ、フレンド登録しておきませんか?」
 俺「お願いします!」
 やった! また心強い人とフレンド登録できた。

 我々のパーティーはマウラ周辺でダルメル狩りを行った。ダルメルだけなら問題無いのだが、横からゴブリンが闖入(ちんにゅう)してくる事があり、そうなると非常にヤバい状況になってしまう。この日もそういうヤバい場面があり、俺も死の一歩手前まで行ったが運良く生き延びる事ができた。チームワークがしっかりしている方が生き残る確率が高いのははっきりしているのだが、即席のパーティーにそれを望むのは難しい。要所要所では、やはりある程度気心が知れた仲間が必要になると思われる。

 戦闘終了後、Yさんがいない事に気が付いた。調べてみると前に休憩した場所でまだ休憩ポーズをしてる。

 「おーい」
 「どうしたの?」
 「返事が無い・・・」
 「寝てる?」
 「寝てるね」

 この時、リアル時刻は深夜の2時。このくらいの時刻になるとプレーしながらついつい眠ってしまう人がけっこういるようなのだ。いわゆる「寝落ち」というヤツだ。

 「起きて下さーい」
 「ダメだ反応が無い」
 「どうします?」
 「このまま置いていく訳にもいきませんし・・・」
 「最悪、パーティーから外しますか?」

 などと相談しているうちにYさんが目が覚ましたらしく起きあがった。

 Yさん「ごめんなさい、寝てしまいました」

 午前3時。パーティーの動きが鈍くなってきた。みんな眠くなってきたようだ。そろそろ潮時か? という事で今日はここまでという事になりパーティーは解散した。その後、この時のメンバーであるYさんとOさんからフレンド登録の申し込みが来た。ここにきてフレンドが増えて来たぞ。嬉しい。


【大人数パーティーの問題点】
 パーティー組んで戦ってて調子が良かったりするとついつい深夜までプレーしちゃうんだけど、逆に、パーティー組んでても調子が悪い時があって、そういう時は早く抜けたいなあ・・・と悩んでしまう事がある。例えば、リーダーが意思統一をはっきりできなくて、なかなか行動できないでダラダラしているパーティーとか、不運から連続して死んでしまった時とか、頼りにしていたメンバーが途中で抜けてしまった時とか、パーティーにちょっと嫌な人が入っている時など。特に大人数パーティーでリーダーの統制力が十分でないと、かなり悲惨。この夜のパーティーがそれだった。パーティーなんて言ってもほとんどのメンバーは初対面だし、やりたい事がバラバラな場合もある。

 「ダルメル狩りがしたい」、
 「え?ボギー狩りが目的なんじゃないの?」
 「その前に邪魔なゴブリンを片づけようよ」
 「いや、魚狩りが美味しいよ」

 などと意見がまとまらない。この日は結局ブブリム海岸で魚を倒しつつ、サポジョブ用のアイテム「血染めの衣」も狙うという事になったのだが、メンバーの1人が間違って関係のないモンスター(こちらから攻撃しなければ無害なモンスター)に攻撃を仕掛けてしまい、周りじゅうからそのモンスターの仲間が集まってきてしまい、大混乱に(こういう関係無いモンスターに攻撃をしてしまう事を「誤爆」という)。1匹相手なら何とかなるが、2匹以上集まってしまうともう絶対にかなわない。「逃げろー」という事になってみんな逃げ出したのだが、逃げ切れずに何人か死んだ。俺は何とか助かった。ギリギリだった。

 その後、気を取り直してもう一度海岸に行って経験値稼ぎをしていたが、また誰かが誤爆をしてしまい。今度は俺も死亡。そしてその後さらにもう一回死亡。レベルが高いほど死んだ時に失う経験値が大きくなるため、この2回連続死は非常にショックがでかかった。泣きたい気分だった。2度目の死亡の後「もう今日は抜けさせて下さい・・・」と言って抜けさせてもらった。リーダーの人はあんまりいい気分ではなかったようだけど、何より俺自身の気力がゼロ。とても続けられなかった。

