テリオスでモバイルだ!
シャープのテリオスってご存じナリか? 一見小さめのノートパソコンみたいな感じなんだけど、Windows
CE 機なんスよ。Windows CE というのはHDDが無くて、全部メモリ上で動作するコンパクトなOSで、携帯機用に作られているんス。で、頻繁に出張する仕事になったので、職場で買ってもらっちゃったのよ。出先でレポートを書いたり、メールをチェックしたりしようというコンタンなワケ。ではそのテリオスのファーストインプレッションを以下に述べてみたいナリ。 |
まずはWindows CE機としてのメリット (1)瞬間的に起動する。普通のノートパソコンは起動するのに1分以上かかるので、サッと出してパッと使うという事には向いていない。しかしWindows CE機はほぼ瞬間的に起動する。サスペンド(スタンバイ状態)にするのも一瞬なので、気軽にオンオフできる。 (2)電池が長持ち。普通のノートパソコンは標準電池で2時間とか、ひどいのになると1時間程度しか使えない物が多く、それだと出先で使うのは難しい。しかしWindows CE機は公称10時間というのが普通。このテリオスを使った実感では実質でも8時間くらいは持ちそうだ。これなら1日安心して使える。 (3)小型軽量。普通のノートパソコンよりかなり小型軽量。HDDを内蔵しているノートパソコンは衝撃を気にしながら大事に扱わないといけないが、その点Windows CE機は気楽である。これが実際に持ち歩く際にけっこう大きなポイントになる。 (4)それでいてちょっとしたテキスト作成やメール送受信、ウェブ閲覧なんかは一般のパソコンと同じような事ができちゃう。値段もノートパソコンより安い。 |
![]() 右の写真はPHSに接続してウェブを見ている所。動作はやや遅いが、デスクトップ機で見るのとほぼ同じようにウェブを見る事ができる。PHSの転送速度は64kまでありなので、家のパソコンでV90モデムを使って接続するよりもむしろ速いくらいなのよね。 DDIポケットのH”(エッジ)で接続する場合、「接続」のボタンを押してから実際にニフティに接続するまで約25秒。そしてヤフーのHPが完全に表示されたのが約33秒目であった。家のデスクトップ機からV90モデムで接続した場合は、接続するまで40秒、HPが表示完了するまで45秒であった。従来のモデム接続よりは速いけど、驚くほど速いという程ではなかった。 |
![]() 携帯電話のインターフェイスとは別にモデムも内蔵しており、普通の電話回線とも接続できる。でもこのモデムはソフトウエアモデム(モデムの仕事をCPUで処理するタイプ)なので、普通のモデムよりも遅いのが弱点。 家で実験してみた結果、インターネットに接続するまでに40秒。ヤフーのHPが表示完了するまで100秒くらいかかった。ひとつのCPUを画面表示なんかの処理とモデムの処理をこなさなければならないから全体として遅くなるのだろう。 |
![]() 本体側面には、携帯電話などと接続するコネクタや、他のPCと接続するためのシリアル端子、USB、コンパクトフラッシュ、PCカードなど、多くの端子が設けられている。しかしその端子の蓋の部分が構造的にかなり弱い。ちょっとした事で破損してしまいそうだ。思い起こせば初代98ノートも側面の蓋がすぐに壊れてしまったっけなあ。持ち歩く物であるだけに、もうちょっと工夫して欲しかった。 |
![]() コンパクトフラッシュのスロットにザウルス用の「辞スパ」を挿す事で英和・和英・国語などの辞書が使えるようになる。つまり、辞書を使う人はコンパクトフラッシュが使えないという事。 ポケットPCなんかは辞書類が最初から内蔵されている物が多いのに、テリオスで辞書が別売り(しかも定価が1万円以上する)というのはちょっと残念。 |
![]() キーボードは、タッチタイプできるギリギリの大きさという感じ。キーの大きさが指の太さと同じくらい。スムーズに打つにはちょっと慣れが必要。これ以上小さいともうかなり打ちにくいだろう。 両手の人差し指の定位置であるFとJのキーのポッチがもっと下側にあって、はっきりしてた方が打ちやすいと思うのだがなあ。 |
![]() 液晶に命を懸けてるシャープだけあって液晶画面の見やすさは文句無し。その上タブレットにもなっており、メモ書きはもちろん、マウスやパッドによる操作とはまた違う操作性を提供している。 ペンによる操作はなかなか快適だが、そのペンを紛失してしまうと路頭に迷う事になりそう。ペンを無くさないようにする工夫が欲しい所だ。 |
![]() カメラが内蔵されていて、ちょっとしたメモに使う事ができる。ただし画質はボヤ〜ンとした映像。ごく初期のデジカメみたいな感じ。 紹介記事なんかでは、シャッターを押すとすぐに起動して撮影されるような感じに書かれていたが、実際にはシャッターを押してから撮影スタンバイになるまでにけっこう時間がかかる。パッと出してサッと撮るという活躍はできそうにない。 ただし静止画だけでなくmpeg4動画も撮影でき、そのままFTP接続でホームページにアップロードできるような環境が揃っているので、使い方次第では面白い事ができそう。 |
【その他、気が付いた点】 母艦PCとのデータ同期を取るソフト「アクティブシンク」。しかし取説の説明が解りにくく、実際に使えるようになるまでけっこう苦労したッスよ。また、インターネットエクスプローラーの「お気に入り」フォルダを取り入れても、実際の「お気に入り」に反映させる作業は自分でやらなければならないようで、その作業がけっこう面倒くさかった。(慣れればけっこう便利) 見た目は何だかVAIOノートみたいなダイカスト風だけど、実際にはプラスチック製。カメラ部を動かしたり、側面の蓋を開閉してみると、何だかプラの中でも安っぽいプラという感じ。ちょっとガッカリ。 登録したホームページを自動巡回して記憶し後でゆっくり読めるという機能があるのだが、実際にはオンライン状態でないと表示できないフレーム(広告とか?)をたくさん使っているHPが多く、そのようなHPはいちいち「このフレームはオフラインでは表示できません」という警告が表示されてしまう。それでも「オフラインで継続」を選べば何とかページを表示できるのだが、この「オフラインで継続」ボタンを何度も何度も押さなければならず、非常に面倒くさい。つまりこの機能はあんまり使えないッス(-_-; テリオスにおいてはアクティブシンクはUSBをサポートしておらず、母艦との接続はCOM2とかを使う事になるのだが、転送レートが遅いのでたくさんのファイルを送ろうとするとかなり時間がかかる。 ボイスレコーダーの録音形式は3種類から選べて、さらにレートも選択できるようになっているが、「モバイルボイス形式」と「GSM形式」は音があまりにも悪すぎて実用的でない。結局「PCM録音」を選ぶしかないが、音質がまともな分だけメモリーも喰う(PCMの一番レートの低い物でもモバイルボイスの10倍くらいは喰うようだ)ので使い方が難しいかも。 |
![]() 【その後】 新幹線の車内から(走りながら)メールの送受ができるかどうか試してみた。PHS(エッジ)による接続なので、市街地でないと全く圏外だけど、駅を通過する時を狙ってやれば接続できるのでは?・・・と思って実験してみた。 その結果、減速しない状態では移動速度が速すぎるらしく、エッジでも接続できなかった。駅に停車する前の減速した状態ならば接続できるようだ。 |