ソニー、ウォークマン
NW−A808
来た! これが新世代ウォークマン!


【期待の新型ウォークマン登場】
 前にも書いたけど、俺は寝る際にヘッドホンで音楽を聴きながら寝るのが習慣になっている。プレーヤーはウォークマン NW-E507(フラッシュメモリー型の実質的な初代? 容量1GB)だ。

 ヘッドホンは前項でレポートした高級ヘッドホン MDR-SA5000 で大満足している所なのだが、実はこっそり新型ウォークマン NW-A808 (メモリー8GB)も予約注文していた俺なのだった。

 以前は「どうせエンコードは ATRAC3(132kbps) だから音質はたかが知れている」などと軽く見ていたのだが、MDR-SA5000 で聴いてみたら「こんな音まで入っていたのか!」と、そのポテンシャルの高さに驚き、非可逆圧縮と言えどもあなどれないものだなと痛感した俺。

 で、この3月に発売になる新型ウォークマンではロスレス圧縮、つまり可逆圧縮の ATRAC Advanced Lossless というコーデックが使えるという。ロスレス圧縮という事はCDの音をそのまま出せるという事。それを MDR-SA5000 で聴いたらどんな音がするんだろう〜。(ほわんほわんほわ〜ん)←素晴らしい音が出ている所を想像している。

 これ以前のウォークマンでも ATRAC Advanced Lossless に対応しているモデルはあった(’06年秋モデル)。だがこの’06年秋モデルは、俺的にはイマイチな印象で、スルーしていたのだった。

 ’06年秋モデルの一番の売りはノイズキャンセリング機能だったのだが、実際に店頭で触ってみた所、何だかそのノイズキャンセリング機能がイマイチぱっとしないように感じられ、操作性やデザイン面でも俺的にはピンと来なかった。

 しかし今度発売される NW-A800 シリーズには、デザイン的にも、使い勝手的にも、音質的にも iPod の対抗機種として十分期待できる、「久々の大物登場」という直感がキュピーンと閃いた。

 A800 シリーズの売りはビデオ再生機能だそうだが、それは俺にとってはどうでもいい事であった。俺的には、サイズ(デザイン)、使い勝手、音質、この3点が全て。(動画関係はPSPで見たい)

 動画再生には興味無いが、しかしこの大画面の液晶は曲を探す際に明らかに有利であり、操作性の大幅な向上が見込める。

 という訳で、例によってソニースタイルで予約した俺なのだった。モデルはもちろんソニースタイル限定バージョンで、革製の専用ケースも同時に発注した。(これにもキュピーンと来た)


 ニョーボ「ああ、見える! 見えるわ!! あんたが『ちくしょー!』とか『ここが○○じゃあダメなんだよぉ〜』とか悔しがっている姿が見えるわ!」

 俺「いやいやいやいや」

 ニョーボ「見える! 見えるわ!!」

 俺「い〜や、いやいやいやいや(^_^;;;;;」


【ロスレスに備える】
 音楽をパソコンに取り込む場合、これまで俺は ATRAC3(132kbps) で取り込んでいた。同じ ATRAC でも、レートやコーデックが違うバージョンが何種類かあり、正直言ってどれを選べば良いのかよく解らなかった。だから最も一般的っぽい ATRAC3(132kbps) を選んでいたのだった。

 が、今回は ATRAC Advanced Lossless で聴く事を前提にしているため、これまで録り貯めた ATRAC3(132kbps) の音楽ファイルを削除し、全部新たに ATRAC Advanced Lossless で取り込み直した。(これがけっこうな大仕事・・・)

 取り込んだファイルのプロパティから、ATRAC Advanced Lossless は ATRAC3(132kbps) の約10倍のファイルサイズになる事が判明した。という事は、今まで E507(メモリー1GB)で聴いていた曲を全部入れようと思ったら、ウォークマンの容量も10倍になってもらわないとダメって事か? う〜む、今まで容量を気にした事無かったけど、ロスレスで入れようと思うと容量も意識しないとダメという事か・・・。


【ATRAC Advanced Lossless と ATRAC3 の関係】
 ATRAC Advanced Lossless でパソコンに取り込む際、ウォークマンに送るデータ形式を、 ATRAC3 あるいは ATRAC3plus からひとつ指定しろと言われる。

 「あれ? 俺は ATRAC Advanced Lossless で転送するつもりなのに・・・」「ATRAC Advanced Lossless という選択肢が無いけど、どうなってるの?」と思ってしまう。

 もちろん ATRAC Advanced Lossless で転送する事は可能だ。なぜこんな事になっているのかと言うと、パソコン内にロスレスデータを取り込む際、あらかじめレートを指定した非可逆圧縮部分(ATRAC3 あるいは ATRAC3plus)をベースとし、それと原音との差分を合わせた物が ATRAC Advanced Lossless として記録される仕組みになっているのだそうだ。

