変身ならぬ献身、ダイヤモンド・アイ

外道照身! 汝の正体見たり!!


 子供の頃あんまり見てなかったため内容をほとんど覚えていなかったが、今見るとけっこうちゃんとしたドラマだ。同時代の仮面ライダーなどと比べると、もう歴然として社会派だ。

 ダイヤモンド・アイは主人公が変身するのではなくて、主人公がダイヤの指輪から呼び出すダイヤの精である。アラビアンナイトに出てくるランプの精みたいなものなのだ(実際、アラビア出身らしい)。主人公が呼ぶと出てきて助けてくれるのだが、召使いという感じではなくて、むしろ対等の仲間という感じ。けっこう偉そうに話す。

 主人公は雷甲太郎(らい・こうたろう)という熱血ルポライター。社会の悪を告発する為に体当たりで活動を続けている。闘う相手は、例えば公害を垂れ流す工場。新聞社が取材に来ても脅したり金を握らせたりする悪徳企業。

 しかしその裏にもっと大きな悪が控えている事が徐々に判明する。それが前世魔人。詳しい設定は知らないが、まあ、いわゆる妖怪・魑魅魍魎のたぐいだ。こいつが悪徳企業や悪徳政治家から金を奪っていたのだ。奪うと言っても強奪する訳ではなくて、相手の弱みを握った上で、もっともらしい架空団体を通して入金させるという、非常に現実的で巧妙な手口なのだ。だから取材している甲太郎もなかなか尻尾をつかめない。このやり方を何話もかけて描写している所に作者のこだわりを感じる。

 前世魔人は、普段は人間の姿で人間として生活しているのだが、ダイヤモンド・アイの「外道照身霊波光線」を浴びると正体を現す。黒幕はたいてい前世魔人なのだ。
 「汝の正体見たり! 前世魔人○○○!」
 「ばれたかぁ〜っ!!」
という決めゼリフは有名。先の現実的で巧妙な悪事から突然、妖怪話的な展開に切り替わるのだ。この落差がけっこう快感。前世魔人の種類はそんなに多くなく、同じ種類が繰り返し登場する。種類というよりは、種族という事らしい。(ちなみに、ウルトラマンの主人公ハヤタ役だった黒部進が前世魔人として出てくる回もあった)

 この中で前作「レインボーマン」で魔女イグアナを演じた塩沢トキが、ダイヤモンド・アイでも悪の幹部役で登場している。女王様みたいな仮面を付けてムチをふるうのだ! 甲太郎はアイを呼ぶ指輪をガムテープでしばられてしまってアイを呼べない。そこにサディスティックにムチをふるう塩沢トキ! 「ほら、ダイヤモンドアイを呼んでみろ!!(ピシッ!)」 この人、こういう役が本当によく似合うなあ(^^; 甲太郎絶体絶命!次回に続く!! ・・・どうやって切り抜けたかは忘れてしまったが、この悪側の畳み掛けるような攻勢は前作「レインボーマン」の展開に通じる物があるなあ(作者が同じだから当然か)。

 作者は「月光仮面」の川内康範氏。この人の書くドラマは子供も楽しめて、しかし単なる子供向けには終わらず、社会の悪を憎む心がキラリと光る。ちなみに甲太郎の仲間に「カボ子」という女性がレギュラーで登場するのだが、「月光仮面」でも主人公の仲間として「カボ子」というキャラクターが登場していた。「カボ子」という変な名前に何かこだわりがあるのだろうか?


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