恐怖の文房具道にハマる
ボールペン編
凝りだすとキリがない!と言われてます。


【実はけっこうメジャーな趣味らしい】
 スマホとかタブレットとか全盛で、紙に書くという事が少なくなってきた今日この頃。そんな今、なぜかボールペンやシャーペンの世界が熱い。

 ネットで検索してみると、それ系のブログが出るわ出るわ。書店でも、「こだわりの文房具」を紹介するような雑誌やムックがけっこうな数が出ている。(下の写真)

 文房具マニアって、実はけっこうメジャーな趣味だったんだなあ〜(^_^;


【ボールペン界の状況】
 昔は油性インクが主流、つか最初のボールペンは油性インクだったワケだが、たぶん俺が小学生か中学生くらいの頃に水性インクのボールペンが登場。

 水性は、油性に比べて粘度が低くてサラサラなので、書き味がなめらかという利点があったのだが、字がにじむ事があり、またペン先が乾燥しやすいため、キャップが必要という弱点もあった。

 で、この弱点を改善するため、油性と水性の長所を併せ持ち、短所を改善したゲルインクとかエマルジョンインクなど、新しいタイプのインクが開発されるようになった。

 さらに油性の中でも、低粘度でなめらかな書き味を実現した新インクが開発された。それが三菱鉛筆が2006年に発売した「ジェットストリーム」。低粘度・高発色・高耐光性・速乾性が特長との事。

 油性インクのボールペンは、書き味が重い、書き始めにインクが出ない時がある、インクがダマになって字が汚れる事がある、などの弱点があったが、「ジェットストリーム」はそれらを全部解決。一躍ボールペン売り場のスターになった(・・・と思う)。

 これに刺激された文具メーカー各社は、次々に低粘度&高発色のインクの開発を行うようになり、

 パイロット「アクロインキ」(2008年)
 ぺんてる「ビクーニャインキ」(2010年)
 ゼブラ「スラリ(エマルジョンインク)」(2010年)

 などが登場。

 筆記具マニアの中には、それらを全部買ってきて性能をチェックし、ブログで報告する者が出現。

 さらに、100円とかで売ってる使い捨て品ではなくて、アルミとか真鍮で作られた高級品(3千円とか5千円とかするヤツ)も登場するようになり、「持つ喜び」に重点を置く人も加わってかなり面白い事になっている。

 私の職場では、ノートにボールペンで記録を取る事が多いので、ボールペンは自前で「ジェットストリーム」のを買って来て使っているのだが、他社の様子も一通り調べてみた。


三菱鉛筆
 上述の「ジェットストリームインキ」を採用。

 黒インクのの黒色が濃い。紙への染み込みが速く、にじみが少ない。インクの逆流や直流という従来のボールペンにあった問題を解決した新構造を採用。今のボールペン界では、たぶん一番人気。

 近年、これの高級バージョン「ジェットストリーム・プライム」シリーズが発売されて、限定色モデルとかが出たので(下の写真)、俺もついつい買ってしまい、それをきっかけにしてこの文章を書く事に・・・(苦笑)。



ぺんてる
 こちらも低粘度、黒色が濃く、テカりが少ない「ビクーニャインキ」を採用したシリーズを発売。他にもゲルインク「エナジージェル」シリーズを展開。


パイロット
 同じく低粘度高発色の「アクロインキ」を開発。でも他社ほどは前面に押し出してない感じ。

 むしろ、それ以前からあった消せるボールペン「フリクション」シリーズを大々的に売り出しており、対ジェットストリーム戦略とはちょっと方向性が違う。

 また、15色のカラーの中から好きな組み合わせで4色ペンが自分で組み立てられる「ハイテックCコレト」もなかなか面白い。女子に人気ありそうだ。

 あと、多くのボールペンはペン先が 0.7mm が普通なのに、0.3mm とか、めちゃくちゃ細い字が書ける「ハイテックC」シリーズもある。

 ところで、ボールペンってさあ、字が消せないのが良い所だと思うのに、それが消せるって何のメリットがあるの?(^_^;

 実際、某事務所で、領収書をこのフリクションで書いてもらって、後から字を消して悪事に利用したというバカが出たらしく、フリクション使用禁止令が出たとか・・・。


ゼブラ
 エマルジョンインク「スラリ」を世界で初めて開発。エマルジョンとはイコールではないが、化学系ではドロドロの液体を「スラリー」と呼んだりするのだが、それにちなんだか?(単にスラスラ書けるからか?)。他にジェルインク「サラサ」もある。あ・・・(察し)。


