モバイルハンディカムPC5


 これまで使っていたDVカム(ソニーDCR−PC10)を姪っ子にあげて、新しいDVカム(ソニーDCR−PC5)を買ってきた。例年のようにラオックスの初売りまで待とうかとも思ったが(仙台では伝統的に初売りの景品が豪華なので、わざわざそれを狙って買うのだ)、ラオックス仙台店開店2周年記念の商品券(3千円・1千円各1枚)の有効期限が大晦日までとなっているのと、クリスマスセールとして福引きをやっているという事で背中を押された。福引きは都合45回も引いたが、ラーメン5食セットが1本当たっただけで、他は全部ポケットティッシュだった。ニョーボの懸賞運に期待したのだがなあ・・・(^^;

 本体とアクセサリーキットの他に、メモリースティックリーダーライター(ソニーMSAC−US1)、専用セミソフトケース(ソニーLCM−PCY)、予備バッテリーなども同時に購入。必要な周辺機器をひと揃えでいっぺんに買うのが黒沢家の流儀だ。最近のこの手の商品は商品サイクルが短いので、「後で買えばいいや」とか思っていると、気が付いた時には買いたくても売っていないという事になりがち。必要な物は買える時に買う。これが鉄則だ。

 携帯用のケースまで買う人はあまり多くはないだろうと思う。しかし携帯用のケースが無いと持って歩くのに不便だし、不便だと持って歩かなくなり、それはつまり使わなくなるという事であるから、無駄になるという事。本気で使うつもりならば携帯ケースまで揃えるのが通なのだ!(と勝手に断言)。

 で、PC5のファーストインプレッションだが、DVカムとしては従来と特に変わらない。もはや定番という感じ。

 デジカメとしてはどうか? 画質としてははっきり言って悪い部類に入る。暗いと画質が露骨に悪くなるし、画面サイズも640×480しか使えない。つまり30万画素クラスという事。(画素数の大小と画質は別問題である。画素数が少なくても高画質という事もあり得るはずなのだが、そういう話はほとんど聞いた事が無い)
 この画質はデジカメ専用機の画を見慣れているとかなりガッカリする。しかしこのホームページで使っているような小さく縮小した写真を撮る分にはこれで十分という気もしないではない。

 DVカムとしてもデジカメとしても静止画を撮る事ができるが、デジカメとして撮った方がキレイな、カッチリとした画が撮れるのだろう・・・と信じていたのだが、試しに比較してみるとそれほど差が無いような感じ。下の2枚の画像は、左がデジカメとして撮った物、右がDVカムとして撮った物だが、大きな差は無い。(これらの画像ファイルはサイズを縮小している)

 撮影時の感覚としては感度の違いが大きい。デジカメとして撮ると感度が数段落ちる。DVカムとしてはそれなりに撮れる明るさでも、デジカメとして撮ると暗い画面になってしまう事がある。本体液晶画面で見る分にはそう感じないため、撮れてると思っていたのにパソコンで見たら暗くてダメだった、という事になりがち。

 また、画像ファイルの名前がいつも同じ名前が付けられてしまうので、以前に撮った画像とファイル名が重複しやすく不便である。ここら辺は一般のデジカメみたいに重複しないような工夫を入れて欲しかった。1ヶ月使った感想としては、DV動画から静止画を切り出す手段を持っている私にとっては、メモリースティックを使ったデジカメ機能はあんまり必要が無いという結論だ。

 メリットとしては、何と言っても本体が小さい事。下手すりゃそこらのデジカメよりも小さいくらいの大きさだ。この小ささでありながら10倍ズームが使えるというのはかなりのアドバンテージ。そしてバッテリーの残り時間が正確に判るインフォリチウムの威力。そしてナイトショット機能も意外に便利だ。(右下の写真はナイトショット撮影)

