ベンタの気化式加湿器
ヨーロッパでナンバー1だそうですが、その実力のほどはどうなのか?
ニョーボが「加湿器が欲しい」と言い出した。 何年前だったかなあ・・・。奏一郎が生まれた年だったかなあ。加湿器を買って使った時期があったんだけど、2年目くらいで結局使わなくなってしまったんだよね。この時買ったのはいわゆる「蒸気式」というタイプで、要するに電気でお湯を沸かして、その蒸気で加湿するという物だった。 使わなくなった理由は、 (1)電気でお湯を沸かし続けるタイプなので、けっこう電気代がかかる。 (2)長く使っていると、お湯を沸かしている釜に白いスケイル(水道水に含まれるカルシウム分やマグネシウム分が析出した物)が溜まるのだが、これを取り除くのがかなり面倒。 (3)お湯の蒸発を促進する(?)フィルタが、雑菌の繁殖なのか何なのか、長期間使ううちに茶色くなって嫌な感じ。 これ以前には、超音波で水を霧状にして放出するタイプの加湿器が普及していたが、このタイプだと水が霧状になってそのまま放出されるため、部屋の中の家具や電気製品にスケイルの白い粉が付着して困るという問題や、水の中の雑菌をばら撒く事になるという問題があり、そのため、この頃には蒸気式が台頭していた時期だったのだ。 で、現在の加湿器業界はどうなっているのかというと、気化式というのが流行っているらしい。 気化式とは、半分水に浸した円盤をぐるぐる回転させ、そこに風を送る事で水の自然蒸発を促進させ、それによって加湿しようという物。水を加熱するタイプもあるが、加熱しないタイプが「ナチュラル」「低消費電力」「熱くならないので小さい子供がいる部屋でもヤケド等の心配が無い」という点で受けているようだ。それも、スイスのボネコ社製や、ドイツのベンタ社製などの輸入物が受けているらしい。 気化式は、室温の水をそのまま自然蒸発させる物なので、原理的に言って加湿しすぎるという事が無い。っつーか50〜60%程度までしか加湿できない物らしい。だから当然消費電力は少なくて済む。また、部屋の空気を取り込んで水に通す形になるため、空気清浄機的な働きも期待できるという。 ただし部屋の空気の熱エネルギーを使って水を蒸発させるため、つまり室温が下がってしまうという弱点があるとの事。(もともと室温のある部屋でしか使えないという事) そして、水と空気の接触面積を広くする必要がある関係で、装置が大きくなってしまうという事がある。 でも気分としてはやっぱり気化式を買いたい気分。で、気化式加湿器というと、スイスの「ボネコ」とドイツの「ベンタ」が双璧との事。スイスもドイツも「空気乾燥の本場」って感じがするじゃん? そして、スイスもドイツも生真面目な製品を作りそうな感じがするじゃん? ![]() ヨドバシで売っているというので、買いに行ったら在庫無し。そのまま取り寄せ自宅配達という形で購入。(左の写真) |
![]() 上半分はファンになっていて、電力はこのファンを回す事に使われる。下の水槽に漬かっている円盤の束は、このファンの回転の力が伝達されて、ゆっくり回るようになっている。 水に浸かっている円盤がゆっくり回転する事で、円盤の水面上に出ている部分から水分が蒸発して、それによって加湿されるという訳だ。当たり前過ぎる程に単純明快な構造だ。全体的に業務用のような造りで、飾り気ゼロ。オフィスに置いて一日中連続運転するような使い方を想定しているのだろう。 特に金がかかりそうな機構は無い。正直言って、これで3万円以上もするというのは、ちょっとアレだな・・・と思った。よくある通販の健康器具に近いテイスト。正味は1万円くらいなのではないか?・・・と。この時点でちょっとだけ後悔(^^;;;; で、実際に使ってみたのだけど、まあ、けっこう効果はあるのかな?という感じ。乾燥した日は水がかなり減るのが判る。 蒸気式みたいに強制的に蒸気を作っている訳ではないから、乾燥していない日だと水がほとんど減らない。自然蒸発に任せてるような構造であるから当然だ。それだけに加湿能力は50〜60%程度が上限だと思われ、蒸気式みたいにムワムワになるまで加湿する事が無い。ナチュラルと言えば確かにナチュラルだ。冬場にファンヒーターを使うと30%とか20%とか、かなり湿度が下がるが、そういう場面で威力を発揮しそう。 タンクの水には「ハイジェン液」という薬(?)を加えなければならない。タンクの水は2週間の間、減った分を継ぎ足し継ぎ足しして使えるとの事。何も対策せずにこういう使い方をすると、雑菌が繁殖したり、スケイルが付いたりしそうだが、そういうのを抑えるために加えるのがこのハイジェン液なのだそうだ。でも成分は謎。 500mlで4千円弱するが、1ヶ月に2回、50mlずつ消費するとすると、1本で5ヶ月、つまりひと冬使える計算か。まあ、そんな目くじら立てるほどの出費でもないとは言える。でも成分が判らないのはちょっとアレだなと・・・。 使用中はファンがずっと回転しているため、ファンの回転音がちょっと気になる。パソコンの空冷ファンの音と同じくらいの音量。大きさの割には静かなファンとは言えそうだ。 実際使ってみて、「おおー!! これは効くぅー!!」「もうこれ無しでは生きられないぃいい!!」などと速効を実感するような事は全然無い。じわりじわりと、さりげな〜く加湿しているようだ。気が付けばいつも湿度は60%という感じ。その効果は、止めてみて初めてわかる有難味、という類のものだと思われる。というワケで、強くお勧めする事も苦言を呈する事も無く、中途半端で曖昧な評価のまま、この文章を終わらせていただきま〜す(^-^; 【使用4年目の感想】 2006年。今もしっかり使っているベンタ。購入から4期使った感想を挙げると、 ・ 構造がシンプルなので故障に強そう。実際、未だにトラブル無し。 ・ 実はファン部分がモロ出しになるまで簡単に分解できる構造になっており、このためファン表面や内壁に付着する埃を掃除する事が容易である。 ・ 回転円盤群は長く使っていると埃の塊みたいな汚れが付着する。最初の頃はこれをブラシで落としていたのだが、実は洗濯機用槽洗浄剤を使えばきれいに落とす事が出来る事を発見。 ・ つまり、長期使用による汚れはほぼ全て自前で手入れ可能。これは嬉しい。 というワケで、けっこうお勧めかも。(他社の気化式加湿器を使った経験が無いので断言は出来ないが・・・) |
[2003/11/08] 追記[2006/12/15] |