ファイナルファンタジーXI
(69:夢、託されし者編)

何の為に戦う? 勝利の後の一杯のビールの為。



【負け続ける毎日】
 ニャンピィと限界爺さんとの対決。1日1回ずつ対戦し続け、10回戦を突破してもなお負け続けていた。もうこの辺りまで来ると作戦としては円熟の域に達していると言うか何と言うか、もうやるべき事はほぼ全て洗い出され、改善できる所はほとんど改善し終わっていた。

 例えば、

 (1)自分にかける強化魔法は1個1個別のマクロにするのではなくて、自動的に連続してかかるよう、ひとつにまとめた。別々のマクロにしても、どうせ個別にかける事などないからだ。

 (2)爺さんにかける弱体魔法についても同様で、<stnpc>によるサブターゲットを利用して、パライズ、グラビデなど一連の弱体魔法を半自動的に連続してかけらるよう、ひとつのマクロにまとめた。これも従来は別々のマクロにしていたが、使う時は必ず連続で使っていたので、ひとつにまとめた方が良いという事になった。

 (3)爺さんを寝かせられるかどうかが最大の問題だが、これもまた<stnpc>によるサブターゲットを利用して、スリプル2、スリプル1を続けて唱えられるようなマクロにまとめた。もしスリプル2で眠らなかった場合、すぐに続けてスリプル1を唱えられるようにしたのだ。もしスリプル2で眠った場合は、×ボタンでキャンセルすれば次に控えているスリプル1をキャンセルできるから問題無い。もしスリプル1もレジストされた場合は、再詠唱時間待ち(けっこう長い)の間耐え続けなければならないが、その時はその時だ。

 (4)爺さんを眠らせ、ディスペルや弱体魔法を一通りかけた後、攻撃魔法連射に転じる訳だが、攻撃魔法を撃つ前に必ずバインドを入れる事を徹底させた。バインドをしないで攻撃魔法を撃つと、目を覚ました爺さんがジェットストリームアタック並みの速度で間隔を詰めて来る。近づかれて直接打撃を受けるのが一番痛いので、必ず先にバインドを入れるようにした。

 冷静に考えればこんな事は当たり前の事であるが、焦っている時はバインドをかけずに攻撃魔法を撃ってしまう事がしばしばあり、それで敗退していた。だから攻撃前のバインドを忘れないよう、バインドのマクロを攻撃魔法のすぐ横に配置変更した。バインドされた爺さんは攻撃魔法を撃ってくる事が多いが、爺さんの攻撃魔法は意外に痛くないので、魔法合戦に持ち込めばこちらに分がある。

 (5)エアロ3やストーン3など、「3」系の攻撃魔法は再詠唱待ち時間がけっこう長いので、連射しようとすると「魔法を唱えられません」になってしまってロスになる事が多かった。だから攻撃魔法は3つ(エアロ3、ストーン3、ウォータ3)用意し、この3つを順番に唱え、更にそれら間にハイポーションを飲むなど別の行動を織り交ぜる事で、再詠唱待ちによる「魔法を唱えられません」ロスを無くすようにした。

 (6)自己回復は、ハイポーションのマクロの他にケアル4のマクロも用意した。最初の頃は攻撃魔法に使うMPを少しでも多くする目的で、自己回復は薬品だけに頼りケアル4は使わなかったが、コンバートする前や、した後はハイポーションだけでは間に合わないという事がはっきりしたので、ケアル4も使えるよう専用マクロを用意した。

 (7)最初はMPが増える装備をして突入し、自分に強化魔法をかけた所でINT重視の装備に換装するマクロを用意した。また、コンバートでMPを回復する際は、その直前にMP重視装備に換装しその後で再びINT重視の装備に換装するような、けっこう凝ったマクロも用意した。MPの量がこちらの手数の多さに直結するため、少々無理をしてでも使えるMPが多くなるよう工夫したのだった。

 途中でHPとMPの回復に使う「バイルエリクサー+1」は非常に有効な薬品だが、これはレア属性のアイテムなので複数持ち込む事ができない。だから、どこで使うかという一瞬の判断が勝敗を分ける事も多い。この点については経験を重ねるしかないように思われる。


 製造業の技術部などでは、ミーティングで製造工程の問題点の洗い出しとか改善方法の検討なんかをするのが定番だが、あれと同じ事を夫婦でビシバシやり、ひとつずつ改善を重ねたのだった。現場の業務改善でもゲーム攻略でも、方法論は同じなのだった。(この改善への努力・情熱を会社の仕事にも発揮できていれば、もっと出世できたかもね・・・byニョーボ)

