ニョーボのアルバイト日記
2001年3月、秋田旅行記



3月27日(火)曇り
 (背景の解説: ニョーボは秋田の友人の家に遊びに行く事になったのだった)

 旅立ちの朝というのに不安にさせる空模様。細かい雪まで降っている。今日は新幹線こまちに乗って子供二人と秋田に向かう日。本当は朝一で行きたいところだが、先週土曜日に急遽「27日の火曜日に勉強会するから」という社長の一言で、出発が午後に延びてしまった。朝8時に家を出て、バスで駅に向かう。バスを降りて、駅に向かう道すがら、長男は次男に”手を繋がなきゃだめだよ”と言って手を取る。私は着替えの入ったバッグを持っているので次男をぶらさげて歩く余裕はなかった。なんだよ、りっぱなお兄ちゃんぶりじゃないかぁ。助かるなぁ。

 仙石線に乗り継ぎ、仙台駅でさらに東北本線に乗り換え、館腰駅に着く。駅から徒歩1分の会社に子供達を預け、親会社まで社長の車に同乗し向かう。今回は私にとって2回目の勉強会だ。自分の意見を聞かれたりしなくなって、すでに6年あまり。緊張しまくり。社長においしいコーヒーを入れていただき、前回よりはリラックスしてお話を聞く。時間どおりに勉強会を終え、また社長の車で会社に戻る。子供らは事務員さんに紙をもらって、落書きをしたり公園で遊んだりして過ごしていたらしい。事務員さんにお礼を言って、子供らを連れ駅に向かう。
 駅には勉強会で一緒だったYさんが電車を待っていた。切符を買っているうちに電車が入ってきたが、なんとか乗り込む。10分ほどで仙台駅に着いたが、こまちの発車まで5分くらいしかない。子連れでは間に合わないなと、はなから諦める。乗り越し窓口で切符を購入し、ホームに向かうと、電車が行ってから10分くらい経っていた。どんなにあせっても乗れなかったんだな。

 電車を待つ間に、待合室で駅弁の助六寿司を食べる。子供達が残したきゅうりとか卵とかをたいらげ昼食とする。その後、トイレに行ったり、ホームの鳩をこわごわ観察したりしているうちに電車が入ってきた。一番前に並んでいたのでなんとか座ることが出来た。ほっと一安心。しばらく経つと車内が臭い。なんだぁ、煙草すってるやつがいるじゃないか。にらんでやろうとふりむくと喫煙車両に乗ったことに気がつく。やってしまった。いまさら車両を移っても座れないので煙など気がつかなかったことにして意識の外に追いやる。

 ジュースやビール、お菓子を買い込んで電車に乗ったのに、子供達は車内販売がくる度に、”サンドイッチだって”とか”おもちゃ買わないの?”とか大声を出す。無視して寝たふりをする。そのうちに次男は本気で寝てしまう。長男は絵本の迷路を見たり、おとなしくしている。ほんの数年前は、座っていることが出来なくて、一緒に車内を歩き回ったり、デッキで外を見たりしてほとんど立っていたことを思うと、子供の成長の早さに驚く。もうすぐ一年生だもんなぁ。

 大曲の駅を過ぎると電車は進行方向が変わってしまう。後ろ向きにしばらく走って、やっと秋田駅に到着。タクシーでホテルへ向かう。ホテルは典型的なビジネスホテルでフロントも小さい。玄関には運動部の大会でもあるのか、宮城県東北高校様、とか福島県○○高校様、という看板がならんでいる。部屋にはシングルベッドが二つと、古めのテレビが一台、無理矢理押し込んだような応接セットが1組。トイレ、風呂はユニットバス。まずは、ベッドの位置を移動して二つをくっつける。子供達の落下防止のためだ。そのあと明日遊ぶ約束をしている友人に電話をするが、出かけているそうで、また夜に電話することにする。

 一休みしてすぐに出発、行き先は子供のサークルで知り合ったお友達の家。旦那さんの転勤で秋田に来て、すでに3年半、この夏には千葉に行ってしまうそうだ。去年の10月に赤ちゃんが生まれたそうで、5ヶ月で既に10キロ。うちの4歳の次男も負けそうな体格に育っていた。とてもおとなしくてニコニコ笑っている。今度2年生になるお兄ちゃんがとてもかわいがっている。うちは歳が近くて二人で遊ぶので良いな、と思うが、歳が離れていると上の子が下の子を可愛がるので、それも良いな、と思う。

 長男はまっすぐ子供部屋に行き、お兄ちゃんがマリオストーリーをやっている画面に見入る。次男はジグソーパズルを貸してもらったり、ブロックを借りたりして遊んでいる。場所が秋田、っていうだけで、普段お友達の家に遊びに行ったのと同じ感じだ。

