キャプテンスカーレット

不死身であるがゆえに粗末に扱われる主人公


 先日「スーパーチャンネル」でキャプテンスカーレットの映画版をやっていたので観てしまった。映画版と言っても内容はテレビ版の再編集なんだけど。

 キャプテンスカーレットとは、「サンダーバード」とか「謎の円盤UFO」と同じ英国ITCが製作した人形特撮SFドラマシリーズで、サンダーバードよりも格段にリアルな人形を使って作られている。遠目には人間が演じているようにも見えるくらいだ。内容としては、防衛組織「スペクトラム」が謎の敵「ミステロン」から地球を防衛するという物。かっこいいメカの活躍が特筆物で、子供の頃これに登場する追跡戦闘車のプラモデルが欲しくてねえ。あれは今見てもかっこいいよなあ・・・(遠い目)。

 で、あらためて観るとキャプテンスカーレットって救いの無い話だなあ。敵であるミステロンは、本気になれば地球なんかすぐに壊滅させる力を持ちながら、敢えて暗殺とか破壊工作とか地味な作戦でじわりじわりと攻めてくるという感じ。防衛組織スペクトラムは水際で防いでいるだけで、それ以上の事は何もできないしミステロンについては何ひとつ知らない。客観的に見てスペクトラムに勝ち目無し! かなり絶望的な戦いだ。またミステロンたちが直接行動するのではなくて、ロボット化した人間を手先にして暗殺とか破壊活動をさせているのも陰険だ(結局ミステロン自身は一度も画面に登場せず)。私はミステロンに「SFテレビドラマ史上最も嫌な敵」の称号を与えたい。

 そもそもの発端はスペクトラムの探検隊が間違ってミステロンの基地を攻撃してしまった事がきっかけで、ミステロンは「平和的な我々を攻撃した責任を取ってもらうぞぉ〜」などと言って地球を攻撃してくるのだが、でもミステロンは破壊された基地をその場であっという間に復元してしまうんだよなあ。そんなすぐに修復できる物を壊したからって怒るなんて大人げないとは思わないか? しかも「地球の生物を絶滅させてやるぞぉ〜」とまで言っている。責めるなら攻撃を許可したブラック大尉だけを責めてくれよ。他の人間や動物を巻き込むのは宇宙の高等知性としてはいかがなものか(^^;

 また、「今回はこれで勘弁してやるぅ〜。平和の準備をしておけぇ〜」などと言う場合もあるのに、ホワイト大佐が「友好関係を結びたい!」とか呼びかけても、結局攻撃してくるのはなぜ? 最初はいずれ許してやるつもりだったのが、やってるうちに面白くなっちゃって、目的と手段が入れ替わっちゃったのか? っつーわけで「最も性格が陰険な敵」の称号も与えたい。

 スカーレット大尉(キャプテンスカーレット)は、一度はミステロンの手先にされたけど何がどうしてか不死身の体で蘇ったという主人公だ。一般の主人公だったら「死にそうな目に遭ってもなかなか死なない」というのが普通だが、キャプテンスカーレットの場合は本当に死んでしまう。それも毎回のように。そして24時間で蘇る。そんな訳だからスペクトラム内では「どうせ生き返るんだから危ない仕事は全部あいつにやらせろ」みたいな所がある。いいのか?それで。

 この映画のエンディングロールでは、バックにキャプテンスカーレットのコミック調の絵が出るのだが、どれもこれもがスカーレット絶体絶命!という絵ばっかりなのがおかしかった。
 超高層ビルから真っ逆さま!とか、上から箱がいっぱい落ちてきて危ない!とか、瓦礫の下敷きになって抜け出せない!とか、両側からトゲ付きの壁が迫ってきてこのままでは挟まれて死ぬ!とか、縄で縛られて動けない所に毒蛇が!とか、重りを付けられて水に沈められてしかもワニが口を開けて迫っている!とか・・・。
 ずいぶん粗末に扱われている主人公だよなぁ(^^;


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