 しかしこれだけの準備と工夫をしていても負ける時は負けてしまう。でも俺が横で見ている分には、もう後は運の問題というレベルまで来ているように思えた。

 例えば、爺さんが「ちぃとばかし本気を出すかの」と言って連続魔状態になった際、これを眠らせられれば良いが、もしここでレジストされちゃうとかなり厳しい事になる。もうこれは運と言うしかないと思われる。だから、その「運」の部分さえうまく行けば十分に勝てるという手応えが出始めていて、ニョーボの気分は比較的軽かった。


 とは言うものの、やはり対戦前は緊張する。スポーツ選手には緊張する事で実力を出せずに終わるタイプと、逆に緊張を楽しみ、実力以上の力を発揮するタイプがあるという。

 俺「で、あんたはどっちのタイプ?」

 ニョーボ「実力出せなくて自滅するタイプ・・・」

 俺「・・・・・・・・・・・」


【その日】
 2004年4月某日。この日のニャンピィは午前中からフレンドのLさんらとサポ上げに行く予定であった。しかし予定の時刻になってもLさんがログインしていないようなので、手持ちぶさたのニャンピィさん。

 ニョーボ「Lさん来ないなあ。急用でもできたのかなあ?」

 俺「おい。今、風曜日の朝だぞ。時間あるんだったら爺戦行ったら?」

 (爺さんには風属性の攻撃魔法「エアロ3」が良く効くというのが定説で、だから爺戦は風属性が強まる風曜日に行くのが良いと言う人が多い)

 ニョーボ「だね。行っちゃおうかな」

 爺さんと戦う準備は前の晩にほぼ完了させていたので、すぐに最終調整に入るニャンピィ。


 ニョーボ「あーっ! 緊張するぅうううっ!!」

 ニョーボからピリピリと緊張の波動が放出されだした。居間では子供達が遊んで騒いでいたが、これがうるさい。気が散る。

 俺「静かに! これからお母さんは凄い戦いに行くよ!!」

 えいじろう「何するの?何するの?(チョロチョロ歩き回る)」
 そういちろう「(マクロの準備を横で見て)エアロ3とストーン3か?」

 ニョーボ「ちょっと! チョロチョロしないで! 気が散る!!」
 俺「そういちろう! 見るんだったら黙って見てろ! えいじろうも走り回るな!!!」

 そういちろう「・・・・・・」
 えいじろう「・・・・・・」

 俺「(子供達の真正面に立ち、まるで先生のように)えー。説明します。これからニャンピィは限界爺さんと戦います。この爺さんに勝てないとレベル71に上がれません。でも爺さんは凄く強いから、ニャンピィはもう何度も負けてるの。だから今、お母さんは凄く緊張してるの。みんな静かに観戦しようね。わかった?」

 そういちろう「はい」
 えいじろう「はい」


 第12回目の挑戦、開始。

 俺「まずロランベリーパイを食べてヒーリング」
 ニョーボ「はい。ロランベリーパイを食べてヒーリング」

 俺「突入」
 ニョーボ「突入しま〜す」

 俺「爺さんタゲれる位置まで接近。ヤグドリ飲んで、自己強化魔法」
 ニョーボ「ヤグドリ飲んで、ブリンク、ストンスキン」

 俺「む。爺さんはプロテスとシェルを使ってるぞ」
 ニョーボ「OK」

 俺「スリプル2どうぞ」
 ニョーボ「スリプル2行きます」

 ニャンピィのスリプル2。

 ニョーボ「寝た?」
 俺「寝た!」

 俺「ディスペルからどうぞ」
 ニョーボ「ディスペル、ディスペル、パライズ、グラビデ」

 俺「バインドから魔法連射だ!」
 ニョーボ「バインド!」

 俺「よし、効いた!!」

 ニャンピィのエアロ3。
 ニャンピィのストーン3。

 俺「バインド切れた!」
 接近されるもそのまま魔法攻撃。

 ニャンピィのウォータ3。

 爺さん「ウグッ、なかなかやりおるわい」

 ニョーボ「スリプル2!」

 俺「寝てない! 続けてスリプル」
 ニョーボ「スリプル!」

 俺「寝た!」
 ニョーボ「えと、えと、一旦距離取ります!」

 ニョーボ「ブリンク、ストンスキン張り直すね」
 俺「パライズも切れたから、もう一度やっといて」
 ニョーボ「はい」

 俺「あ、もう爺さん起きた!」
 ニョーボ「バインド!」
 俺「効いてない!」

 ゲシゲシ叩かれるニャンピィ。

 ニョーボ「スリプル2!」

 「魔法は唱えられません」

 ニョーボ「バイルエリクサー+1!」
 キララーンと光ってHPとMPが回復。

 ニョーボ「スリプル2!」
 俺「よし寝たっ!!」

 ニョーボ「スーパーエーテル! ケアル4! ハイポーション!」
 ニョーボ「バインド!」

 ニャンピィのエアロ3。
 ニャンピィのストーン3。
 ニャンピィのウォータ3。

 爺さん「ちぃとばかし本気を出すかの」
 爺さんの連続魔!