 夕飯に友人手作りのちらし寿司をごちそうしてもらったが、普段食べつけてないせいか(うちの旦那はちらし寿司ぎらい)あまり食が進まない。一緒に出してもらったフライドポテトとチキンを食べて、遊びに戻ってしまう。母は残った皿を次々に平らげる。そうこうするうちに、夜も8時を過ぎ、友達の旦那様も帰ってきたので、赤ちゃんを旦那様に任せてホテルまで送ってもらう。ここだよ、と言われ車から降りて、友達の車に手を振って見送る。さて、と見るとあれ?フロントがないぞ。そうです、ホテルではなく近くのマンションで降りてしまったのです。交差点に立ってあたりを見回す。”お母さん、あっち”という長男の指さす方向にホテルの灯りが見えてほっと一安心。そちらに向かって歩いていくと友人は信号待ちで停まっていた。窓を開けて”間違ったんだね、ごめんね〜”と言いながら走り去る。思わずお互いニヤリ。

 狭いお風呂に三人で入り、遊び疲れた子供達はすぐに就寝。明日遊ぶ約束の友人に電話をするが、まだ留守。おばあちゃんにPHSの番号を知らせる。もう一人の友人に電話して、明日の予定が不明なことを説明。明後日遊ぶ予定だったのを明日に変更しても、という話になる。とりあえずは連絡待ち。結局連絡はとれず。諦めて寝ようとした瞬間、社長に”今日中に報告書ファックスして”と言われていたことを思い出す。フロントにお願いし送信。安心して11時過ぎに寝てしまう。


3月28日(水)晴れ
 子供達は6時過ぎに目を覚ます。慣れないホテルに興奮して朝から元気だ。テレビをつけてやり、母は更に寝ようとするが、今度は”お腹すいた〜”攻撃だ。レストランは7時にならないと開かないので、それまでホテルの近所を散歩することにする。次男ははりきって出かけるが、長男は”行かない”とホテルに残る。二人で外に出たが、結構空気が冷たい。上着を持たずに出てしまったので仕方なく、グルッと1ブロック回ってホテルに戻ってくる。少し早いがレストランに向かう。

 7階にあるレストランは朝食の時間しか開いていない。床のじゅうたんの古さと言い、宿泊客以外にお客が来ることは期待していないらしい。チェックインの時に和食を頼んでいたのだが、2人分の料金にもかかわらず、子供達にもそれぞれちゃんとお膳を用意してくれた。子供達のごはんにはすでに”ふりかけ”がかけられている。ごはんも”足りなかったらお代わりしてください”と言ってもらう。ロールキャベツとか子供達が手を出しそうにない物を次々に処理する母。ふりかけ部分を食べ終わって、海苔をかけてくれ、という次男。ふりかけご飯→温泉卵かけご飯→納豆ご飯、さらに海苔とご飯街道ばく進の長男。ツインで8000円では申し訳ないほど、食べる食べる。食後のコーヒーの時には子供達にオレンジジュースまで運んでくれる。食べ物の恨みは恐ろしい、というがここまでしてもらうと、ホテル全ての評価がプラスになってしまう。

 朝食前に、昨日連絡がつかなかった友人に電話すると「長女が熱を出した」とのこと。またの機会に、ということで、違う友人に電話して遊んでもらうことになる。

 いつもながら朝の早い我が家。朝ご飯を食べ終わってもまだ8時前。友人とは10時頃の約束。時間を持て余す。幸い、昨日よりも暖かいので千秋公園まで歩いてみることにする。プールに行く約束なのでそれぞれ自分の水着の入ったリュックを背負い、ゆっくりと歩く。途中で、ガソリンスタンドのお兄ちゃんに道を聞くと、とても親切に教えてくれた。秋田、良いとこじゃん。女子校の横を通ってゆっくりと坂を上り、千秋公園に着く。他にはほとんど観光客がいない。次男は公園にいる鳩をこわがって大泣きする。天守閣に向かったが閉まっている。ジョギングしている男の人が3月中は休館だ、と教えてくれる。庭園をフラフラと歩くうちに、次男がトイレに行きたい、と言い出す。入館料がかかる佐竹記念館に”お手洗い借ります”と厚顔に入っていき、金も払わずにすぐに出てくる。私もたいしたおばさんになったなぁ。