 ウィンダスの街に帰る道すがら、前を走っている人が以前一緒に戦ったMさんである事に気がついた。この人のキャラは俺のキャラとほぼ同じ外見なのですぐ判るのだ。でも一度だけだったから俺の事を覚えているかどうか判らない。サーチしてみたらMさんのレベルは俺よりもちょっと低い。たぶんあんまり戦っていないのだろう。意を決して声をかけてみた。

 俺「以前ご一緒しましたよね?」
 Mさん「ええ。双子とか言われましたね」
 俺「私、今夜はもう2度も死んでしまいましてボロボロです」
 Mさん「それはそれは・・・」
 俺「今度一緒に戦いませんか?」
 Mさん「はい、また一緒にやりましょう」

 という事でフレンド登録までこぎ着けた。同じようなレベルの、同じような進捗状況の人同士じゃないと行動の目的が食い違ってしまって、パーティー組んでもうまく行かない事が多いような気がする。その点このMさんはだいたい同じ進捗状況だと見た。この先、どんどん難易度が上がっていくのでこれからもこういう仲間を見つけていこうと思った。


【フレンド仲間】
 フレンド登録した仲間については、その人が今ログインしているかどうかを簡単に調べる事ができるようになっている。で、この日の昼、ログイン状況を調べてみたら、知っている人は誰もログインしていないという結果が出た。なので町でブラブラしていた。そしたら向こうからNさんが走って来たではないか! ええっ?! あんた今ログインしてない事になってるやん?!

 各キャラは自分のログインステータスを設定する事ができて、「ログイン中」「取り込み中」「離席中」「姿を隠す」などから選べるようになっている。ここで「姿を隠す」に設定していると、他のフレンドからはログアウトしているように見えるようだ。でも「名前でサーチ」コマンドを使えばどこにいるかすぐに判るんだけどね。「姿を隠す」にしてるのにばったり出会ってしまうと何ともバツが悪いよね(^^;


【血染めの衣の夜】
 街の門の所で立っていたら、Lさんがやってきた。おや?いつもと服装が違うぞ? 「調べる」コマンドで装備を調べてみたら、何とレベル1になっているじゃないですか。Lさんは白魔道士のレベル19くらいだったはずなのに、今は赤魔道士のレベル1だ。さては!サポートジョブをゲットできたので別のジョブのレベル上げを始めたな? くくっ! ねたましい・・・(^^;

 Lさん「ローディーさんは、サポジョブはまだですか?」
 俺「ええ、『血染めの衣』がまだ入手できなくて・・・」
 Lさん「早くゲットできるといいですね」
 俺「昨夜もそれで2回死にました。地道に頑張ります」

 「血染めの衣」というのがサポジョブをゲットするための最後の鍵になっていて、2度も死んだ上述の夜もこれをゲットするために戦っていたのだった。しかしこのアイテムはブブリム海岸という場所で夜の時間帯にだけ出現する「ボギー」というモンスターを倒した時にだけある確率でゲットできるため、多くのプレーヤーがその海岸に殺到していて、つまり、かなり競争率が高くなっている。そしてその場所に出現するモンスターはどれも非常に強いので、俺のレベルではパーティーを組まないと戦えないし、パーティー組んで戦ってもかなり危険な場面がある。という訳で俺はまだサポートジョブをゲットできていないのだった。

 この日もブブリム海岸で「血染めの衣」を求めてパーティー結成。で、この日もやっぱり大人数の即席パーティは話がなかなかまとまらない。

 「海岸で戦うならもっと強い戦士がいないとダメなんじゃない?」
 「そう?これで大丈夫だと思うけど」
 「レベル20の戦士の人知ってるから声かけてみますか?」
 「おお、それは頼もしい!」
 「その人が入ると経験値が少なくなっちゃうから、俺抜ける」
 「むしろ黒魔道士が足りないんじゃない?」
 「どうします?」
 「パーティー組み直しますか?」
 「衣が必要な人は結局何人なの?」