 ナイトショット機能は、本体から赤外線を照射するようになっていて、これが照明の役割を果たしているのだが、その有効到達距離がけっこう短いため、近くの物しか撮影できないという弱点がある。「真っ暗闇でも遠くまで見える」という事ではない。そして、デジカメとして撮る場合、ここでもやっぱり感度が数段落ちた感じになる。液晶画面では見えているのに、デジカメで撮るとほとんど真っ暗で何も見えない、という事になりがちだ。残念。

 メモリースティックの使い勝手としては、悪くない。少なくともスマートメディアよりは(ハンドリングの点で)使い易いと思う。USB接続のリーダー/ライターはメモリースティックを抜き差しする時にクリック感があり、挿したという感じが感覚的にわかってよろしい。またデバイスドライバのインストールも、接続した状態でインストールする事になっているのは好感が持てる。(USB機器の中には、既に接続した状態でインストールすると動作しない物がある)

 専用セミソフトケースはなかなかカッコイイ。サイズが小さいおかげで腰のベルトに付けて歩く気になれる。とにかく持ち運びが苦にならないという事は非常に重要な事だ。この小ささがPC5の価値の半分以上を占めていると言えるだろう。

 バッテリーは大・中・小の3種類あるが、大きいバッテリーを使うと本体からボッコリはみ出てしまい、本体のコンパクトさが損なわれてしまう。使用上の都合から言えば大容量バッテリーを使いたい所なのだが、そのためにコンパクトさが失われてしまっては本末転倒。したがって小バッテリーを複数持って歩く使い方の方が正しい使い方であると断言したい。

 このセミソフトケースには本体内蔵以外に小バッテリーを3本持ち歩けるような形になっている。これだけあれば普通の使い方には十分な容量だ。これまでハンディカムを使ってきた経験でも、1本1時間(公称)のバッテリーを3本か4本用意していれば、丸1日の観光でも困る事は無かった。

 今回もその方法で行こうとは思っているのだが、ここに一つの障害があった。それはバッテリーの充電器だ。PC5用の充電器は一度に1本のバッテリーしか充電できないようになっていて、バッテリーを3本とか4本持っている場合、充電時にいちいちバッテリーを交換しなければならない。

 また、充電器側でバッテリーを充電しつつ、DVカム本体でも同時に充電という事が以前の機種では行えたのに、PC5ではできない事になっている。これは痛い。かなり痛い。

 つまり、一度に2本充電できる充電器だった場合は、夜寝る前にセットしておけば、朝起きた時にはとりあえず2本は満充電にできたのに、一度に1本しか充電できないとこう事で使い勝手が悪くなってしまうのだ。例えば、夕食前に1本充電して、夕食から帰ってきたらバッテリーを交換してまた1本充電。そして寝る前にまた交換して・・・などと気を遣わなければならないのだ。旅先でこういう事に気を遣わなければならないのはけっこう疲れる。この点が最大の不満点だ。

 また、昔の機種では充電しながら同時に本体にも電源を供給という事が可能だったのに、この機種のチャージャーはそういう事ができない。とにかくひとつの事しかできないようになっているのだ。これは使いづらい! ただし「あと○○分で充電完了」とか「今のバッテリー状態は○○分使用可能」というようなきめの細かいプロパティが表示されるのは進化した点だ。

 PC5本体の設定メニューの操作は液晶画面を直接指で触って行う方式だが、これが意外に良くできている。素晴らしい!と言うほどではないものの、操作に苦労するような場面は出てこない。操作時のビープ音も「ピロリン!」というような可愛い音になっていて、和音が使えるケータイ着メロみたいな感じ。

 それと、昔のハンディカムでは撮影ボタンの機能を3つの中から選べたのだが(「押している間だけ録画」とか「一回押したら5秒間だけ録画」など)、PC5ではそういうモードが無くなっている。確かに普通のビデオカメラでは1回押して録画開始、1回押して録画停止というのが普通ではあるけれど、押している間だけ録画するという モードは感覚的に解りやすくて良かったのだがなあ・・・。


戻る