オノオレカンバの5角ばし
ちょっと高いけど、愛用したい手作り品。


【箸、逸品】
 岩手県二戸市に「プラム工芸」という木工工房がある。ここでは木製のスプーンや靴べら、肩たたき等を製造販売しているのだが、ここの特徴は、使っている木材が「オノオレカンバ」に代表される非常に堅い木にこだわっているという点だ。オノオレカンバ、アサダ、イタヤカエデ等は、堅くて加工が難しいが、丈夫で傷がつきにくく、水にも強いという特長があるという。

 で、その商品の中に「日本で一番堅い木」と言われるオノオレカンバを使った5角形の箸があり、これがなかなかの逸品だ。(下の写真、左がオノオレカンバ製。右はウリン製)


 5角形の箸は持った時の収まりが良く、使いやすいという。また一般的な箸は先端が丸くなっている物が多いが、これは先端まで5角形であるため物をつかみやすい。(右の写真)

 無駄な装飾は無く、実に素朴な仕上げ。質実剛健である。

 これらの品は東北新幹線二戸駅に併設されている物産品店で発見し購入したのだが、この時は子供用の短い物しか在庫が無く、大人用の物は買えなかった。

 仕方なく大人用は別の会社製の似たような6角箸を買ってごまかしたのだが、これが大失敗。こいつは木目が正目でなかったようで、使っている内に箸が曲がってしまった。(右の写真、左が某社の6角ばし。右はプラム工芸の5角ばし。プラム工芸の物は正目の部分を使っているため狂いが少ない)

 値段は高いが、やっぱりプラム工芸のヤツじゃなきゃダメだ!と激しく後悔したのだった。

 (材料の木材自体が希少であり、かつ正目の部分を選んで使うので、必然的に価格が高くなってしまうそうだ)

 この某社の6角ばしで失敗したので、是非とも自分用の5角ばしが欲しいっ!と思っていたのだが、箸のためだけにはるばる二戸まで買いに行くワケにもいかないのだった。(これ、通販でも買えるのだけど?byニョーボ)

 そんな時、「プラム工芸」が仙台三越で実演販売するという情報を入手。千載一遇のチャンスと見て、速攻で行ってきた。

 売っていた5角箸は、オノオレカンバ製、ウリン製など数種類。ウリンというのは別名「鉄木」と言って、東南アジア原産の「世界一堅い木材」だそうだ。

 「日本一堅い」オノオレカンバと、「世界一堅い」ウリンの対決。

 加工の実演していた職人さんの話では、「オノオレカンバの方がお勧めです」との事。

 ウリン材は輸入品なので、値段が高い。見た目もウリンはコゲ茶色で、白いオノオレカンバの方がキレイに感じられる。ここはやっぱりオノオレカンバ製を買うべきなのだろう。

 でも結局は両方買ってしまったワケだけど(^_^;

 実際の使い心地はもちろん良好。とは言うものの「うおーーっ!これは凄ぇええ!!」などと感動するほどの違いがあるわけではないんだけどね。職人の丁寧な仕事が「持つ喜び」を感じさせてくれる、そんな逸品ですね。

[2008/6/6]


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