 ほっとしたところで、今度はゆっくりと坂を降りて町中に向かう。観光物産館に行って”2001年ワールドゲーム”とやらの記念グッズを買おうとしたが、なんと休館。おみやげ計画崩壊。コンビニで子供の菓子を買ったりしているうちに今度は長男が”おしっこ”。買い物もそこそこに近くにあるホテルに向かう。ここは大きなホテルチェーンなだけあって、ロビーも居心地が良い。友人が着くまでの10分あまり、ここで過ごそうと座り込む。その直後、長男が”僕たちのホテルはアキタシティホテルだよね”と大声で言ってくれる。ここは「ビューホテル」。もう、座ってるわけにもいかないジャン。ぬくぬくしていた母はぶりぶり怒りながら外に出る。空がだんだん暗くなって朝よりも肌寒い。

 ホテルの前で待つこと15分。友人の車がやっと到着。途中の道路で線引きをしていたそうで、遅くなったことに恐縮している。こっちは連れて歩いてもらう身の上。なんの文句があるものか。早速車に乗り込み、プールに向かう。今度も線引きにぶつかり、思ったより時間がかかる。子供達は飽きて”プール入りたい”と騒ぐ。今、向かってるんだから、少し待ってろっつうの。40分ほど走って目的地に到着。わーい、プールだぁ。5種類の温泉と20メートルプールが一緒になっている。客は私たちの他には2組ほど。11時半を過ぎると私たちの貸し切り。寝湯とか打たせ湯とかジェットバスとか、とにかくなんでも入ってみる。

 浮かれているうちにお腹が空いてくる。私たちは朝ご飯が早かったのだ。子供達はすでにプールから心が離れ、ラーメンを食べることしか頭にない。友人の子供はまだ遊びたかったようなのだが、なんとか説得してもらい、ラーメン屋に向かう。で、また渋滞。もう1時になろう、というころに目的のラーメン屋に着いたが駐車場がいっぱい。開店してまだ4〜5日しか経っていない、テレビでも取り上げられた話題の店だったのだ。3軒ほど先にある銀行の駐車場に車を停め、店に向かう。昼時は過ぎた、というのにやはり並んでいる。食券を買って、席が空くのを待つ。5分ほどで座敷に案内される。両家族とも大盛りと普通盛を一つずつ頼んでいたのだが、一家族分しか運ばれてこない。後から来たはずのテーブルにラーメンを運んでいる。忘れてるのか?こちらに来る気配がないので、おばさん得意の大きな声で店の人を呼んで、注文品が揃っていないことを訴える。やっぱりわかっていなかったらしく、慌てて運んでくる。一言謝ってくれた方が感じいいと思うんだけど一言もなし。開店直後で不慣れなせいか?一期一会って言葉知らないな。

 うちの子供達はバクバク食べて全てぺろり、と平らげたが友人の子供達はかなり残していた。私も”くどいスープだな”と思ったが、友人が子供に向かって”美味しいラーメンなのに残してもったいないね”と話しかけていたので言わずにおく。すると帰りの車の中で、”話題の店だから来たけど、もういいかな、って思った”と言う。私が”スープくどかったよねぇ”と言うと、開店当日、横浜の本店からきた師匠が”この味じゃだめだ”と言って開店が1時間半も遅れたんだとか。”きっと本店はおいしいんじゃない”という話になったが、秋田の店にはもう行かないでしょう、お互い。

 その後、アメリカ生まれの、具を選んで作ってもらえるというアイスの店に行く。長男はクラッカー入りバニラ。次男は苺入りバニラ。母は欲張って、メロンとラフランスと苺入りのバニラ。日本では秋田に最初に出来たのだそうだ。お土産にしてもらい、さらにお菓子の専門店に行く。駄菓子から袋菓子まで、安く売っていて今まで見たことのないお店だ。3個まで買って良し、と言われた子供達は夢中になって選んでいる。要領の悪い長男は8円の飴玉、とか20円のヨーグルトとかで100円。計算高い次男は50円菓子を選び140円。お菓子選びにも性格がでるなぁ。エキサイティングな買い出しを終えて、友人のお宅へ向かう。

 まずはアイスを食べてから、子供達はおもちゃで遊び始める。住宅地の一軒家はたくさんのおもちゃが溢れていて、子供達は夢中になって遊んでいる。そのうちに友人は夕飯の心配をし始めたが、お昼も遅かったし、子供達は遊ぶ方が楽しくて、なにも食べなくて良い、と言う。私もあんまりお腹すいてないよ、と言ったのだが、お寿司を取ってくれた。さらに、わが長男がおにぎりなら食べる、と言うのを聞いて、ご飯まで炊いてくれた。ふりかけをかけて、ウルトラマンの海苔まで貼ったおにぎりだ。しかし案の定、彼は食べやしない。友人に詫びつつ、私はとてもおいしくお寿司をいただく。お邪魔したうえにごちそうになっている幸せな私。今日も8時を過ぎてしまった。また友人の車でホテルまで送ってもらう。今日はばっちりホテル前で降りたぞ。部屋に入ると、プール遊びで疲れたのか、二人ともお風呂にも入らずに寝る。私は友人がお土産と持たせてくれた缶ビールを飲んで、夜中までテレビを見る。次男がベットから落ちる。でも目を覚まさない。戻してやったが、一晩中ベッドの上を縦横無尽に転がりまくって寝ている以上、いつまた落ちても不思議ではない。本人は痛くないみたいだからいいか。

