子連れ北海道、レンタカーの旅

2000年7月、北海道


 北海道は蒸し暑かった。すんごく! 連日梅雨のような天候。気温自体は30℃未満でも、湿度が高いので汗がジワ〜ッと出てくるという感じ。カラリと涼しい北海道の青い空を期待して行ったのに・・・(T_T)


【1日目】花巻空港→千歳空港
 爺ちゃんを盛岡の兄貴の家に預け、花巻空港から千歳へ飛んだ。宿泊は札幌駅近くの某中堅ホテル。

 子連れ旅行は洗濯物が多い。バスルームに洗濯物を干したのだが、換気扇が動作していないらしく、全く乾かない。しかもヘアドライヤーはコードの中の電線が切れかかっていて火花を吹く始末。先が思いやられる。


【2日目】札幌・丘珠空港→稚内空港→宗谷岬
 丘珠空港から稚内へ飛ぶ。飛行機はプロペラ機。天候が悪くかなり揺れたため、ニョーボも私も飛行機酔い。子供たちは大半の時間寝ていたので問題無し。もうすぐ着陸という所で詠二郎が目を覚まし、泣き出した。でもこっちはもう喉の所までゲロが来ているのだ。いくら泣かれてもどうにもできない。泣きたいのはこっちの方だ。結局ゲロ。

 稚内空港は小雨が降っていた。原野の中のこぢんまりとした空港である。ここでレンタカーを借りる事になっている。空港の近くの、他には何もない原野の中に主要レンタカー各社の小さな営業所が肩を寄せ合うように建っている。見るからに寂しい。

 JTBで予約した時には確かにチャイルドシートの手配を頼んでおいたのに、こっちには届いていないと言う。ちょっと焦ったが、隣の他社営業所から都合してもらって事なきを得た。

 さっそくクルマで稚内市内へ向かう。稚内には3度来た事があるのだが、昔とあまり印象が変わらない。10数年前に自転車で北海道を走った時に入った銭湯もまだそこにあった。ただし、風力発電の巨大な風車は以前には無かったと思うし、行き先を示す標識がロシア語併記なのにも驚いた。

 特に目的も無く漫然とノシャップ岬に着く。もう昼過ぎなのでここで昼飯を食べようという事になった。稚内に来たらウニ丼を食べない訳にはいかないっつー事で、迷わずウニ丼を食べた。2千円也。ニョーボはウニとイクラとカニが入っている巴丼2千5百円を選択。

 次は最北端の宗谷岬へ行こうという事に。学生時代にも行った事があったのだが、ちょっと雰囲気が違っていた。以前は丘の上に「最北球場」という野球場があったのだが無くなっていたし、お土産屋や民宿も以前より多くなっているような気がする。

 雨が降りだし、行く所も無いので宗谷岬から更に向こう側(オホーツク海側)にドライブする事にした。しかし本当に何も無い。宗谷地方独特の丘陵地形が延々と続くのみ。実に寂しい景色である。が、その寂しさがマニアにはたまらないのだ。(どういうマニアだ?)

 前を走っていた地元の軽トラックが、片側通行の場所で煙を吐いてエンストしてしまい、動けなくなってしまった。今時珍しい光景かも。我々だけは脇をすり抜けて通る事ができたが、他のクルマは大型の観光バスが栓になって通り抜けられず、かなり苦しんだ模様。

 鬼志別の「さるふつ公園・道の駅」まで行けば何かあるかと思ってそこまで行ったのだが、ここにも何も無かった。ここら辺は「何も無い」という事自体が魅力なのだ。これでいいのだ(と勝手に納得する)。

 途中、窓際に大量のキティちゃんを積み上げている家を発見。撮影しようと思ったら中にその家の住人が座っているのが見え、ちょっと慌てた。それにしてもあれはいったい何だったんだろう・・・。(「面白いモノゴト05」を参照)

 この日の宿泊は宗谷岬の「最北の宿」。この辺りはタコが名産らしく、タコのさしみ、タコしゃぶ、タコの卵などが出た。たしかに美味しかったが、蒸し暑い中でのしゃぶしゃぶはちょっとつらい物があった。冷房が無いので朝まで蒸し暑く寝苦しかった。寝汗。


【3日目】稚内→サロベツ原野→羽幌→留萌→旭川
 稚内から日本海側の海岸線を南下。例によって何も無い風景が延々と続く。まっすぐで広い道と交通量が少ない事もあって、自ずとスピードが出る。ごくゆっくり走っているつもりでも実は時速60キロ超だったりする。巡航で80キロ。追い越す時などは100キロ以上出る事も。

 前日もそうだったが、この日も風が強かった。うちの子供らは強風に弱い。
 「うちの子供は風に弱い!」
 「うちの子供は水に弱い!」
 まるで大リーグボール2号みたいな連中なのだ。(オタクにしか解らないギャグ)
 そういう訳なので、展望台などで遊ばせようとしても「さむいー!」と泣くわ暴れるわの大騒ぎ。(=「風が強い」という意味。たとえ気温が30℃であろうとも風が強ければ、こいつらは「さむい」なのだ)

 この辺りは基本的に風が強い地方らしく、羽幌でも丘の上に風力発電の巨大な風車が並んでいるのを発見した。雨でかすむ中にそびえるプロペラ群はかなりの迫力があった。

 10数年前に自転車で来た時にはまだ残っていた廃線(国鉄羽幌線)の跡はほとんど無くなっていた。当時休憩に使った駅舎跡はおろか、線路があったと判るような形跡もほとんど残っておらず、ちょっと寂しかった。

