こんな本、買ってきました
(2001年7月〜)



「NHK少年ドラマシリーズのすべて」(アスキー)
 「タイムトラベラー」に始まるNHK少年ドラマシリーズの文字通り全てを網羅した本。少年ドラマシリーズは元のビデオが失われているので復刻は不可能と言われていたが、マニアがビデオに録画した物や、台本を元に現存する台本からストーリーダイジェストを起こしている。キャスト&スタッフのインタビューなどなどかなりの力作。ただしストーリーダイジェストは、台本が見つからなかった回はスッパリ「不明」とされているのがちょっと寂しい。台本が無くても記憶を頼りにダイジェストを書いて欲しかった。
 私は「暁はただ銀色」「未来からの挑戦」「赤外音楽」などなど、かなり熱中して見ていた。特撮があるわけでもなく、派手なアクションがあるわけでもなく、しかし地味な舞台設定が妙に臨場感があった。この手のSF系ドラマは視聴者を突き放したような終わり方というか、乾いた感触の話が多かったな。「赤外音楽」などは人類が滅びてしまうようなニュアンスを残しながらそのまま終わっちゃったもんなあ。当時たまたま親父が一緒に見ていて、私に「こういう人類滅亡とかいう話をどう思う?」って訊いてきたっけなあ。
 最近のSF系番組(特に仮面ライダー・アギト)はけっこう影響を受けているかもしれない。



「開拓者・長岡鉄男」(共同通信社)
 FMfan特別編集のムック。同紙に長年連載されていた人気コーナー「長岡鉄男のダイナミックテスト」の、ダイナミック大賞記事の総集編。ダイナミックテスト自体はもっと昔から続いていたと思うがダイナミック大賞は1985年から始まったそうな。氏が亡くなった2000年まで(85年から99年まで)のダイナミック大賞が並んでいる。
 今はオーディオに凝る人は少数だけど、ビデオもパソコンも無かった昔は男子若者がステレオ機器に凝るのは極普通の流れだった。そんな当時にオーディオ機器の評論でもっとも強く参考にされた評論記事が「長岡鉄男のダイナミックテスト」だったと思う。私もFMは聴かなくてもこの評論を読むためだけにFMfanを買ってました。何もかも懐かしい・・・。なおオークションで昔の名機を探す時の参考にも使えます。



「追悼 長岡鉄男・観音力アンソロジー」(共同通信社)
 長岡鉄男氏が書いた古ぅ〜い記事から最近の記事まで集めた本。昔の雑誌をページごとコピーしているので、当時の広告がそのまま登場する。
 1970年頃の氏の写真が(当たり前だけど)凄く若い! 若者だ! オーディオ関係の記事だけでなく、変な4コマまんが(自作か?)とか少年雑誌にありそうな「なぞなぞ」記事とかまで書いていたりして、若い頃はいろいろやってたんだねえ(^^;
 機器メーカー訪問という記事があって、その中でソニーを訪問する回があった。1960年代前半くらいの記事だけど、何とソニー前会長の大賀さんが当時は部長で直接対応している。大賀さんは東京芸大出身で入社以前はバリトン歌手として有名だったそうで、「音楽マニアなら大賀典雄と聞いておや?と思うはず」「あのバリトン歌手の大賀典雄と同姓同名の別人かと思いきや、当人なのだ」みたいな事が書いてあって驚いた。



「ドリドリキャス子さん(セガのゲームは世界いちぃぃぃ!2)」(ソフトバンクパブリッシング)
 本職アニメーターのサムシング吉松氏が描いたゲームネタマンガシリーズ第2弾。第1弾はセガの未来がマジ不安になった時期だっただけに、一部ちょっとシャレにならない所があった。しかし今回はセガがハードウエアから撤退!他社機用ソフトに参入!という新展開のため、マンガの方も何だか開き直ったというか、突き抜けた明るさがある。
 すっかりレギュラーメンバーになってしまったPS2子さんやPS1子さんがまたいい味出してる。全4枚しか無いトレーディングカードがおまけで付いてくるなど悪ふざけ度も充実。ゲーム好きの愛読書として推薦です!(^^;



「JoJoマニア」(太陽出版)
 週刊少年ジャンプで延々と連載している「ジョジョの奇妙な冒険」について色々書いた本。集英社の協力が得られなかったらしく、原作絵の引用は皆無。あまり似てないイラストで埋めている。
 ジョジョの研究本はいくつか出ているけど、まあまあの出来か? スタンド名の由来を細かく解説していたり、ストーリーに対するツッコミが痛い。ジョジョって理屈っぽい所がある一方で、ストーリーや理論が矛盾している所がけっこうあるのよね。



 小さい頃から近くにマンガがあり、それらに囲まれて育った。
 マンガの天皇的存在と言えば手塚治虫と相場は決まっているけれど、もちろん手塚治虫のマンガも好きではあるのだけど、実は私、手塚治虫よりも石ノ森章太郎や藤子不二雄の方が好きだ。それは実際に触れた作品の数(それはテレビアニメになった数も含むのだけど)が手塚治虫のよりも圧倒的に多かったという事もあるだろう。

 まあ、それはさておき、先日石巻市に「石ノ森萬画館」という記念館がオープンした。それを記念して、という訳でもないのだけど、一冊本としてまとまっている短編集的な物を集めてみた。

「石ノ森章太郎・自伝名作集」(双葉社)
 子供の頃の事、上京からトキワ荘あたりの事、作家としての地位が確立した後の事、などなど自伝マンガが中心。特にトキワ荘のあたりいきさつはけっこう昔の作品から語られていたので、よく知っているつもりだったが、自分が大人になって、子供ができてから読むと、「無茶な事やってたんだなあ・・・」「若いっていいなあ・・・」などとジジ臭い感想が出てしまい、苦笑。
 やはり石ノ森章太郎の「四次元半襖の下張り」で、若い頃は懐かしいけどももうあの頃には戻れないというテーマが出てきたっけなあ。まさにその心境。

「ビッグ作家究極の短編集・石ノ森章太郎」(小学館)
 美味しい所だけつまみ食いしたい人向け?
 佐武と市捕物控、009ノ1、馬がゆく!、買厄懸場帖九頭竜など渋い作品を収録している。

「章太郎のファンタジーワールド・ジュン」(メディアファクトリー)
 石ノ森章太郎の真骨頂と言えばジュンに代表される詩的なマンガでしょう。子供の頃に読んだ時にはピンと来なかったけど、今読むともうグッと来ます。やっぱり凄いです。後のマンガ家に与えた影響という意味でもかなり大きいのではないでしょうか。

「萬画の王様 石ノ森章太郎 追悼作品集」(稲門堂)
 詳しい事情は知らないけど、遺族の協力で出版されたらしい作品集。
 デカチビ日記(デビュー作)、さるとびエッちゃん、秘密戦隊ゴレンジャー、空港、時ヲすべる、などを収録。利子夫人や、息子である丈氏・章氏らの文章も収録。


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