トンボ鉛筆
 鉛筆と消しゴムのイメージが強いが、「超低粘smartインク」採用の多色ボールペンを発売。でも知名度はかなり低い・・・。


プラチナ万年筆
 この会社は歴史ある高級万年筆の会社だけあって、ボールペンも100円とかの安い物ではなくて、大人の雰囲気を漂わせる上品な物をたくさん用意している。インクも低粘度の物を採用している物があるようなんだけど、上述の他社のような特別な名称をつけたりしてはいないようだ。


セーラー万年筆
 プラチナ万年筆と同様に万年筆の老舗で、とっても地味な印象だが、流行に乗り遅れまいと?「G−FREE」という商品を出しているが、あまり知られてはいないようだ。

 あと変わったところでは、1本で3種類の太さのボールペン(色は黒だけ)が使えるという「就活ボールペン3way」というのを出している。1本で黒、赤、青、シャーペンなどが使えるという多機能ペンは各社からいっぱい出ているが、黒のボールペンだけで3種類というのは珍しい。


OHTO(オート)
 削り出しのペン先とセラミックボールの採用が特長。水性ボールペンが得意分野らしい。


 以上まとめた上で、新開発インキ採用で、黒赤青など多色が使えて、大人の雰囲気もある、ちょい高級の物を挙げると、

 ・ 三菱鉛筆「ジェットストリーム・プライム」
 ・ ぺんてる「ビクーニャEx」
 ・ パイロット「エボルト」(これは普通のインクだが、後でアクロインクに交換が可能)

 が、3強という感じか?

 ボールペンは交換用インク(リフィル)に他社の物が使える互換性がある物があり、ボールペン本体(通称「軸」)と、インク(リフィル)を自由に組み合わせて、自分だけの"至高の1本"を作るのが流行っているようだ。

 特に熱いのが、多機能ペンの分野。

 多機能ペンとは、1本で黒赤青とか複数の芯を内蔵しているヤツの事だが、これのリフィルにはD1規格とか4C規格という、事実上の国際規格みたいなものがあり、海外の老舗メーカーの高級ボールペンもこの規格であるため、有名な例では、ドイツのラミー社で出してる「LAMY 2000」という高級ボールペンにジェットストリームのリフィルを挿すというのが流行っているようだ。

 また同じジェットストリームでも、ペン先が 0.5mm と 0.7mm の物があり、さらにパイロット製には極細 0.4mm とかにも4C規格の物があるので、インクは黒で、太さを変えて1本にまとめたらどうだ!とか、筆記具オタクとしては夢が広がりんぐ!というワケだ。

 俺も真似して「LAMY 2000」を買おうかな?と一瞬思ったのだが、その方面の雑誌やブログとかでは「もう定番!」という感じなのだが、俺的にはちょっとピンと来ない所があり、寸前で計画中断。

 むしろ理系男子的には製図用ペンとしておなじみのロットリング社。ここで出してる「トリオペン」とか「4in1 マルチペン」というのがドイツ理論派系デザインって感じでかっこいいし、値段もそんな高くない(3千円とか)ので、買うならこっちの方がいいんじゃないか?という結論に。

 ロットリングのペンは町の文房具屋では売っていないけど、調べてみたら実はヨドバシで扱っていて、仙台店に在庫ありとの情報がッ! うは! 俺に買えと? 買わなきゃダメなのか?(^_^;


【ロットリング・マルチペン】
 ロットリングとは! ドイツの製図用ペンメーカーであり、その知名度から製図用ペンの代名詞にもなっている会社であるッ! 似たような会社にステッドラーというのもあるが、今回は関係無い。

 さあて、仙台ヨドバシに来ちまったが・・・、文房具売り場を見渡してもロットリングのは見当たらないが?

 店員「その商品でしたら、舶来ブランド品売り場にあるようです」

 「グッド! そこに行けばロットリングの高級ボールペンが買えるというワケだな」

 「ああ。だがローディー・・・。てめぇにもそれに見合ったものを払ってもらうぜ」

 「?!」

 「てめぇには・・・、4860円(税込)を払ってもらおう」

 「!!!」  三(゚ロ゚; ヒイィィッ !!

 「こ、この態度! 知っているな!ヤツはディオのスタンドの秘密を知っている!!」

 「さあ! 買うのか! 買わないのか!ハッキリ声に出して 言ってもらおう! ローディぃいいい!!」

 (はったりだ。はったりに決まってる!)
 (言ってやるゥゥゥ 俺は最強のボールペン使いだァァァ!)
 (購入!購入!購入! 購入と言うぞォォォ〜〜〜〜〜っ!)

