来た、見た、乗った!
マツダ・ベリーサ
新車は人を詩人にする。


【ウォークマンをどこに置くか問題】
 いよいよ納車の日が近づいてきた。嬉しさで胸が高鳴る一方で、早めに解決しておきたい問題があった。それは、ウォークマンをどこに置くかという問題だ。

 これまで何度か書いた通り、このベリーサではウォークマンA808をカーステレオの音源として利用する事になっている。が、それをどこに設置するかはまだ検討中なのだった。

 一番安直な場所はカップホルダーである。カップホルダーに無造作にウォークマンを入れておくというのは、実際デミオでやっていた事だった。この方法だと、当然そのカップホルダーはカップホルダーとして使えなくなる。また、見た目にもスマートとは言えない。

 ここまで色々とこだわって来た俺としては、出来る事なら別の方法、見た人が「ほう」と感嘆の声をあげるようなスマートな方法にしたいのだ。

 ウォークマンを音源にする事による運転上のリスクを、デミオでウォークマンを(FMトランスミッター経由で)カーステレオにしていた経験から洗い直してみた。

 ・ 当然の事だが、運転中にウォークマンを操作するのは非常に危険である。実際に似たような事が原因で人身事故が起こっているようだし、俺自身も操作しようとして「これは危ない!」と感じていた。(いわゆる「ヒヤリハット」)

 ・ 左手でウォークマンを操作するのは想像以上に難しい。

 ・ 曲をスキップしたり、前の曲に戻したりするのは比較的簡単な操作だが、別のアルバムを選ぶとか、演奏モード(リピートとかシャッフルとか)を切り替える操作は、信号待ちの際でもちょっと焦る操作だ。

 以上の経験を踏まえて、

 ・ より簡単に(つまり右手で)操作できるように、運転席の右側に配置するのが良いのではないか?

 ・ しかし、簡単に操作できるようにすると、運転中でもついついウォークマンを操作したくなってしまい、むしろ危険なのではないか?

 ・ という事は、運転中には絶対に手が届かないような場所、例えばグローブボックス内に配置した方が良いのではないか?

 ・ でもそうすると、不便過ぎて本末転倒になってしまうのではないか?

 という具合に考えていき、何日かの熟慮の結果、

 (A案)インパネ右脇、あるいはAピラーの付け根付近にハンガーを設け、そこに設置。

 (B案)ハンドブレーキの後ろにある収納式アームレストの下面にポケットを設け、そこにハンガークリップで差し込む。

 の2案が残った。

 A案はいかにも便利そうな配置で、たぶん実際に便利な方法だと思われる。が、運転中に視界に入り、すぐに手が届く場所にあると、危険とわかっていても、ついつい操作してしまうだろう。

 その点B案は、運転中にウォークマン本体が見えないため、操作しようという気が起こりにくい。しかし手を伸ばそうと思えばすぐ触れる位置でもあるから、停車中に操作する際に困らない(困りにくい)場所だと思う。また、この場所ならば助手席の人も操作できるというメリットも見逃せない。

 更に、AUX入力からの配線の引き回しという点でも、B案は途中に障害物が無いため場所的に有利であり、上手くやれば配線が見えないように細工出来そうだ。

 もっと言うと、シートを革張りではなく布張りを選んだおかげで、アームレストも布で出来ているから、普通に縫いつけるだけでポケットを付ける事が出来る。(革張りだと接着剤を使わないといけないが、そういうのは嫌だ)

 というワケでB案の採用決定。


【オーディオケーブル関係アクセサリー】
 ダッシュボード側面に設けられたAUX入力(ピンジャック)に、普通の音声ケーブルをそのまま差し込むと、音声ケーブルがダッシュボード面から垂直に立ったような形になるため、運転者の左足に当たってしまう可能性がある。

 これはいかにも邪魔臭いし、最悪オーディオケーブルの断線の原因になる。そこで、AUX入力を横に寝かせるように変換するL型変換プラグが必要だと判断。調査した結果、そのような商品はピュアオーディオ用には見当たらないが、カーオーディオ用としてはしっかり商品として存在している事が判明。

 カーオーディオにおいては、限られた狭い場所に機材を設置しなければならない場面がしばしばあるため、このような商品が成り立つのだろう。(俺はこれまでカーオーディオ関係にはノータッチだったので、これはけっこう意外だった)

 問題の商品はオーディオテクニカ製「L型ジョイントプラグPGL−2」(左の写真)。オールメタル製で金メッキ仕様。いかにもマニア好みな外見だ。

 何もそんな所にこだわらなくてもと思ってしまうくらいの部品だが、こういう小物にこだわるのがマニアというモノだろう。さっそく通販で入手したが、既に生産終了品であるため在庫切れの店が多く、もうちょっと遅かったら入手できなかったかも知れない。


【ベリーサ納車の件】
 7月21日(土曜日)。我が家はニョーボの実家の墓参りに外出。その移動途中、ニョーボのPHSに着信が。

 相手は家の留守電の転送で、マツダディーラーの営業さんからの電話があり、内容は「後でまた電話します〜」というものであった。

 むむむ!

