ウォークマン中心のステレオを
USBケーブル編
私は如何にして困難を乗り切ったか?または買い物連鎖反応。
【高級USBケーブルがふろくに】 前の記事でも書いたけど、今のオーディオ界では、USB-DAC にデジタル音源をUSBケーブルで繋ぐ所がシステムの核になっている。 HDDやフラッシュメモリ、ネットなどから音楽データをファイルの形で読み込んで、それをUSBケーブルで D/A コンバーターに入れ、そこでアナログの音声に変換してアンプに・・・という流れだ。 だから、少なくとも1本はUSBケーブルを使う事になるのだが、オーディオ界では「USBケーブルによって出てくる音が変わる」という事になっている。 デジタルデータしか扱っていないのに、どうして音が変わるのか? 納得できない気分だが、そういう事になっている。 で、昨日、職場の近くにあるラーメン屋に昼食を食べに行ったついでに、某大型書店に寄ったら、USBケーブルが付いてくるオーディオ本が目に留まった。むむ? USBケーブルが付いてくるとな?(下の写真) |
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噂には聞いた事がある・・・。その昔、短いUSBケーブルをふろくに付けたオーディオ雑誌があったという話を・・・。まさか実在していたとはな・・・。 噂のケーブルは15センチくらいの、ごく短い物だったそうで、あまりにも短いため実用には向かなかったと記憶している・・・。 が、このムックの物は長さが30センチと書いてあるぞ。むむむむ! もしかして、これは「買い」なのか? ・・・。 はい。例によって、気が付いたら買っていました(^_^;;; ちょっと記事を読んでみると、付いてくるケーブルは、その筋では有名なエイム電子が作ったUSBケーブルで、USBケーブルで音が悪くなる原因とされているバスパワーの線を、信号線と分けて別々にシールドしている特殊な仕様になっているケーブルとの事。 噂には聞いた事がある・・・。その昔、バスパワーを分けてシールドしたUSBケーブルがあったという話を・・・。まさかじt(略) ネットで調べてみると、そういう特殊なUSBケーブルは普通に買うと1本1万円くらいするようだ。それを3千円程度で買えたんだったらラッキーか? ふふふ。ちょっと喜びがこみあげてきた。 で、この喜びをもっと噛みしめるため、中の記事を改めて読んでみた。 「とても貴重なマイクロUSB Type B端子を採用したこのUSBケーブル」 ・・・。 ん? マイクロUSB? あれれ? マイクロ? マイクロって何?! あわてて箱の中身を確かめると、ケーブルの片方の端が非常に小さい端子になってる! がはああっ!!( ; °Д°).∴(吐血) しまった〜〜〜〜!!! これはけっこうレアな端子形状ッ!! ウチにある USB-DAC では使えないジャンかよぉおおおおお!!!! このムックを出版した「ステレオサウンド」の通販サイトでは、俺みたいな人のために普通のBオスタイプに変換するアダプタを売っている。値段も1個千円と良心的価格で、これに頼るのもアリだ。 しかしオーディオマニア的には、アダプタを入れちゃうと接点が増えちゃうでしょ? それが生理的に嫌な感じィイイ〜。 そこでだ! だったらこのケーブルを途中で切っちゃって、自分で通常サイズのプラグを付けちゃえばいいジャン!! 「ま、まだだ! まだ手は・・・あるはず・・・だっ!(ハア、ハア)」 「もう終わりにしましょ? ねえ、そうしましょ?(半泣き)」 「ふへ・・・、ふへへ・・・、こうなったら、このマイクロプラグを普通のBオスのプラグに交換してやるッ!!」 「何ですって?! この上さらにオヤイデ電気に貢ぐと言うの?」 「爺さんが言ってたっけ・・・。馬鹿をやるなら徹底的にってね、へへっ」 「あなたのお爺さんって、2代目○○さんの事? 遊び人だった、変な戒名の? ・・・でも、お爺さんはあなたが生まれる何年も前に亡くなったはずじゃあ?」 てな感じの脳内ロールプレイをしつつ、オヤイデ電気にBタイプのプラグを発注ゥゥウ!(^_^;;;; 値段は324円。安っ(苦笑)。 さすがにオヤイデでもUSBコネクタについては、金メッキ等の特別仕様のは売ってなくて、ノーブランドのごく一般的な物だ。 で、ここで俺の脳裏に浮かんだ一番の心配事は、 「どの線をどの端子に繋ぐかという情報と、確かにその通りに繋がったという事を確認するためのテスターをどうするか?」 という事だった。 普通の音声ケーブルと違って、こいつの場合は電源ラインとデータラインが混在しているので、結線を間違うと機材の方が壊れる危険性がある。あとアースがどう接続されているかも、けっこう問題だ。 どういう事かと言うと、このケーブルでは電源ラインとデータラインが別々にシールドされているワケだが、両方のシールドが末端で合体して GND に繋がっているのか? それとも一方だけが GND に繋がっているのか? あるいはどちらでもないのか? そこの所がよく分からない。 