 「こ・・・ッ(ハアハアハア)」

 (だ、ダメだ・・・。ビビっちまって、声が・・・・出ない!!!)

 「こ・・・こ・・・、こぉ・・・・・ッ(がくっ)」

 「こいつ! 白目をむいて気絶してるぞ!!!」

 「やれやれだ」




 ・・・。

 あれ? なぜか手元に、ロットリングのマルチペン4in1 がある。

 何でかなぁ〜〜〜〜〜? どれ、手に取ってみよう。

 ん〜〜〜〜ん、いい〜手触りだぁ〜〜〜〜。独特のしっとりとした塗装が手に馴染む。実に!馴染むぞ!!

 ノックを押した感触もスムーズだ。そして、3色+シャーペンという4本構成にもかかわらず、ノックがひとつしか無いという、シンプルなデザイン。

 ふふふ・・・。わかるまい(ニヤリ)。

 どうしてひとつのノックだけで4本を選べるのか?・・・と、そう考えているのだろ?ジョジョ。

 そう。そこがドイツ! 製図ペンの老舗ロットリングの技術力ッ!!

 このマルチペン。よく見ると、側面に90度ごとにマークが入っている(下の写真)。

 そのマークを上にした状態でノックすると、マークに対応した芯が出てくる・・・という構造なのさ。


 そしてぇええ! 芯を引っ込めたい時は、クリップのお尻側を押す。

 どぉ〜だぁ〜〜! 驚いたかぁあ! くっくっくっ。これがドイツ一流の、究極のシンプルデザインなのだよ!

 でもちょっと重い、・・・今そう思ったな?

 確かに100円のシャーペンしか持った事がない者には重く感じるだろうなぁ〜。

 しかぁし! 万年筆も高級な物はある程度の重さを敢えて付けているものなのだよ。

 わかるかね?

 適度な重さがあった方がペンを紙に押しつける力が軽減され、さらにぃ、ペン先側に重心が来るようにしてあるから、自然とペン先が下を向く! そういうワケだ。

 そしてこのペンの中のボールペンはぁああああ! パイロットの「アクロインキ」採用の1.0mm芯(BRFS-10M-(B)) と、ゲルインキの 0.4mm芯(LHRF-20C4-B)、三菱鉛筆の「ジェットストリーム」 0.7mm芯(SXR-200-07) の3本に入れ替えてあるッ! (本当はパイロットのゲルインキ激細 0.3mm というリフィルが欲しかったのだけど、0.4mm のは売ってるのに、0.3mm はネットで探してもどこにも在庫が無いのだった。残念orz)

 無敵!無敵!無敵ィイイイイ!!
 これが世界最強のボールペンなのさ!!ジョジョぉおおお!!


 はぁはぁ、ぜぇぜぇ・・・。(年甲斐もなく興奮してしまった)

 ご静聴ありがとうございました(^_^;;;


 これのペン先を拡大してみたのが下の写真で、確かに 1.0mm は大きく、0.4mm は小さい事が見て分かる。


 それぞれのペン先で字を書いてみたのが下の写真で、当たり前だけど細いペン先の方が細かい字が書きやすい。太い 1.0mm は、封筒の宛先なんかを書く時に使うといいかも。


 で、実際このマルチペンでノートを取ってみたのだが、それまで使ってた三菱鉛筆のジェットストリーム・プライムよりも書きやすい感じ。つか、ジェスト・プライムって表面がつるつるなので、ちょっと持ちづらい感じなんだよなあ〜。

 下の写真は上から順番に、パイロットの「エボルト」、三菱鉛筆の「ジェットストリーム・プライム」、ロットリングの「マルチペン4in1」。


 ところで噂に聞いたところによると、ロットリングは製図用ペン以外からは撤退してしまい、このマルチペンなどはパーカーブランドに移管されちゃったとの事。

 おかげで、パーカーでまだ出してないタイプのロットリングペンはプレミアが付いて、ヤフオクなどで定価の2倍とかなってるとか・・・。

 ただし俺が買ったヤツはなぜかロットリングブランドで再販されていて、ヨドバシで普通に買えた。何で?(店員さんも「これ、買えなかったんですよねえ〜」って言ってたし)

 あと、上でロットリング「マルチペン」のペン先選択のメカニズムについて、「それがドイツの技術力!」みたいに書いたけど、実は同じ仕組み(振り子式という)のペンが日本のメーカーからもフツーに販売されていて、全然ロットリングの専売特許じゃないのだった。そもそもロットリングのペンは、実は日本製という噂もあるし・・・。

[2015/4/24]


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