 てな感じで街の中で実時間2時間近くも煮詰まらない状態が続いた。その時間を外で戦った方がよっぽど実りがあると思うのだが、強いリーダーシップを発揮するような人がいないのでズルズル行っちゃうんだよなあ。ホント、パーティーを組むのって難しいわ〜(-_-; 今までの少ない経験で言えば、多少強引でもグイグイ引っ張っていってくれる人がいた方がメンバーとしては楽だ。

 で、問題のブブリム海岸はこの日も夏の江ノ島なみの人口密度だった!!(大げさ) ボギーが出現してもすぐ他のパーティーに先に取られてしまう事がほとんどだ。せっかくパーティー組んでここまで来たのに、何もできずに時間だけが過ぎていく。一体何のために俺たちはここに立っているんだろう・・・? ボギー狩りはあきらめてダルメルとか他のモンスターを相手にした方が経験値稼ぎになるんじゃないですか?待ってる時間ももったいないし・・・と思っていた人も多かったはず。

 そんな状態で1時間ほどウロウロし、たまに出現する魚モンスターと戦っていたのだけれど、ボギーとは出会えず・・・。こんな実りの少ない戦いは時間の無駄なんじゃないか?もうそろそろやめようか?と思っていたその矢先、見るとそこにボギーがいるじゃないですか! 「いた!」「ボギー発見! みんなキテー!!」他のパーティーに取られないうちにと、真っ先に攻撃を開始した俺。俺が戦っている所に集合してくるメンバー。結局ボギーは倒せて、しかも「血染めの衣」が出た! さあ、この衣は誰の物になるのか?

 パーティー戦でゲットしたアイテムは、誰が取るかはくじ引きで決める事になっている。このくじ引きを「ロットイン」と呼び、一番大きい番号を引いた人が勝者になる。で、さっそくロットインしたのだが、俺の引いた番号は小さく、「ああ、またダメだった・・・」と落胆した。

 と、その時、側に立っていたメンバーがポイズンリーチに攻撃された! このポイズンリーチ、見かけは「風来のシレン」に出てくるマムルみたいな可愛い系の姿をしていて、普段は無害なヤツなのだけれど一度でも攻撃を仕掛けてしまうと近くにいる仲間が大勢集まってきて手に負えない。しかも1体でもかなり強いという、非常にやっかいなモンスターなのだ。おそらく間違って範囲攻撃魔法を使ってしまった人がいたのだろう。

 むしろボギーよりも苦戦してその1匹は何とか倒せた。ほっと一息ついたのだが、別のパーティーもポイズンリーチに襲われているのが見えた。しかも2匹から同時に攻撃されていてかなり危ない状況のようだ。見捨てておけず助けに行った。こちらの戦いも何とか勝つ事ができた。助かって良かったね、と思った次の瞬間! 俺たちの背後に大量のポイズンリーチが押し寄せている事に気がついた。こ、怖っ!!! 一体どこからこんなに集まって来たのか?! ほとんど瞬間的に「これはマジでヤバいっ!」と判断。一番レベルが高いKさんも逃げ出した。俺もKさんに続いた。みんな散り散りに逃げ出した。この時点で既に死亡者が出てしまっていた。

 FF11のモンスターには視覚を頼りに追いかけてくるタイプや、嗅覚を頼りに追いかけてくるタイプなど、それぞれに特徴があるという。嗅覚を頼りに追いかけてくるタイプの場合は、川などに入れば追跡を振り切れるという話だ。このポイズンリーチは、もしかして嗅覚タイプなのでは?と思い、一回海に入れば追跡を振り切れるのではないか?と思った。・・・しかしダメだった。海に入っても追いかけてくる。どうすりゃいいのよ(T^T)o