 新聞によると、中越沖地震の影響で、国内全ての自動車メーカーが生産休止に追い込まれ、マツダも21日の夕方で生産休止との事だった。

 このタイミングで電話してくるという事は、

(1)「中越沖地震の影響でベリーサの納車が遅れます。メドが立ちましたらお知らせします。どうもすみません」

(2)「中越沖地震でご心配おかけしましたが、黒沢さんのベリーサは無事生産できてます。予定通り納車できますのでご安心下さい」

 の2つの内のどちらかだと思われる。

 う〜ん、どっちなんだろう! 凄く気になる!!!

 俺「ねえ、どっちだと思う?」

 ニョーボ「生産できました、の方でしょ?」

 俺「どうしてそう思うの?」

 ニョーボ「いや、何となく」

 俺「何となくじゃダメなんだよー! どっちなんだよー!!」

 ニョーボ「うるさいわ!」

 こちらからマツダのディーラーに電話してみたら、その担当さんは外出中で、夜7時頃に戻るとの事。

 俺「ベリーサの生産予定日って、たしか20日って言ってたよな?!」

 ニョーボ「覚えてな〜い」

 俺「たしか20日って言ってたような記憶が・・・。20日だったら間に合ってるハズなんだよな〜。覚えてない?」

 ニョーボ「覚えてないわよ!」

 ああ、夜7時が待ち遠しいような、来て欲しくないような。電話が鳴るのが怖い。ドキドキドキ。心臓がキューンとなる。

 あ、まさかこれって初恋? バカバカバカ! 私ったら何を考えているの?! あんなおじさんに恋するワケないじゃないの!!


 リーン! 電話が鳴った。

 俺「はいっ!黒沢ですっ!!」

 営業「こんばんは〜。マツダの○○です〜。お世話になっております〜」

 俺「Yes? or No?」

 営業「ベリーサですね、予定通り納車できますんで。8月○日以降ならいつでもOKですんで、納車希望日をお知らせ下さい〜。あとAUX入力は、ご希望通り運転席側に付けられますんで。それとETCも、天井に組み込むヤツで行けますんで〜」

 俺「はいっ! 了解しましたっ!!」

 ガチャン。

 ニョーボ「どうだった?」

 俺「大丈夫だって(^_^;)」

 ニョーボ「良かったね(^_^)」

(一部誇張して描かれていますが、ニョーボと結婚する前の恋愛期間中の時みたいに、電話が来るのが待ち遠しいような怖いような気分、胸がキューンとなったというのは事実です(^_^;)


【見たぞ、ベリーサ】
 8月○日、会社の帰りにマツダのディーラーの横を通ったら真っ赤なベリーサが駐車してあった。

 「あ、あれはウチに来るベリーサに違い無い!!!」

 まだナンバープレート未装着だったが、ベリーサを買うような奇特な家はウチくらいなものだろうから、ウチのベリーサ以外には考えられまい(苦笑)。

 その夜、案の定マツダの営業さんから電話があって、「ベリーサ、今日来ましたので、予定通り納車できます」との事。

 しかし、あの色・・・。以前俺が目撃した赤いベリーサとは色が違う・・・。

 俺が偶然目撃して、「あ、この色イイ!」と思ったベリーサの赤は、もっと深みのある濃いめの赤だった。なのに、その現物はアクセラや新デミオの赤と同系統の明るい赤だった(厳密に言うと、この赤はアテンザやRX−8の赤と同じ色で、新デミオやアクセラの赤とは微妙に違う)。どっちにしろ考えていたのとイメージが違う・・・。

