ファイヤーマン、ハーモニカを吹く

凡作の中に光る数少ない名作回


 CSでファイヤーマンをやっていたので久しぶりに見た。

 デザイン的に恐竜型の怪獣ばかりで新鮮味に欠けるというのもあったけど、なにより着ぐるみの造形が安っぽすぎるんだよなぁ。これは見れば一目で分かります。ニョーボにすら「何これ、安っぽいよ」と言われてしまっていた。「円谷プロ10周年記念作品」だったはずなのになぁ・・・。当時並行して製作されていたジャンボーグAの怪獣も同じ様に安っぽいッス。

 ファイヤーマンは凡作が多く、お勧めできるような面白い回は数える程しか無い。その数少ない名作回のひとつが「夜に泣くハーモニカ」。ファイヤーマンでの防衛組織SAFは、主題歌に「地球を襲う神秘の影に誰かが向かって行かねばならぬ」とあるように、超常的な敵とか現象にあくまでも科学で立ち向かうという話が基本なんだけど、この回はその科学が全く通じないという話なのだ。

 ゴミとして捨てられたハーモニカが夜になると巨大化して暴れるという話なのだが、SAFはあくまでも科学的に対策を考える。「朝になると消えるというのは、太陽光線に弱いに違いない」。しかし光線を当てても弱る様子は無い。ファイヤーマンの必殺技も全く効果が無く大苦戦。

 しかしその時、ハーモニカの持ち主だった少年の、「あのハーモニカもお兄ちゃんに吹いてもらえれば喜ぶと思うよ」という言葉を思い出し、その巨大なハーモニカを持ち上げて吹く。すると見る見るハーモニカは小さくなり、元のハーモニカに戻る。こうして事件は解決したのだが、ハーモニカの怨念なんて信じないSAFの科学担当(岸田森)は「ハーモニカの怨念だって? バカな・・・」と頭を抱えてしまうのだった。

 「科学が武器だ」がモットーであるSAFの科学が全く通用しない!というこのエピソード。ここが子供心にもヒットしたのを今でも良く覚えている。

 他には、「蘇る岩石怪獣」の回では湖の水が湖より高い場所にある村に押し寄せる事件が発生。なぜ水が重力に逆らって高い所に登るのか? SAFの調査の結果、造成工事に使っていた地盤強化剤という薬品が水に混入して「ポリウォーター」と呼ばれる物質に変化し、これが超流動現象(壁面に沿って水が上に登る現象)を起すという事が判明する。「ポリウォーター」も「超流動現象」も、名称としては実在する物なので、脚本家はけっこう勉強てたんじゃないかな?

 岸田森自身が脚本を書いた「地球はロボットの墓場」もそれなりに味を出してたけど、残念ながら同じ岸田森脚本の「残酷!光怪獣プリズ魔」(帰ってきたウルトラマン)ほどのインパクトは無かった。


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