 夜中のホテルは少し寒いが暖房を入れると乾燥してしまうので我慢する。各ベッド毛布が2枚ずつあるのだが、子供達の見事な寝相のおかげでそれぞれに掛けてやると私は結局毛布一枚にくるまって寝ることに。明日の予定は帰ることだけ。ゆっくり寝たいなぁ。


3月29日(木)晴れ
 やつらは今日も腹が減って目をさました。”ねぇ、今日はなに食べんの”としつこく聞く。しかたなく、今日も早々とレストランに向かう。今日は洋食を予約。厚切りトーストとサラダ、卵料理。今日も子供達にそれぞれお皿を用意してくれた。子供達の写真を撮っていると”三人の写真を撮りましょうか”と声を掛けてくれる。親切だねぇ。丁寧にお断りし、今日もぱくぱく食べる。母には厚切りトースト二切れ、子供達にはそれぞれ一切れ。”パンは足りなければお持ちしますから”と言う。母は三人分のサラダを食べ、自分の分の他に、長男が残した卵焼きを食べる。長男はトーストを二切れ平らげ、次男はトースト一切れと二人分のフルーツを平らげる。それぞれが自分の好きな物を好きなだけ食べて幸せ。気分良く朝がスタートした。

 レストランのおばさん達にお礼を言って部屋に戻る。子供達は家にいるときと同じように教育テレビの子供番組を見ている。母はフロントから箱を購入し、荷物を送る準備。お土産を買って持たなくちゃいけないので、手荷物は極力減らしておきたい。着替え関係は全て送ることにする。フロントで荷物を頼み、精算を済ませて出発。

 8時半過ぎなので通勤の人も多い。のろのろと駅に向かう。秋田県知事選が始まった、と言うことで街宣車ががなりたてながら走っている。うるさいなぁ。駅に着くと先ほどの車が停まっていて、43歳の若い候補、と連呼している。若さ以外に売りはないのか?投票権もないのでさっさと通り過ぎる。9時ちょっと過ぎに駅ビルに着く。お土産屋さんであれやこれやと迷いながら買い込む。ずっしり重い荷物を抱えて新幹線乗り場に向かう。前回の失敗をバネに禁煙車に進む。すでにほとんどの席が埋まっていて、並びの席なんて望むべくもない。通路を挟んだ席に子供達を座らせ、その前の席に私が座る。子供達を残してホームに飲み物を買いに行って戻ると、次男の横に座っていた若い男性が”ここに座ってください”と席を譲ってくれた。あぁ、ありがとうございますぅ。長男と三人でそこに座らせていただく。その男性は近くの席に移動したようだ。

 来たときと同じように、絵本を見たり、外の景色を見たり、ふざけたりするうちに駅弁売りのお姉さんが。長男にお弁当を買ってやると、眠り掛けていた次男が”眠くない、お弁当食べる”と言ってごねる。次男にも弁当を買ってやったがろくに食べないうちに寝てしまう。荷物を増やさないために母は弁当を平らげる。もうすぐ仙台、となっても起きる気配がない。もう腹をくくって、長男に”次男のリュックも持つんだよ”と指示し、私はお土産の紙袋と、ボストンバックを腕に掛けて、次男を抱えて立った。デッキでドアが開くのを待つ間に次男が目を覚ます。すぐに自分で立って、長男と手をつなぐ。腕がちぎれそうだった私は、また荷物のみの担当になった。よかった。

 さぁ、仙石線に乗って家に帰るぞぉ。とホームに向かうと、快速発車のベルがなっている。なんとか駆け込みで乗り込み、バス停でも一番前に並んで一番前の席をゲット。最後の力を振り絞って家まで歩く。楽しい旅行だったけど、やっぱり家に着くとほっとするなぁ。
 長男はなにごともなかったかのように、ゲームを始める。3日しなかったんだからいいか。母は明日も仕事だなぁ、と現実に戻る。長男は”春休み中にもう一度秋田に行こう”と言う。楽しかったんならよかった。また、どこかに遊びに行こうね。


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