リコーのコンパクトデジカメ
Caplio GX100
ちょっと気になるカメラ・・・。


【散歩デジカメが欲しい】
 急に、散歩に持って行けるコンパクトデジカメを買おうかな?と思い立った。

 俺が昔使っていたコンタックスT2(右の写真)みたいな、どこへでも持って行けて、これで撮れば普通の風景も何だかゲージュツ作品っぽくなる、みたいな? そんなコンパクトカメラが欲しいと。

 最初はソニーの薄型T100が良いと思っていたのだが、現物に触ってみたら何だか指の置き場が無いというか、持ちにくいので脱落。

 他の候補と言ったら、

 ・ ニコン COOLPIX P5000
 ・ キヤノン PowerShot G7
 ・ パナソニック LUMIX DMC−TZ3

 辺りか? スナップ撮影だと広角側に強いヤツが欲しい。

 となると、パナソニックのが広角28ミリからの10倍ズーム。しかも内部で補正しているとかで、広角端でも樽型歪みがほとんど無いという。しかも手ブレ補正の本家。けっこう良さ気。

 う〜む、やっぱこれかな?と思ってネットの評判をチェックしていたら、今度リコーから「カプリオGX100」というのが出るという事を知った。調べてみると、噂のマニアックデジカメ「GRデジタル」のレンズを3倍ズームにしたようなスペック。見るからに持ちやすそうなデザイン。そして広角端が24ミリってのにピンと来た。

 「こ、こっちか?」

 ただ、リコーのデジカメって、GRデジタル以外は地味な印象しか無いんだよなぁ〜。

 この時点ではまだGX100は発売されていなかったので、その発売日まで待って、実物に触ってから決める事にした。


【作例をチェック】
 発売の1週間前くらいに、リコーの公式ホームページでGX100の作例が新しく公開された。が、これを見るとISO100でも等倍率で見ると暗部にけっこうノイズが見える・・・。

 あれ? コンパクトデジカメとはいえ、こんなにノイズが見えるモンだっけ? しばらくコンパクト機に触っていなかったから現状がよく解らない。

 そこで、ニコンP5000の実写サンプルを見つけて、ノイズの様子を見てみた。するとニコン機ではほとんどノイズが見えない。そしてGX100だけでなく、GRデジタルの実写サンプルも等倍率で見ると、けっこうノイズが見える事に気が付いた。

 う〜ん。リコーGRデジタルはけっこうノイズが見えるのに、どうして評判が良いのだろうか? ノイズどうこうよりも、レンズが良くて描写力があるという事なのか? それにしても、今や安い一眼レフと同じくらいの値付け・・・。

 俺の知らない何かがあるのか? 凄く気になる。


【現物を見た】
 そして発売日。帰宅後、ヨドバシドットコムでチェックしてみたら仙台店でのGX100の在庫が「僅少」になっていたので、慌てて夕食をかき込みヨドバシに向かった俺。

 店頭での第一印象は「あら。小さ〜い」。

 ライバル機(ニコンP5000、キヤノンG7、パナソニックTZ3)と比べてみると、GX100は小さくて地味ぃ〜な感じ。ニコンP5000とキヤノンG7は、外付けストロボを付けて撮影ができる本格派。俺は昔キヤノンG1をそうやって使っていたので、使い勝手が想像できる。それはそれで好きではあるのだけど、今回欲しいのとはちょっと方向が違う。本格派で行くのならニコンD100があるからだ。

 となるとやっぱりGX100が気になる。動作のキビキビ感は、GX100もライバル機もほぼ同じ感じ。速さで言ったらニコンのが一番速いかな?

