さようならGX100
そしてよろしくGRデジタル2
ごめん。我慢できんかった。


【GX100からGR2へ】
 昨年リコーのデジカメGX100を発売日に購入し、その使い易さと撮れる写真の質が大変気に入り、毎日カバンに入れて持って歩いていた俺。このカメラ、かなり良いカメラだと断言できるのだが、ちょっと残念な点が無いではなかった。

 それはレンズキャップ。これは購入当時の記事でも書いた事だが、電源オンする前にこのキャップを手で外さないといけないという点がやっぱり問題なのだ。これは一見些細な事に思えるが、スナップ撮影においてはけっこう大きな不満だったりした。

 「あ、良い風景」と思ってカメラを出して電源オン。ところがレンズキャップを外していないと「キャップを外してから電源を入れて下さい」みたいなエラーが表示されちゃってやり直しになってしまう。慣れれば良いと言えばそれまでなんだけど、イマイチ慣れきれなかった。

 上位機種の「GRデジタル」ならば自動開閉のレンズバリアがあるからこんな不満は出ない。しかしGRデジタルは35ミリ判換算で28ミリの広角単焦点カメラ。GX100は24ミリからの3倍ズーム機。普通に考えればGX100の方が汎用性が高くてお得。

 しかし自分がこれまでGX100で撮った写真を振り返ってみると、そのほぼ全てが広角端24ミリでの撮影であるという事が判明。という事は単焦点のGRデジタルに替えても何ら問題は無いという事なのではないだろうか? と、そんな時にリコーから今度、発売から2年経ったGRデジタルの後継として「GRデジタル2」(以下GR2)が出るとのニュースが入った!

 後は皆さんのご想像通り。瞬間的に「これは買う」と!(また病気が(´д`;)byニョーボ)。で、どうせ買うならお得な初売りだよなと思い、手ぐすね引いて年明けまで待っていたのだった。

 そして正月。初売りチラシによると、仙台ヨドバシでは通常10%還元のところを、初売り期間中は15%還元との事。これで計算するとGR2の実質価格が価格ドットコムの最安値よりも安い事になる。こりゃ買わねば!と思ってヨドバシに走った。

 しかし売り場に着いて値札を見てみたら、GR2は「対象外の一部商品」であるため通常通りの10%還元(でも「通常より1千円引き」という特典はあった)。しかし思いっ切り買う買う状態に盛り上がっていたため、勢いで買ってしまったワケだ。ちょっとトホホ?


【いじってみた】
 GRデジタル2は先代のGRデジタルとそっくりで、機能的にもほとんど同じと言って良い仕様。もちろんCCDや画像処理回路等、細部はより高性能な物に改良されているワケだが、基本方針は変える必要無し!という事らしい。

 使い勝手に関してはユーザーからの要望(電源スイッチがオンで光る所とか)を積極的に取り入れているようだ。また先発のGX100で好評だった点(正方形フォーマットや、マイセッティングをダイヤルに登録できる点など)もそのまま取り込んだ形になっていて、良いとこ取り。

 ところでGX100も外見的にはGRとよく似ている。パッと見では違いに気が付かない人もいるんじゃないか?というくらい似ている(下の写真。左がGX100。右がGR2)

 そんなGX100を使い続けてきた俺がGR2をいじってみたら、これがけっこう感触が違う。

 まず持った感じが違う。軽くて薄い感じ。写真を見てわかるように、デザイン的にはそっくりな両者だが、よくよく見るとけっこう違う所があり、「デザイン共通」というワケでは決してない事がわかる。

 またその厚さ。下の写真、左がGX100で右がGR2だが、GX100はレンズ部分が厚い事が分かる。また、写真では分かりにくいが、GR2の方が本体の仕上げに高級感がある。

 更に、GX100は専用革ケースに入れると一番厚い部分の厚さで立方体になるため、ゴロリと厚い感じになってしまう。が、GR2の方はゴロリ感が少なくスマートに収まる。(左の写真の、左がGX100で、右がGR2。それぞれ専用革ケースに入れた状態)

