戦う交通安全!
激走戦隊カーレンジャー


 子供向けの長寿シリーズ第20弾だが、子供番組だとあなどってはいけない。子供には理解できないギャグ満載のハチャメチャな内容が話題になり、一部のマニアに大ウケした問題作(?)である。(1996年放送)

 まず各話タイトルからして変!
 「宇宙から来た信号野郎」「怒りの重量オーバー」「私たち・・・一方通行」「悪まで仮免恋愛中!」「恋の当て逃げ娘」「バックオーライ!?芋ようかん人生」「暴走皇帝戦慄の燃料チェック」などなど、自動車に関係ある用語を組み合わせた、変にイッちゃってるタイトルが続く。そして本編の内容もその通りの凄い内容なのだ。

 カーレンジャーは日本の小さな自動車工場に勤める若者5人が「クルマジックパワー」(何だそりゃ?)によって、なりたくもないヒーロー(ヒロイン含む)にさせられたものだ。「給料税込みで19万3千円の俺が、なんで地球の平和まで守らなきゃいけないワケ?」などと嘆く主人公。今までこんなセリフを吐くヒーローがいただろうか?

 敵は宇宙の暴走族「ボーゾック」。敵ではあるが実はけっこう憎めない連中だ。ボーゾックのナンバー1(総長ガイナモ)とナンバー2(副長ゼルモダ)は、「昔はたった2人で始めた暴走族だったが、2人で頑張って苦労してここまで大きくしたんだ〜」などと、けっこう仲間想いだし、腹が減った時はわざわざ日本にホカ弁を買いに来て、ちゃんとお金払っていたし、焼肉屋でバイトして生計を立ててたりもしていた。けっこう地道である。正月には書き初めで「違法改造」とか書いてもいた。

 途中から宇宙刑事みたいなのが登場。宇宙警察(?)の交通課から地球に単身赴任してきたシグナルマンだ。見た目はメタルヒーロー系(ギャバンやシャリバンの流れね)で、けっこうまともなのだが、宇宙移動交番「KOBAN BASE(コバーン・ベース)」でやって来てトンチンカンな交通指導をしたり、超巨大パトカー(脇を走っている普通のパトカーと比較すると、どうやらタイヤの直径が5m、車高は10mくらいはありそうだ)で一般道を走って来たりする。このパトカーは当然、戦闘ロボ「サイレンダー」に変形するのだが、それくらいしてくれないと納得できない巨大さだ。

 ボーゾックにはゾンネットちゃんというアーパーっぽい女がレギュラーでいるのだが、これがカーレンジャーのレッドに一目惚れ。「よく見れるとレッドレーサーって・・・、いい男(ポッ)」という感じで、胸キュンしてしまう。すると胸から「きゅん」と書かれたハート型のクッションみたいな物が出てきて、それをレッドにプレゼントしようとするのだ。

 ゾンネットがレッドレーサーを追いかけている横で、ボーゾック怪人は「俺はピンクレーサーが好きだあぁあぁあぁーーっ」と、ピンクを追い回す。何とも世も末な、凄い展開である。

 敵であるゾンネットに告白されて戸惑うレッドレーサー(まじめに悩むヤツ!)。でも最後には「友達から始めよう!!」と割り切り、爽やかに走って行くレッドのスローモーション(爆笑)。

 ところで、このゾンネットちゃんの衣装は胸元きわどい服で、飛び跳ねると何つーかその、もろ肌の胸が、こう・・・ポヨヨンと揺れるんだわね(涙汗)。天然っぽいヘタな演技がまたいい味を出してた。

 戦隊シリーズのお約束として、秋には一度敗れて新しい巨大ロボが現れる、というのがある。

 これまでカーレンジャーは「RVロボ」という巨大ロボで戦ってきたのだが、遂に怪獣型ロボット「ブレーキング」に敗れてしまった。

 失意のカーレンジャー。そこに「宇宙の一匹狼」名乗る渋い黒い戦士(声:小林清志)が現れて「VRVロボ」(工夫の無いネーミング!)というのを使わせてくれる。

 VRVロボは、消防車、トラック、救急車、クレーン車などが合体してロボットになるのだが、あの渋い戦士のイメージとのギャップが大きくてクラクラする。で、その回のタイトルが「鮮烈デビュー、働くクルマ!」。もう爆笑!! ニョーボと2人で腹を抱えて笑ってしまった。

 ボーゾックは、新生ボーゾックとして再出発するため、組織の名前を変える事にした。その名も「ヘルス・ボーゾック」! 健康で明るい悪者になってバカ騒ぎをするという、原点に帰る意味があると言うが、なんとも凄いネーミングだ。この場面を見たニョーボは、突伏して、かなり長い時間笑い続けた。

