昔のレコードを
久しぶりに聴いてみた
CDに慣れてしまった我々に非常に新鮮な驚きを与える
![]() オーディオラックと言えば、普通は分厚い木製と相場が決まっているのだが、それだと移動ができない。音質的には移動できないような重厚な物の方が好ましいのかもしれないけど、うちの場合はステレオを置く場所を完全固定にできないので、敢えて移動できるラックにしたのだった。 |
![]() 造りは安くてもターンテーブルのクォーツ制御、アームの上げ下げ自動、針圧サーボなど、機能的には一人前だ。 これよりも安い1万円くらいのプレーヤーも売られているけれど、そっちはもう本当の安物で、ターンテーブルがプラスチック製のペランペランだったりして、子供のおもちゃみたいなヤツなのだ。さすがにそんなのは買えないわ。 |
![]() 理論は知らないけど「音質画質が良くなる」というふれこみで、10数年前に若気の至りで買った物。当時でも1本1万円以上した。本当に効果があるのかは私には分かりませ〜ん(^^; この他にも電源ノイズフィルター(マクセル製)もいくつか買ったけど、今では使ってないなあ・・・。 |
で、ここからが本題。昔のレコードを引っ張り出してきてかけてみた。その報告をば・・・。 (1)死蔵されていたレコードが埃だらけ。盤自体はそれほどでもないが、ジャケットが埃まみれ。ジャケットにシミが目立つ。カビが生えているのかもしれない。 (2)保存状態のせいなのか、変な音になってるレコード盤がある。最初はカートリッジや針の問題なのかと思ったが、問題無いレコードもあるのでレコード側の問題のようだ。問題のレコード盤は、昔は「特に音が良い」事を売りにしていたレコードだったし、実際に音が良かったように記憶しているのだが、今かけると妙に歪んだ音になっていて愕然とした。なぜだ!? (後でクリーナーで拭いたら復活した) (3)埃を起こすパチパチ音は仕方がないとしても、ボリウムを上げると針が走る時の摺動音が聞こえてしまう。昔はこれでもそれなりに満足して聴いていたはずなのだが、CDに慣れてしまった今、これはかなり辛い。 (4)レコード盤をクリーニングするクリーナーが無いので、埃が取れない。さっそくラオックスに行って買ってきてしまった。実家にはレコード用特殊潤滑剤のスプレーがまだあるはずなので、今度行ったら持ってこようと思う。 久しぶりに使ってみて、レコードは金のかけどころやいじりどころがたくさんあるという事が実感としてよく解った。アーム、カートリッジ、針、ターンテーブルのシートなどなど凝る気になればいくらでも凝れるし、プレーヤー以外の部分についても、例えばレコード盤のクリーニング方法なんかもテクニック・ノウハウが必要だ。 なるほどこれならオーディオに凝る事が流行した訳だよなあ、と思った。これに比べると今のオーディオは実にお手軽だ。だれでも失敗せずに簡単に使える。凝らなくても良い音が出ちゃう。凝りどころの自由度も少ない。 【レコードクリーナーの思い出】 ![]() 70年代当時のオーディオ雑誌の評論家御推薦の品は海苔巻きみたいな円筒形のベルベットクリーナー。芯の部分に水を入れて使う物だった。私も買ってきて使ってみたけど、水の量加減が分からずうまく使えなかった。水で拭くと水の不純物が盤に残ってシミみたいになるので、あんまり良くなかった。色々試した結果、トーンアーム型のクリーナーが一番良かった。あれは最後まで使い続けた。今でも売ってたら欲しい。 そう言えば、木工用ボンドみたいなのを塗って剥がすタイプがあったなあ。しかしカスが残る場合があってダメだった。塗る時にけっこう押しつけるので盤を傷つけそうだったし。盤に塗布するタイプでは、潤滑剤タイプのスプレーが良かった。「NASAの技術を生かした潤滑剤!」みたいな宣伝文句だった。静電気が発生しなくなる効果もあったので、持ってたレコード全部に使った。 レコード用スプレーと言えば、70年代のスプレーは、安物はプロパンガスか何か可燃性ガスを使い、高級品は不燃性のフロンガスを使っていた。でも80年代にはフロンガスを使わずに別の可燃性ガスを使うようになっていたと思う。昔はフロンを気軽に使っていたんだなあ・・・。 もう一つ。巨人の長嶋が現役引退した時の様子(「我が巨人軍は永久に不滅です!」で有名なあれ)を収録したレコードが「永久保存版!」として売り出された時の事。友人のSが、これは絶対に永久保存だ!とか言って特別に大事にしようとしてレコードスプレーを盤がドロドロになるまで大量に吹き付けたら、液が盤を溶かしてしまったらしく、音がグジャグジャになってしまった事があった。友人Sは激しく後悔していた。レコードスプレーはたくさん吹き付けたらダメだという事がよ〜くわかった出来事だった(^^; 【私と富田勲】 ![]() 当時はまだシンセサイザー自体が珍しかったから、シンセサイザーで演奏しているというだけで話題になった。シンセサイザーもいち早く取り入れて、私の高校時代には「シンセサイザーと言えば富田」というくらいだった。でも当時、俺の同級生で音楽マニアだったヤツは「シンセサイザーは楽器じゃない」「音楽として認められない」みたいな事を言っていた。俺としてはその意見に真っ向から対立する立場だった。 |
![]() で、現在。富田勲の「惑星」のレコードを出して久しぶりに聴いてみた。 今はもうシンセサイザーを使っていない演奏の方が珍しいくらいなので、そういう意味での感慨は全く無いけど、富田勲の偉い所はシンセならではの工夫演出が凝っている所だな。独自のアレンジは今聴いても古びていない。さすがに第一人者という感じ。この富田勲の「惑星」はつい最近までCD化されなかったので、レコードがけっこう貴重だったようだ。 同じ富田勲の「バミューダトライアングル」というアルバムでは、曲のある部分がパソコンのセーブデータになっていて、パソコンにロードすると画面にメッセージが出るようになっていた。(初期のパソコンはカセットテープにデータをセーブしていた) 今では音声でデータロードするようなパソコンが無いので試しようもないが、「ああ、そう言えば昔はカセットテープにセーブしてたっけなあ・・・」と、何だかとっても悲しいような嬉しいような不思議な気分になった。 |