 戦士系のメンバーは防御力があるからある程度の攻撃に耐えられるが、魔法使い系のメンバーは持ちこたえられず次々に力尽きていった。7人いた仲間も、気がつけば俺とKさんの2人だけになっていた。今回もまたこいつに殺されてしまうのか・・・。俺は死を覚悟した。でも、もしかしたら逃げ切れるかもしれない。最後まで希望は捨てないぞ! 絶望した時が負ける時だ!! そう自分を励ましながらマウラの街を目指して走り続けた。

 街に逃げ込めば助かる。しかし街にたどり着く前に追い付かれたら終わりだ。ポイズンリーチはどこまでも追いかけてくるので、一瞬の迷いも許されない。振り向かずに走り続けるんだ! 以前似たような状況で「追跡を振り切った!」と思って野外で休憩していたら、そこまでも追いかけてきて殺された事があった。こいつの追跡を振り切るには街に逃げ込むしかないようだ。

 やっと街の入り口が見えてきた。しかし何か様子がおかしい。近づいてみるとイモムシとかキリンとか魚とか、色々なモンスターが大集合しているじゃないですか!! それもかつて見た事も無いほど大量に!! こんなの初めて見た。今夜はモンスター仲間のお祭りでもあるんですか?(^^;

 誰かがこれらのモンスターに追いかけられて、引き連れたまま街に逃げ込んだため入り口付近にモンスターが大集合してしまったようだ。マウラの入り口は完全に塞がれた状態になってしまっている。こいつらを突破しないと街に入る事ができないが、突破できるのか?! 背後からはポイズンリーチの大群が追いかけてきている。振り向いている余裕は無いが「ぴちっ、ぴちっ」という音で判るのだ。まさに「前門の虎、後門の狼」状態!!

 迷っている暇は無いので、そのままモンスターの群れに突入した。「すみませーん、どいて下さーい、どいて下さーい」 まるで通勤で混雑する駅で人の流れに逆らって進むみたいにモンスターとモンスターの間をすり抜けて門の中へと入った。そこに集まっていたモンスターの多くが、「こちから攻撃しなければ無害」というタイプだったので何とか無事に突破できたが、しかし生きた心地はしなかった。(トレイン直後の「気が立っている」状態だと、無害なモンスターでも攻撃してくるのかも?)

 やっと門の内側に入れたが、しかしここで遂にポイズンリーチに追い付かれてしまった。エリア境界まであと50mくらいだっつーのに! 何度か背中に攻撃を受けたがHPが半分くらい残っていたおかげでそのまま街に入る事に成功! 滑り込みセーフ!! 「はあっ、はあっ、はあっ」心の中で息が荒くなっていた。

 街の中には俺たちと同様に逃げ帰ってきたらしい人達で激しく混雑していた。「現在、外には大量のモンスターが集合しているので外出は危険でーす」などと叫んでいる人もいる。みんな口々に「怖かった」「また死んだ」「もう寝ます」などと言っている。中には「ひとの事を助けたりするから・・・」などと言っている人もいた。まあなぁ・・・。あそこで他のパーティーを助けなければこんな事にはならなかったかもしれない。でも、十分に助けられると思えたし、やっぱり死にそうな人を見捨てる事は心苦しいんだよなあ・・・。

 ・・・などと複雑な心境でいるところに、Tさんから「ローディーさん、衣ゲットおめでとー!」という祝電が入った。え?衣は誰か別の人の物になったのでは?と思い、持ち物をチェックしてみたら、持ってるじゃないですか!「血染めの衣」を!! どうやら衣のロットインが終了しないうちに他のメンバーが死んでしまったため、もらい手がいなくなった「血染めの衣」が、自動的に俺に転がりこんできたらしい。ラッキーと言えばラッキー。嬉しいけれど、でも死んだ皆さんには申し訳が無い・・・。

 「みなさんのおかげで衣ゲットできました。俺だけ良い思いをしたみたいで申し訳ないです。ありがとう!」
 「おめでとー」
 「おめでとう、ローディーさん」
 「良かったじゃん」

 という事で俺はやっとサポートジョブをゲットできたのでした!! 辛く長い道のりだったなあ・・・(T^T)o

[2002/06/22]
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