 もうひとつ。GX100の革ケースはベルト通しが無かったが、GR用の革ケースはベルト通しがあり、ベルトに装着できるようになっている。グッド。


【動作的には?】
 起動時や電源オフ時の動作は意外にもGX100の方が微妙に速いが、合焦動作はGR2の方がやや速いようだ。起動時のレンズの動きや合焦時の動作も明らかに違っていて、GX100とGR2は「似てるけど別物」という感じ。

 GR2の特長である電子水準器は非常にありがたい機能だ。右の写真はGR2の液晶モニター画面だが、中央やや下にある横長四角が傾きのインジケーターで、これによって撮影時、カメラの水平が取れるようになっている。(カメラの水平をちゃんと出すのは大切な事だ)

 またこの傾き検知機能を応用して、カメラ自身が横撮影か縦撮影かを自動的に認識できるため、縦位置で撮影した写真は最初から縦位置の画像で出力されるようになっている。これにはおじさん一本取られた気分だ。

 気軽なフルオートモードがある一方で、凝る気になればトコトンこだわれる設定の自由度もあり、自由度があり過ぎると操作が難しくなりがちな所を、機能を自由に割り振れるFnボタンやADJ.レバー、マイセッティングモード等のおかげで、操作が非常にスムーズに行えるという点が素晴らしい。ここら辺がGRデジタルの魅力だね。マニュアルフォーカス時に被写界深度表示が出せる点についても座布団一枚あげたい。

 自動開閉のレンズバリアも当然ながら便利。「おっ」と思った時にさっと出してさっと撮れる。これはスナップ撮影には非常に重要な事だ。

 ただし、専用の革ケースを使う場合は、ストラップの取り付け位置が本体横に限定されてしまうため、首からぶら下げた時の方向が縦になってしまう。ケースに入れた状態で横位置のまま首からぶら下げられたGX100に慣れていると、ここにちょっと違和感が・・・。(でもスタイル的には今風でかっこいい)


【撮れる写真を比べてみた】
 取り敢えずGR2とGX100を出来るだけ同じ設定にして色々撮り比べてみたのだが、そんな劇的には違わなかった。まあ、同じ会社の製品だし。

 ただ、ホワイトバランスを同じ「曇天」に固定していても色が違って撮れる点は意外だった。

 左の写真がGX100で撮った物で・・・
 こちらがGR2で撮った物だが、微妙に色が異なっている。

 単に個体差なのか。それとも画像処理のロジックが違うせいなのか。


 高感度(ISO1600)で撮影した時の絵の荒れ具合については、GR2は先代GRに比べて大きく改善されているという話だが、GX100と比べるとだいたい同じレベルという結果だった。

 ISO1600に設定して自動車の写真を撮り、その中心付近から等倍で切り出してみたのが下の写真。

 こちらがGX100の場合。
 こちらがGR2の場合。(ノイズリダクション:オフ)

 荒れ方の傾向は違うけれど、どっちを良いと言っていいのか分からないレベル。ISO1600は何か理由が無い限り使う事はなさそうだ。でも1600はダメだけど、 ISO400はかなり使える感じだ。

 また、マクロ撮影や通常撮影での中央部や周辺部の描写を比較してみたのだが、撮影条件によってGR2の方が良く見えたりGX100の方が良く見えたりして、かなり微妙な差だった。少なくとも、シロウトの俺が「常にGR2の方が明らかに綺麗!」と断言できる程の明確な違いは見つけられなかった。でもGR2に幻滅したとか、買って損したとかいう気持ちは全然無いッスよ。いや、マジで(^_^)b

 (この記事の初期公開バージョンでは「GR2の方が周辺部の収差が少なく、描写が綺麗」という書き方をしましたが、その後色々な条件で撮影比較を繰り返した結果、その差はかなり微妙である事が分かったので記事を訂正する事にしました)


【スナップをサッと撮る】
 え〜、というワケでGR2をいつも持ち歩いて、「お?」と思ったらサッと撮る生活をしている。

 ユズリハの木と寒空。

 漆黒に浮かぶベリーサのインパネ。

 スパゲッティーを食べる。

 と、こんな感じで写真を撮りまくっている。


【結論】
 携帯性が良く、何も考えずにサッと撮れる。それでいて凝った撮影でも扱い易い。今、「GRデジタル2」スナップ最強伝説、始まる(ゴゴゴゴゴゴ・・・)。

[2008/1/11]
一部訂正[2008/1/15]


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