 俺「連続魔来た! スリプル!」
 ニョーボ「えと、えと、スリプル2!」
 俺「寝た!」

 ニョーボ「アクアムスルム、アクアムスルム、アクアムスルム」
 ニョーボ「ブリンク、ストンスキン、ファランクス」

 爺さん目覚めるも、なぜか魔法を唱えず。

 ニョーボ「えと、えと、バインド!」

 俺「よし効いた! 魔法で押せ!」

 ニャンピィのエアロ3。
 ニャンピィのストーン3。
 ニャンピィのウォータ3。

 爺さん「うぅむ・・・。見事だ。お前さんの実力、しかと見せてもらったぞ」


 ニョーボ「えっ!」
 俺「えっ!」

 ニョーボ「あああああっ!」
 俺「ああああああっ!」

 ニョーボ「やったぁあああっ!!!」
 俺「勝ったぁあああああっ!!!」

 躍り上がって喜ぶバカ夫婦。その感情むき出しで喜ぶ姿を見て子供達もつられて大騒ぎ。歓喜の声が家中に響き渡ったのだった。(上の戦闘場面の描写は、記憶を頼りに書いた物で、途中を省略している所も多い。でもだいたいこんな感じであった)

 勝因としては、やはり運・・・かな? 連続魔の時に爺さんを寝かせられたし、こちらの攻撃魔法もズバズバ効いていたみたい。何だかんだ言っても冷静に行動できたのは、毎日やって慣れたおかげだと思う。

 ニョーボ「ふうううう・・・。やっと勝った・・・(涙)」
 俺「良かった良かった・・・」


【夢、託されし者】
 こうして爺さんから認められた者。それは夢を託すに値する者。爺さんの願いとは何か? それは自分の目で確かめよう。

 事が済んだら爺さん、すぐに背を向けていつものように「ほっほっほっ」トレーニング再開。

 いつもと同じように見える背中だけど、爺さんの願いを知ったニャンピィには、以前とはちょっと違う背中に見えたのだった・・・。


【立て続けの日】
 こうして肩の荷が下りたニャンピィは、今まで薬品代で消費したお金を少しでも戻すため、薬品の素材集めの出稼ぎに行く事になった。さて、ギデアスに行ってハチでも狩って来ましょうかね・・・と準備していた時、ジュノで座っていたローディーの方で

 「『デルクフの塔再び』行きませんか〜 現在ナシ獣白黒」

 というシャウトが見えた。「デルクフの塔再び」というのは、トゥー・リアに行くための最大の難関、カムラナートとの決戦の事。

 トゥー・リアには「赤魔道士の証」を落とすモンスターがたくさんいるため、トゥー・リアに行ければ証取りには困らない。だから、ニャンピィは爺さんと戦うかなり前からカムラナート挑戦の機会を虎視眈々と狙っていたのだった。が、なかなか要件が合うシャウトに出会えず、結局今日に至るまで挑戦する機会は無かったのだった。

 もう爺さんに勝ってしまったので「赤魔道士の証」を取る必要は無くなったけれど、いつも一緒にレベル上げをしているヌッコロ団はけっこうマッタリペースなので、「デルクフの塔再び」に挑戦する事はしばらく無いのではないか?と思われ、行けるものならここは是非行きたい!と思うニャンピィなのだった。

 今回のシャウトは丁度赤魔の席が空いている。チャンスだ! さっそく参加の問い合わせをした所、すぐにOKの返事が。急いでジュノに戻るニャンピィ。

 後で判った事だが、このパーティーは完全野良ではなく、メンバーの何人かはそれ以前のミッションから一緒にやっている人達らしい。そして何人かはカムラナート戦にもう3度くらい挑戦して負けているらしい。

 メンバーのレベルを調べてみると、一番レベルが高いのはレベル72(獣使いさん)。他はレベル69〜71。これまでの経験からすると、盾役のレベルが高くないと持ちこたえられない感じだが、これのナイトさんはレベル70であった。以前ローディーたちは全員レベル70のパーティーで挑戦して大苦戦した記憶があるだけに、ちょっと不安がよぎる。

 しかしこのパーティーの雰囲気は明るかった。特にリーダーの気配りの良さはなかなかのもの。ニャンピィに「はい、おべんとう」と言って、シャル貝のパイン蒸し(防御とINTがアップ)とヤグードドリンクをくれた。ちょっとあんた!シャル貝のパイン蒸しってけっこう貴重な料理なんじゃないスか? それをポンと提供してくれるとは、何という太っ腹!! この他、前衛さんにはシーフードシチューを配っていた。確かシーフードシチューもかなり貴重な料理だったはず。あなた、何者ですか・・・。