 こうする事で、パソコン内にロスレスデータを置きつつ、ウォークマンにはファイルサイズの小さい非可逆圧縮データ(ATRAC3 あるいは ATRAC3plus)を高速で転送できる、というメリットがあるという。(参考

 というワケで、たとえ非可逆圧縮部分をウォークマンに転送する気が無くても、非可逆圧縮部分のレート指定は必ずしなければならないのだった。で、俺の場合は現在一番高いレートであるところの ATRAC3plus (352kbps) を指定した。


【ファーストインプレッション】
 さていよいよ発売日が近づいてきた。予約の場合、発売日か、その翌日に届けられるのかな?と思っていたら、発売日の前日の夜に届けられてビックリ。

 そして、届けられた箱の小ささにビックリ。

 更に、箱を開けて本体の小ささにまたビックリ。(右の写真)

 厚さはこんな感じ(左の写真)。

 コネクタ部分は内側に蓋があって、ゴミが入りにくいように配慮してある。

 こんなに小さいんだっけ?! 体積で言ったら、前から使っている化粧瓶型ウォークマン E507 よりも小さいんじゃないの?

 なめ回すように眺めてみたが、かなり綺麗な仕上がりで高級感が漂う。よしよし。

 さっそく音楽データを転送し、聴いてみた。

 うむ! 良い音だ。

 歩きながら聴くのにはもったいないと思うほど、ホントに良い音が出る。

 こんなちっちゃい物が、何でこんなに良い音を出すの? ウチの2階にある本格ステレオセットの立場はどうなるの? などと困ってしまうほどだ。

 操作性についても、これまで使っていた E507 より格段に進歩している。前評判どおり、曲の検索性の良さは特筆ものだ。この操作性を味わってしまうと、もう E507 には戻れない。

 液晶画面は高精細で、見やすく、しかも画像の出し方の演出が凝っていて、高級感がある。(左の写真)

 使用するヘッドホンは、例の高級ヘッドホン MDR-SA5000 で聴くのが最も心地良いのだが、本体付属で付いてくるEXイヤホン(右の写真)の音もなかなかあなどれないからまた困る。

 付属で付いてくる(値段的に安いはずの)物に、こんな音を出されては、何万円も出して買った高級品の立場はどうなるの?と思ってしまった。

 ただ、やはりカナル型は耳の穴にギュっと押し込んでいる独特の圧迫感があるため、オープンエア型の聴き心地の良さにはかなわない。

 カナル型で聴いた後に、MDR-SA5000 で聴くと、まるで家に帰ってきて背広を脱いでネクタイを外した時のような開放感を感じる。

 同時発売の専用革ケースについては、パッと見、ケースに入れちゃうと操作ができなくなってしまいそうに思えるが、実は革ケースの上から全ての操作ができるようになっていてビックリ。高級感があり、造りもしっかりしていてグッド。(左の写真)

 本体が小さいため、このケースに入れると二回りくらい大きくなってしまうが、本体をキズや衝撃から守るため、外出時はもちろん、家の中で使う際にも是非使っていきたい。


【ロスレスにすべきかどうか?】
 今回はロスレスデータで聴くという事が最初の動機であったので、当然 ATRAC Advanced Lossless 形式の音楽データを転送して使った。

 が、実際にやってみて、「やっぱりロスレスはファイルサイズが大きいなぁ・・・」というのが素直な感想なのだった。

 「ロスレスはファイルサイズが大きい」という事を前提に8GBの物を選んだのだけど、残念ながら8GBあっても以前感じられたあの「いくらでも入ってしまいますうぅ〜」感が無い。ロスレスのアルバムを丸ごと入れていくと、割とすぐに天井が見えてきてしまうのだ。

 この現実を前に「ATRAC3(132kbps) でもあれほどの音が出せたのだから、ATRAC3plus (352kbps) で十分なのかも知れないな・・・」という考えに傾く俺。

 そこで実験として、ATRAC3plus (352kbps) での演奏と、元CDでの演奏をセレクターで切り替えながら聴き比べしてみた(サンスイ07アニバーサリー&ダイヤトーンA3のセットを使用)。すると何と! ちょっと聴いたくらいでは元CDとの違いがほとんど分からないくらいの音が出ている事が判明。いや、マジでビックリです。

 昔のMDプレーヤーでの ATRAC は、一聴して分かるほど原音との差が歴然としていたものだが、同じ「ATRAC」でも、今や別物と言ってよいほど進化しているのだなぁ。

 というワケで、容量を稼ぐためコーデックは ATRAC3plus (352kbps) を正式採用決定。パソコンへの取り込み形式は、将来もっと大容量のウォークマンが出た時に備えてロスレスを継続だ。

[2007/3/22]


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