 こうして店頭で迷う事30分。悩みに悩んだ末、店員の「GX100の方は、今ある在庫が売り切れちゃうと、次の入荷はかなり先になりそうですねぇ」という殺し文句が背中を押して、結局買ってしまった、GX100。


 で、手にとって気に入った点は、

 ・ やっぱり広角で撮れるのは、スナップや、パース強調にいい。マクロにも強い。

 ・ 着脱式のビューファインダーが使えるので、銀塩カメラと同じ構えで撮れる。(これは意外に重要な事のように思う)

 ・ グリップ部分が大きいので、構え易い。造りがガッシリしている。

 ・ 自分がよく使う操作を、ファンクションボタンとアジャストレバーに登録できるので、凝りたい設定を素早く操作できる。

 フォーカスや露出を狙った所に固定しやすいように考えて登録を変更したら、これがかなり便利で嬉しくなってしまった。

 このような使い勝手の良さが、人気の理由のひとつになっていると見た。

 ちょっと残念な点は

 ・ ビューファインダー(右の写真)の画質がちょっと悪い。液晶本体ではなく、接眼レンズが貧弱っぽい。色収差がモロに見えてしまう。

 ただ、このビューファインダーは角度を90度まで立てる事ができるので、ローアングル撮影にはかなり便利だ。

 ・ 撮れた写真を等倍で見ると、やっぱり暗部にノイズが見える。ただし画像全体としては独特の味と言うか、安いカメラとはひと味もふた味も違う絵が撮れる。

 ・ 押しやすい十字ボタンのひとつに「マクロ」が割り当ててあるのだが、これを間違って押しやすいのがちょっと気になった。(慣れればOK)

 ・ 単四電池2本でも使用可能なようになっているが、新品を入れても「電池残量が少ない」表示が出たりする。つまり、単四2本はあくまで緊急避難用という事ね。


 結論として、上手く扱えばかなりかっこいい写真が撮れるポテンシャルを持っていると感じた。で、当たり前の事ではあるが、良い写真を撮るにはそれなりにセンスとテクニックが必要であるワケであり、このカメラで自分の腕の無さを痛感してしまったりして・・・(^_^;;;;;;  いや! 己のセンスを信じてシャッターを押せ!!

 ちなみに、別売りの専用ケース(左の写真)も同時に購入。

 最初はGRデジタル用のが共通で使えるのかな?と思っていたのだが、実際に試してみたら、GRデジタル用のケースは、GX100にはちょっと小さくて入らないのだった。

 というか、GX100用のは、さすが専用というだけあって、ビューファインダーを付けたまま収納可能。だったらこれを使わない手はない。


【実写】
 とりあえず、そこらの花を撮ってみた。(ISO:100)


 上の写真から等倍で切り出したのが下の写真。悪くない。・・・というか、かなり良いんじゃないでしょうか?


 調子に乗って色々撮ってみた。

 ・ ガレキの山



 ・ 砂浜の水の流れ。



 ・ マツダRX−8。




 う〜む、良い感触。撮れる絵の印象は、地味そうに見えて実はクッキリスッキリ系の絵が撮れるのね。撮影時には気が付かなかった細かい所が、パソコン画面では妙にリアルに撮れていたりして驚かされた。


【追記】
 購入以来4日。外出時には必ず持って歩いているGX100。

 一体何が違うんだろう? ニコンD100とは違う、妙に存在感のある絵が撮れる。暗部にノイズが見えるのに、全体の印象に悪影響を及ぼしていないのはなぜなんだろう?

 昔使ってたキヤノンG1は、ISO400で撮ると露骨にノイズが乗った絵を出して全然使えなかった。ISO100でも、茅葺き屋根とか、ゴツゴツした岩肌など、滑らかでない、細かいコントラストのある物は苦手で、出力結果の悪さにガッカリしたものだった。

 GX100ではそういうのが無くて、細部の描写が綺麗な気がする。色も想像以上に鮮やかで透明感のある(つまりノイズ感の少ない?)絵が出る。拡大するとノイズが見えるのに、全体で見ると透明感を感じるのは、とても不思議だ。

 ネットでの評判を読むと、このノイズを「粒状感」と呼んでいるようだが、実際にGX100を使ってみて俺も同感。


 ・ うす暗い風景


[2007/4/22]
追記[2007/4/24]


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