こんな本、買ってきました
(2010年)



「コンピュータ開発史」
 副題は「歴史の誤りをただす『最初の計算機を』をたずねる旅」。

 私が子供の頃は、最初のコンピューターはアメリカの「ENIAC」という事になっていた。が、実はそれ以前にも計算機と言える装置はたくさんあった。

 この本でそういうコンピューター史の常識、例えば「フォン・ノイマン型を考案したのはフォン・ノイマンである」「バベッジが階差機関を完成できなかったのは、当時の工作技術がまだ未熟だったからである」「最初の歯車式の計算機はパスカルが作った」などが、実は間違いであるという事を指摘し、正しい歴史をひもといている。

 古代のそろばんからバベッジの階差機関、ツーゼの「Z3」、アタナソフの「ABCマシン」など、コンピューターの歴史上重要なマシンが豊富な写真と平易な文章で解説されている。

 これまでコンピューターの歴史について書かれた本をいくつか読んだが、ツーゼやアタナソフについて写真入りで解説している本って意外に少ないんだよねぇ〜。重要な存在なのに。

 コンピューターの歴史に興味がある人にとっては、まさに「こんな本が読みたかった〜」といった内容になっている。

 が、この本、値段が何と7千円もするのだ! 別に内容が薄いという訳ではないのだが、文章が読みやすい事もあって、速い人なら2時間程度で全部読めてしまうため、相対的に高価な本という印象が強い。

 しかし載っている写真や図は綺麗でかつ豊富。本文も易しすぎず難しすぎず、丁度良い難易度。貴重な一冊だとは言えるだろう。


「大宇宙SCALE」
 昔「パワーズ・オブ・テン」という本があった。素粒子レベルの超ミクロから、銀河団レベルの超マクロまで、10の●乗というスケールで一望する内容だった。(たしか短編映画もあったような気が・・・)

 あれの現代版的な本を発見した。「子供の科学」「天文ガイド」なんかを出版している誠文堂が出版した「大宇宙SCALE」という本だ。ミクロの方は無いけれど、マクロの方は最新情報で描かれている。

 地球を出発点に、ハッブル宇宙望遠鏡で観測した「ウルトラディープフィールド」まで一望できる。宇宙ヤバイ!

 特に面白いのが、太陽系の近くの恒星の位置関係とか、我々の銀河系と近くの銀河の位置関係が分かるようになってる点。どの方向の、どのくらいの距離にどういう恒星とか銀河があるのか分かりやすくて見ててうっとり。こういうのが見たかったんだよなあ〜。

 これを見て思ったのだが、地球軌道の近くって意外に小惑星が多いのね。ちょっと怖くなった。

 あと、太陽系に近い恒星ってのも、意外にあるのね。

 先日朝日新聞の1面に「ベテルギウスに爆発の兆候」という記事が載ったが、超新星爆発が起こったら地球にも影響出るんじゃないかと心配になった。(距離は640光年。イスカンダルなんか目じゃない近さだ)

 アニメ「宇宙のステルビア」は、距離24.4光年にあるみずへび座ベータ星が超新星爆発して人類滅亡の危機・・・という話だったが、これに比べれば10倍以上遠い。しかし古生代オルドビス紀の大量絶滅は6千光年以内の超新星爆発が原因という説もある。そう考えると640光年はかなり近い部類に入る。ま、心配してもどうにもならんけど、とりあえず宇宙はヤバイ(^_^;

[2010/02/07]


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