 もしかして昨年夏のマイナーチェンジで色が変わったのか?!と思って調べてみたら、やっぱりそうだった。ぐはあっ!! 現物を確認してから色を決めるべきだった。

 俺「べっ、別に後悔してるわけじゃないんだからね!!」

 ニョーボ「・・・・・・ ( ´ _ゝ`) 」

 まあ、視認性という意味ではこの明るい赤は最高に目立つ色だから良いけどね・・・。けどね・・・orz


【ミニカー】
 ほ〜た〜るの ひか〜り まどのゆ〜き〜♪

 11年乗り続けてきたデミオとお別れするにあたり、記念としてデミオのミニカーが欲しくなってしまった。が、日本車の品揃えでは一番と思われる「トミカ」ですら、なかなかデミオは発売されなかったんだよねぇ〜。

 今だと2〜3種類デミオのミニカーがあるようだけど、それは全部キャンバストップ仕様のデミオ(具体的には、2代目デミオの「コージー」)の色違いだけだったりするんだよなぁ〜。

 コージーも嫌いではないけど、初代デミオを差し置いてそれはないんじゃないの? もっと普通の、スタンダードなバージョンを先に出すべきなのではないか?と思った・・・。(ちなみに、ラジコン模型では普通のデミオが発売されている)


【納車日のポエム】
 通勤を急ぐ人達を横目に見ながら、会社に向かう自転車の俺。

 「あのね、あのね! 聞いて!」

 「ウチね、今日ね、新しいクルマが来るんだ!」

 興奮してつい声に出して言いたくなる。

 「あのね、あのね! 新しいクルマは真っ赤なベリーサさ!」

 「それはもう、まぶしいくらいピッカピカの赤なんだ!」

 ペダルをこぐ足も軽やかに自転車は走り抜ける。

 「あのね、あのね! ボクは今、とっても嬉しいんだよ!」


【来た】
 ベリーサが来た。異様なまでに真っ赤なベリーサ。さすがに新車だけあってピッカピカだ。


 オプションの確認、仕様の説明などの後、さっそく自分で運転してみた。

 うわ〜、何だか凄く緊張するなぁ〜。

 オートマの運転に慣れていないというのもあるが、それ以前の問題としてキーレスエントリーの働きにまだ身体がついていかない。キーを差さなくてもドアは開くしエンジンもかけられるという、最近は普通になってきているアレだ。

 まあ、徐々に慣れていくのでしょう。


【AUX入力まわり】
 一番気になっていたAUX入力をさっそく調べてみた。営業さんが言ってた通り、運転席側の側面に装着されている。

 さて、これにL型変換プラグを差して、そこからピンジャック→ステレオミニプラグのケーブルに接続。(右の写真)

 ケーブルは中央のカバーの下に隠す事ができたので、外見上全く問題無し。この点は予想外にグレート!

 そしてアームレストの裏側にレザーのポケットを縫いつけて、そこにウォークマンをハンガークリップで引っ掛けると、完成!(左の写真)

 う〜む・・・。

 取り付ける位置としてはここか一番良さげなのだが、自作ポケットが安っぽ過ぎる(^_^;;;;;;

 この写真ではイマイチ伝わらないが、現物を見ると思わず「うっ」と声を出してしまいそうになる(「ほう」という感嘆の声どころではない)。

 他の部分が高級感ある分、この自作ポケットの場違いな安っぽさが目立つのだ。後でもっとキレイに作り直そ・・・orz

 なおステレオの音に関しては、最初は「メーカーオプションのカーステレオだからあんまり期待はできないだろうな」と思っていた。確かにデフォルト設定での音はかなり変な癖のある音で、「ありゃりゃ?」と思ったが、高音、中音、低音、前後の音量比とかを調整したらけっこうイケる音が出るようになった。期待していなかった分、ちょっと嬉しかった。

 なおAUX入力経由の音は、FMトランスミッターを使った場合とは比べものにならないレベル。やっぱAUX入力が正解です。


【さらばデミオ】
 初めて買った自分のクルマ。初代デミオよ。

 雨の日も風の日も、そして道路が凍る雪の日も。いつもおまえは一生懸命走ってくれた。

 納車したばかりのあの日、いきなりバンパーを凹ませてゴメン。あの時の痛みはまだ俺の心に残っているよ。

 側面を塀にこすってしまった事もあったな。あの教訓は今も生きているよ。

 初めて高速道路を遠乗りした時、フロントガラスに甲虫がぶつかって付いた痕。結局取ってやれなかったな。

 「トイザらス」で真新しいチャイルドシートを買って乗せた子供らは、もうこんなに大きくなったよ。

 ありがとう、デミオ。10万キロを共に走った愛しきデミオよ、さらば。




[2007/8/4]
訂正・追加[2007/8/5]


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