このケーブルの良い所は、シールドが別々になっているという点にあるのだから、その接続がどうなっているのかはかなり重要だ。 (シールドは、とにかく GND に繋げば良い、というワケではなくて、グランドループの形成を避けるため、敢えて GND に繋がないという事もあるという) ヨドバシで調べると、安いテスターなら千円くらいで買えるようだが・・・。 あ゛〜〜〜〜〜! ダメだ、ダメだ、ダメだ!ヾ(`Д´#)ノ゛ そんな事をすれば、また泥ナワ式に買い物が増えていくだけなんだ!! もうそんな永久ループは嫌なんだよぉおお〜! 何とか金をかけずに導通をチェックする方法は無いのかっ!? う〜・・・。 あ! あれだ! あれがあるじゃないか!! 数年前に買って、そのまま放置されてる「大人の科学・電子ブロック」! あれを使えばテスターが作れるはず!! さっそくその電子ブロックを本の山の中から掘り出して、中を確認すると確かにテスターに使えるようだ。やったぜ!!(下の写真) |
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っつーワケで、プラグキットが届いたので、さっそく工作開始ィィイ! 失敗したら後が無い一発勝負になると思われたので、慎重にケーブルを切り、丁寧にシース(被覆)をむいてみた。 中を見ると、データラインと電源ラインが完全に分けて配置されており、それぞれがアルミのシールドで包まれ、その上から銅の網線が巻かれている。いわゆる2重シールドだ。(下の写真) |
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![]() ← 断面図。 (エイム電子のHPより) |
そしてアルミシールドの内側には、「ドレイン線」という、アース接続用の銅線が各2本ずつ仕込まれている。 シールドケーブルの中にはドレイン線が入ってる物もあるという話は知っていたが、実際にドレイン線が入っているケーブルを見るのはこれが初めてだ。これが高級仕様というヤツか・・・。 あと驚くのは、データラインと電源ラインで導線の種類を変えてあるという点。 電源ラインは細い銅線を撚って作った、よくある「撚り線」仕様だが、データラインは単線で、しかも銀メッキしてある! 何これ〜? メチャクチャ手が込んでる〜(^_^;;; 値段が高くなるワケだよなあ〜。 で、中のラインの皮をワイヤーストリッパーを使って慎重にはがし、どの線が何番に繋がっているかを確認した。 その結果、USBケーブルの標準的な配色、 1番: 5V → 赤 2番: DATA(-) → 白 3番: DATA(+) → 緑 4番: GND → 黒 と同じ構成になっている事が確認できた。 あと、問題のシールドの接続状況は、2つのシールドはどちらも末端でコネクタシェルに接続されているという事が確認できた。 繋ぎ方が分かったので、ハンダ付けを開始。普通サイズのBタイプは形が大きいのでハンダ付けは楽だ。ただし、使われてるプラスチックの耐熱性が低いようで、直接コテが当たると溶けてしまう。(下の写真はハンダ付けが終わった所) |
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・・・てな感じで、割とあっさり作業終了。さっそくステレオに繋いだら、ちゃんと音も出て一安心。 ケーブルの長さ的にも、長すぎず、短すぎず、丁度良い長さに出来たぞ! o(`Д´) ヨッシャー!! |
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音質に関しては、それまで使っていた15センチのケーブルでも全く不満無く使えていた事もあって、特に変化は無い感じ。耳の良い人なら何か変化を聞き分けられるのかな? でもまあ、ケーブルの中身のこだわり具合を知った上で使うと、何となく音が良くなった気がするから不思議だよね〜(苦笑)。 この安心感! この安心感が音楽を聞く者に心の安定をもたらし、音楽をゆったり楽しませるのだね!! 普通に買えば1万円近くするようなケーブルを、3千円程度の出費で、しかも自分の手で作り出せたというのは、大・充・実! 我、勝てり!!v(^o^) ちなみに USB-DAC との接続では、アイソクロナス(Isochronous)転送というモードで転送が行われているのだが、このモードはリアルタイム性を最優先にしているため、転送に失敗してもリトライしないんだそうな。 そういう仕様だから、ケーブルの質が悪い→転送失敗→リトライしないからデータ欠損→音質が悪くなる、と考える事ができて、高級なUSBケーブルが作られているとの事。 でも、上のようにウォークマンと専用クレードルを使っている場合、バスパワーからのノイズはパソコンよりは少なそう。っつー事は転送に失敗する確率も少なそう・・・。普通のケーブルでも十分だったのかも・・・ (´・ω・`)... |
[2015/10/30] |