仮面ライダー・アギト

大人の為に作られた仮面ライダー


 君は「仮面ライダー・アギト」を見たか?! 前作「クウガ」の後番組で、舞台はクウガの2年後という設定。

 いや〜、クウガも子供無視のドラマ展開で突っ走って、こんなので番組が続くのかなあ・・・と心配していたが、最後まであの調子で続いてしまって驚いたが、今度のアギトはさらにその路線が洗練されたような気がするぞ。
 そう、クウガはそれまでの仮面ライダーシリーズとは決定的に異なる点がいくつもあった。
 (1)ショッカーやデストロンのような「悪の組織」が登場しない。「イーッ!」とか「ギーッ!」とか言う戦闘員も出てこない。
 (2)劇中、怪人(クウガでは「未確認生命体」と呼ばれる)の話す言葉は基本的に謎の言葉。字幕も出ないので何を話しているのか解らない。また彼らの行動の目的もよく解らない。(子供雑誌にはある程度紹介されている)
 (3)劇中では怪人の名前すらもほとんど判らない。(子供雑誌には載っている)
 (4)昔のライダーは基本的に一話完結だったが、クウガは基本的に続き物。
 (5)警察が事件の対策に当たり、物語の中心にある。クウガの乗るバイクは警察の支給品。
 (6)ライダーは改造人間でない。さらに、クウガがどうしてクウガなのかも謎。
 (7)ライダーも警察から見ると怪人の一種(未確認生命体第4号)として扱われ、最後までそういう名前で呼ばれる。
 (8)昔のライダーとは比べられないくらいシリアスで本格的なドラマ展開。
 (9)ライダーが「とうっ!」と叫けばない。かろうじて、キックが必殺技という点では共通している。
 ・・・などなど根本的に違う設定で、当初、これでは「仮面ライダー」という名前を付ける必然性が無いのでは?というくらいの違和感を覚えた。

 これはウルトラマン・ティガからガイアまでの平成ウルトラマンシリーズや、平成ガメラシリーズなどに見られる傾向、つまり、特撮ヒーロー物を見て育った人たちが番組を作る側になり、昔のイメージをそれぞれに増幅発展させて描いている。これまではそのような通好みの作品は一部マニアには受けても、一般には受け入れられず、短命に終わるのが普通だった。が今では、子供の頃にそういう物を見て育った世代が子の親になっているので、親の方をターゲットにできるようになってきたという事のようだ。


 で、アギトの話だが、
 未確認生命体の対策として、クウガを研究して警察が作ったパワードスーツ「G3」というが出てくるのが燃えるね。ゴジラ対策のためにメカゴジラを作った「ゴジラVSメカゴジラ」みたい。武器はアタッチメント式で、超音波ブレードとか、グレネードランチャーとか。これらの武器を使うシーンはなかなかかっこいいぞ。

 しかしG3は弱い! クウガの敵だった未確認生命体だったら一撃で倒せる!とか言っていたのに、新たに登場した正体不明の敵には全く歯が立たない。やられっぱなしだ。
 そこに突如として現れた仮面ライダー・アギト。これがメチャメチャ強い。G3に対しては圧倒的に強かった謎の敵を、まるで赤子の手をひねるが如く、いとも簡単に倒してしまう。ここのカタルシスが実に爽快。
G3「お、お前は一体・・・何者なんだ・・・」という感じを残しつつ「次週に続く!」。も、燃える展開だゼ!!

 クウガの敵、グロンギ族はデザイン的に渋すぎて、特にあのフンドシとか茶色系メインの色使いとか、ちょっと敵としての魅力がイマイチだったと思う。しかし今度の敵は、まるでV3の時の怪人デザインみたいに造形と色使いがきれいで、かっこいい。マフラーなんかしてて知的だ。そして、それぞれの頭の上に光の輪(天使の輪を思わせる)があるのが非常に怪しい。その光の輪から武器を取り出すというシチュエーションもなかなか凄いぞ。背中に羽根みたいな物(天使の羽根?)がついているのも特徴のようだ。

(第2話まで見た時点での予想)
 オープニングにちらりと見える絵(天国と地上を描いた絵?)と絡めて考えると、これはどうも、あの謎の敵は実は神(創造主)、または天使のような存在なのでは?などと推理している。つまりサイボーグ009の「天使編」や「神々との戦い編」の路線を仮面ライダーとしてやろうというのではないか?
 アギトのつづりが「AGITΩ」になっているのも怪しい。「A」で始まり「Ω」で終わる。それは神を象徴するのだ。旧約聖書に出てくる唯一神は自分の事を「AでありΩであるもの」などと呼ぶ。

 アギトの外見はクウガに似ているけども実は逆で、アギトやあの謎の敵たちはクウガよりもずっと昔から存在していて、古代の人間がアギトのようになりたいと願ってできたのがクウガなのではないか?

 ・・・まあそれは今後の展開を見ていれば自然に明らかになってくるでしょう。今の言える事は、クウガの時は趣味的に合わなかったのであまり見ていなかったけど、アギトは毎週見たくなる!!という事だな(^^;

 それにしても、この路線はあまりにも子供受けする要素が無さ過ぎて、「これを子供が見て楽しめるのか?」と心配になる。オープニング曲もいわゆるヒーロー物のテーマ曲とは違うので、ヒーローショーでは盛り上がらないような気がする。

(サイボーグ009「神々との戦い編」とは)
 1970年頃のマンガ雑誌「COM」に連載されていたマンガで、009たちが創造主らしき者たちと戦うという内容。「神々」は人間の心に働きかけるため、心を強くしなければ勝てないと言われ、心を強くする修行(?)をするシーンから後、抽象的な描写がメインになる。COM自体が前衛的なマンガを載せる雑誌ではあったが、それでも「ワケがわからん」という感想が多く寄せられたらしく、結局途中でぶっつりと中断してしまった。「天使編」も連載途中でぶっつり中断したけれど、天使編の続きを描こうとして初められたのが「神々との戦い編」なのだと理解している。(違うかも)

 で、この「神々との戦い編」は単行本に収録されなかったので、長い間幻の作品になっていた。が、私は兄がCOMを買っていたので「神々との戦い編」も読んで知っていた。当時のCOMは「火の鳥」の「宇宙編」「復活編」「羽衣編」なんかが連載されていて、小学生高学年くらいだった私には「見てはいけない物を見てしまった」的な衝撃を与えた。


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