 俺からニャンピィには、

 (1)盾役のナイトさんが倒されるとかなりヤバいので、ナイトさんのHPを高く保つ事。

 (2)カムラナートは「ディスペガ」でこちらの強化魔法を次々に消すので、ダミーの強化魔法を唱えまくって対抗する事。

 (3)カムラナートは各種の属性剣を使うが、こちらの攻撃魔法の属性が彼の属性に合ってしまうと逆効果(HP回復)になってしまう。だから攻撃魔法は属性に気を付けて撃たないといけない事。

 (4)カムラナートにはヘイトリセット技があり、後衛が離れている時にこれをやられるとタゲが後衛に移ってしまう。だからむしろ6人とも固まっていた方が良い事。

 などのアドバイスを入れた。

 技連携などの作戦会議などはほとんど無く、そのまま突入という感じであったが、これがどうしてなかなかの安定ぶり。カムラナートのHPを一気に削るなんて事も無いかわり、こちらが危機に陥る事も無く、ジリジリと着実に土俵際に追い詰めて行く感じであった。

 後半、ナイトさんが光輪剣を浴びHPが赤くなる場面があったが、ここは白魔さんの「女神の祝福」で切り抜けた。(ただしその直後に白魔さんにタゲが行き、白魔さん死亡)

 終盤、仲間のMPがほぼ底を突いた時、ニャンピィがひとり離れてコンバート。これでMPを戻せたのも大きかった。ニャンピィは、カムラナートの属性剣をディスペルで消す事と、ナイトさんのHPを高く保つ事に集中。結果としてこれが良かったと思う。

 結果、白魔さんは死亡したがカムラナートには勝利。白魔さんはリレイズの効果をディスペガで消されてしまっていたので、ニャンピィのレイズ1で復活。このレベルだとレイズ1での復活は非常に痛いペナルティになるので、その点だけが心残りだった。

 以前ローディーらが挑戦した時には、とにかく光輪剣による一撃死が痛かったが、今回はほとんど使ってこなかったように見えた。このラッキー(?)が大きかったかもしれない。

 無事カムラを倒した事でパーティー解散かと思いきや、そのまま続きのジラートミッションをクリアしようという事になり、何と、その日のうちにトゥーリアに到達してしまったのだった。

 いやあ、まさか1日で爺戦からカムラ戦、トゥーリア行きまで出来るなんて・・・。こんな事ってあるんですねえ。神様ありがとう。


【祝杯】
 一日で爺戦突破とトゥーリア到達という二つの宿願を達成しちまったニャンピィ。これはもう祝杯をあげるしかないでしょ!という事になり、夜は寿司屋に行って特上にぎりを注文。大好きなビールを飲み干して、

 「くぅ〜〜っ! 勝利の後のこの一杯が美味いのよっ!!」

 いや〜、めでたしめでたし。


【最後の地図】
 トゥー・リアで「ルガノンの宝のカギ」を手に入れたので、さっそく宝箱探しに行った。はっきり言って広い! 広すぎる!!(涙) そしてトゥー・リア関係はウェブで調べても宝箱の情報がほとんど無い!!

 でも実際にあちこち走り回っている内に気が付いた。ここもル・オンの庭と同じように、各エレメンタルに対応している8つのエリアに別れているという事。そして、それぞれエリアの一階下にループ状になった通路があって、そこには必ず大きなドアで仕切られた部屋がひとつある事。俺はこのドアで仕切られた部屋が怪しいとにらんだ。

 8つのエリアのうち、土エレとか風エレのエリアはウェポンとか壺がいるエリアなので、サイレントオイル(スニーク)だけで安全に走れる。しかし、奥の氷エレとか火エレなんかがいるエリアだとゴーレムがいるので、プリズムパウダー(インビジ)も使わなければならず、そしてドアを開くためにはインビジを切らなければならないため、危険度大幅アップ。もちろん周囲は魔法感知タイプばかりなので、オイルとパウダーをいっぱい持っていかないとアウト。

 こうして各エリアのドアで仕切られた部屋を見て回った結果、遂に発見。

 それはエンキドゥとかいうゴーレムがいるエリアのドアで仕切られた部屋にあった。エンキドゥの視界に入らないようにこっそり回り込んで宝箱を開け、宮殿の地図ゲット。

 手に入れた後、確認したところ、この地図は、ヴェ・ルガノン宮殿とル・アビタウ神殿の共通の地図だった。ふうううう。これで現状全ての地図をゲットだ。

[2004/04/08]
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