 いつも胸元がきわどいゾンネットちゃん。実はゾンネットは偽名で、本名はバニティ・ミラーである事が判明。で、以前カーレンジャーに憧れて「6番目の妹・ホワイトレーサー」を勝手に名乗っていた家出娘ラジェッタちゃんは、実はゾンネットの妹である事が発覚。で、土星のおでん屋台で(なぜか土星に純日本的なおでんの屋台がある)ゾンネットとラジェッタが久々に再会し、実家を継ぐとか継がないとかいう、やたら生々しい家庭の事情の話になる。どうも実家は「星の王様」らしい。よくわからない。

 ラジェッタとしては、ゾンネットとレッドレーサーが結婚して実家を継げば憧れのレッドレーサー様が義兄になるので、なんとか二人をくっつけようとするのだが、二人もお互いに意識しているのだが、二人とも意地っぱりなので喧嘩になっちゃうのだった。(なんだかなぁ・・・)

 ちなみに「ヘスル・ボーゾック」は、「やっぱり健康で馬鹿なだけではダメだ!」という事で、「デビル・ボーゾック」という普通っぽい名前になり、その後、結局元の「ボーゾック」に戻った。

 やっぱり出ました真の悪者が! その名も暴走皇帝エグゾス!
 ヤツの目的は、どんなに暴走しても逮捕されない高速道路を宇宙中に造る事だ! その建設予定コース上に地球があるので、地球を爆破しようとしているのだった!!(凄い目的だ)

 エグゾスは毎月、全宇宙の悪者の為の雑誌「宇宙ランド」を発行している。(子供向け雑誌「テレビランド」のパロディ。しかもサイズがビルより大きい!) その12月号の付録は、組立式の巨大ロボット「ノリシロン12」だ!!

 超巨大なペーパークラフトをボーゾックが宇宙空間で、「よいしょ、よいしょ」って糊代(のりしろ)にヤマト糊を付けて組み立てる場面が強烈(あぜん・・・)。

 そんなお手軽メカなのに凄く強くて、VRVロボも絶体絶命の大ピンチ! でも組み立てる時に割ピン1個付けるのを忘れてたのであえなく自滅。こんな凄いメカが付録で付いてくる雑誌が全宇宙に毎月一回発行されてると思うと、恐怖とも笑いともつかぬ感情が沸き起こるのだった。

 いよいよ大詰め。
 最後の切り札「ノリシロン・ファイナル」(ノリシロンの胸に「最終」と書いてあるだけ)で闘いを挑むボーゾック。しかしあっけなく負ける。

 いつまで経っても勝てないボーゾック。ゾンネットちゃんと結婚すれば総長ガイナモも張り切るだろうという事で、結婚を迫られるゾンネットちゃん。地球に逃げたゾンネットちゃんはレッドレーサーに助けられ、改心してボーゾックから足を洗い故郷のファンベルト星に帰るのだった。(実はファンベルト星のお姫様だったのだ)

 ところで、主人公たちがカーレンジャーに変身できるのは、「伝説の5つのクルマの星座」のパワーがあるからなんだそうだが、500万年に1度、水瓶座だか何だかの酒樽から酒が流れ出し、伝説のクルマの星座が酔っぱらって寝てしまうので、その時はカーレンジャーに変身できなくなるというのだ!(なぜ星座が酔っぱらうのかは質問しない事!) で、その500万年に1度が、いきなりの話で恐縮ですが、今日なのだった!!!

 変身できなくなった主人公達は大苦戦!基地も爆破され絶体絶命!! 帝王エグゾスは、カーレンジャーがいなくなったのでボーゾックにはもう用は無いという事で、ボーゾック基地をゴミ捨て場にして火を付け、そのまま地球に落下させた。ゴミ扱いされて怒るボーゾックの連中! そこに現れたゾンネットちゃんの仲立ちもあって、ボーゾックはいきなり主人公達と和解。「今日から俺達は友達だ!」

 帝王エグゾスはやっぱり物凄く強く、腹に風穴が空いてもニュルル〜っと再生してしまう。VRロボもVRVロボもスクラップにされてまたまた絶体絶命!

 そこにボーゾックの総長ガイナモが、腐った芋ヨウカンをエグゾスの口に投げ入れて、エグゾスは苦しみ悶えて人間大の大きさまで縮小(以前に、ボーゾックは芋ヨウカンを食べると巨大化し、腐った芋ヨウカンを食べると小さくなってしまう、という伏線があった)。最後はカーレンジャーがトドメを刺して大爆発。

 で、カーレンジャーとボーゾックが一緒に記念パーティーをして、めでたしめでたし。ちなみに総長ガイナモは焼肉屋を開業。その他のボーゾックも堅気の職業に就いたのだった。めでたし、めでたし。いや〜、最後まで笑わせてもらいました(^^;

 最後のあたりは変身せずに闘う主人公達がけっこうかっこいい。「変身できなくたって俺達は・・・、心はカーレンジャーだ!!」と言って、勢いだけで闘う場面がけっこう感動的。


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