 鉄道と言えば、この夏は留萌本線でSLが走るというのを聞いていたが、日が暮れない内に旭川に着かなければならないため、SL見学はあきらめた。

 旭川で泊まった宿は、ちょっとさびれたような疲れたようなホテルであった。部屋は狭く、備え付けのテレビはとてつもなく汚く、「30分300円」などと法外な料金が書いてあった。しかし冷房がしっかり効いて、ぐっすり眠れたのは良かった。

 そろそろ子供たちは「おうちに帰りたい」とこぼすようになってきた。


【4日目】旭川→美瑛→富良野
 美しい丘陵地帯で有名な美瑛を通り、富良野方面に向かう。美瑛の見所は大きく分けて東側の「パノラマロード」と、西側の「パッチワークの道」があるが、漫然と走っているうちに十勝岳の「望岳台」という所まで来てしまった。ここで集中豪雨的大雨になってしまい、何もせずに美瑛に引き返した。

 脇道に入り、行き当たりばったりに走っていたら丘陵地帯に広がる美しい畑の中に出ていた。「おお、これぞまさしく美瑛の風景」。時々小雨が降る中、傘を差して写真を撮った。ハイヤーで見所を回っているらしい観光客も記念写真を撮っていた。「ああ、これで晴れていたらなあ・・・」と思いながら富良野方面に進んだ。

 次は中富良野町の「ファーム富田」。ところが悪天候にもかかわらず物凄い混雑。かなり人気がある観光地のようだ。近辺の道路は渋滞でクルマが動かない状態。運良くすんなり駐車場に入れたが、雨が降っているため屋根のある「メロン専門店」でメロンやアイスを食べるのが精一杯。奏一郎が「もう帰るーっ!」と騒ぎだし、手が付けられなくなった事もあって早々に退散した。

 次の目的地は富良野市の「ふらのジャム園」。機嫌の悪い奏一郎に、「次はジャム工場に行くよ。ジャムおじさんとかアンパンマンがいるかも知れないよ」などと、口から出まかせを言って機嫌を取った。

 ジャム園は富良野市街から山の中に入った麓郷(ろくごう)という地域にあり、ここはドラマ「北の国から」の舞台になったという事で、ちょっとした観光地になっている。ただし我々は一般的な経路とは違う道を通って行ったので、途中は非常にのどかであった。途中、晴れ間に道ばたでコンビニおにぎりを食べたのだが、のどかな景色のおかげで満足度は非常に高かった。

 ジャム園は森の中のどん詰まりという感じの場所にあった。30種類近い多様なジャムを製造販売しており、買い物のし甲斐がある。ジャムは試食ができるようになっており、作っている現場も窓越しに見学できるようになっている。ニョーボはここぞとばかりにジャムを買っていた。確かにこれは買いたくなる。また期せずしてアンパンマン関係の展示もあり、子供たちの期待にも応えてくれた。小規模ながら楽しい観光地であった。

 次は「富良野チーズ工房」。富良野市街に近く、美術館のようなきれいな施設。敷地は公園のような造りになっていて、中はチーズ関係の展示と、工場の見学やバター作りを体験できるようになっている。百円で牛の乳搾りを体験するというコーナーがあり、乳牛の実物大人形で乳搾りのマネができるのが子供たちに大受けした。なぜ子供に受けたかと言うと、ゲーム「ゼルダの伝説・時のオカリナ」の中で、牛から牛乳をもらうというイベントがあり、それを連想させたからなのだ。アイテムをゲットした時の音楽「ちゃらららーん」を連発。ただし搾って出てくるのは牛乳ではなくてただの水であった。


 この日の最後は「ふらのワイン工場」。ここも人気があるらしく、広い駐車場が整備されていた。が、実際に試飲コーナーでワインを飲んだニョーボは「あまり美味しくない」とボヤいていた。駐車場脇に広いラベンダー畑があり、そこで記念写真を撮る人が多かった。

 なお、富良野は「へそ踊り」で有名なので、町中いたる所にへそ踊りの絵がある。でも、他に描くべき物がたくさんあるだろうに・・・と思ってしまうのは俺だけだろうか?(^^;


【5日目】富良野→美瑛→滝川→岩見沢→千歳
 毎日毎日「曇り時々雨」である。天気予報を見ても全く回復は見込めない様子。でも万が一を期待して、あえて美瑛の「パッチワークの道」を通って帰る事に。最初は雨が降っていたが、美瑛に入ったら急に日が差してきた。これはいいぞと思って道を急いだ。

 丘の向こうに丘が見える丘陵地帯がきれいな畑になっていて、パッチワークのように見える事から「パッチワークの道」と呼ばれている。この地域には「マイルドセブンの丘」「ケンとメリーの木」「セブンスターの木」など、CMに使われた景色がいくつもあって、観光名所になっている。道も昔は単なる農道だったのだろうが、今ではすっかり舗装され、大型観光バスで観光客が来る場所になっている。基本的に風景以外は何も無いが、天気が良ければ非常に気持ちがいい場所である。(写真は通称「親子の木」)

 その後はひたすら千歳に向けてひた走った。ここでも奏一郎がヒステリー。中途半端な睡眠、雨のため外で体を動かせない、クルマに乗りっぱなし等が原因でストレスが溜まっているようだ。自分が子供の頃を思い出してみると、何となく気持ちがわかる。だが今さらどうにもならない。もう少しの辛抱だ。「明日、おうちに帰るんだからね」と言ったら、おとなしくなった。やはり家に帰りたいのだろう。

 千歳でレンタカーを返却し、某有名大型ホテルに入った。さすがに高級。風呂が大きめで、ベッドも固めで快適であった。


【6日目】千歳空港→花巻空港
 朝は曇りだったが、空港に着いたら雷雨になっていた。おかげで離陸許可がおりず待たされた。が、結果的には15分程度の遅れだけで済んだ。無事家に帰り着いた子供たちは、疲れからしばらくは機嫌が悪かった。
 


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