ゴジラ×メカゴジラ

古いゴジラ映画の殻を破ったと言えましょう


 ずっと「最近のゴジラ映画はひどすぎる」と叫び続けてきた私ですが、前々作の「ゴジラ×メガギラス」から評価が変わりました。昨年は平成ガメラ3部作の金子監督の「大怪獣総攻撃」で、これも悪くはなかったのだけれど、正直言ってちょっと期待ハズレな点もあった事はあったのでした。そして今年。「ゴジラ×メガギラス」の手塚監督が再びゴジラを撮る、という事で、「あれ?金子監督じゃないの?」「でも手塚監督にも期待したい」などと思っていたのでした。

 で、観てました。ズバリ申し上げましょう。かなり面白かったです。平成ゴジラシリーズ(VSシリーズ)があまりにも悪すぎたという事もあるけれど、安心して楽しめる映画です。名作とか傑作とは言えないけれど、十分楽しめる内容だと言えましょう。

 まず、主人公側、人間側のドラマが中心になっている点が良いね。・・・って、今までのゴジラ映画だって人間が主人公だったじゃん! そう。これまでだって人間が主人公だった訳だけど、何だか印象に残らなかったんだよねえ。人間の活躍がさあ・・・。あくまでもゴジラが暴れ回るシーンがメインディッシュで、他のドラマは添え物という感じがあった。が、今度は人間がメインで、ゴジラが脇役という感じなっている。

 主人公はゴジラから日本を守る対特殊生物自衛隊の隊員。日本が持つ技術の粋を集めて対ゴジラ用に建造された「3式機龍」(メカゴジラ)のパイロットが主人公で、その周囲の人たちとの絡みによってよってドラマが進む。

 1993年の「ゴジラVSメカゴジラ」におけるメカゴジラも対ゴジラ兵器だったが、あれはあんまり主役っぽくなかった。善玉という訳でも悪玉という訳でもなく、もちろんゴジラが善玉という訳でもない。つまりどっちを応援していいんだか困るような所があった。そういう所がVSシリーズの悪い所だったと思う。その点今作は構図が明快。主人公達の「日本は俺たちが必ず守る!!」、「前回は負けたが次こそ必ずゴジラを倒す!!」という命懸けの戦いだ。いや、これはゴジラとの戦争と言ってもいいだろう。ゴジラが勝つか人間が勝つかという戦争だ。

 破壊力としては本家ゴジラに勝るとも劣らない威力を持つ「機龍」だが、さすがに本家は憎たらしいほどにしぶとい。主人公のヒーロー性(女性だからヒロイン性か?)の要素が加わって、対決シーンはかなり盛り上がる。単に破壊シーンを繋ぎ合わせただけみたいなVSシリーズの展開とは大違い。

 特撮についても、昔の「サンダ対ガイラ」なんかに登場してオタク心に深く刻み込まれたメーサー殺獣光線砲車の描写がかなり巧く表現されていて、光線が走ると森の樹木がバシバシバシッと切り倒される「お約束」のシーンなど思わずにんまり。(VSシリーズにも似たような兵器が登場したけど、特撮表現が全然ダメだった)

 ところでこの「機龍」、実は初代ゴジラの骨から採取した細胞を培養した神経を使っている。そこが「機龍」の強さの秘密なんだけど、これってつまりエヴァンゲリオンじゃん!? 凶悪な敵と戦うために、その凶悪な力を利用するという構図。そして予想通り、ゴジラの咆哮に神経を刺激された機龍は暴走を開始(^^; 本家ゴジラの代わりに街を破壊しまくってくれちゃうんだよなあ。オタクなら誰でも「エヴァ初号機か!お前は!」と思う事間違いなし。

 ゴジラとの対決がどう決着したかは敢えて書かないけれど、ちょっと収まりの悪い終わり方で残念だ。でもこれは「機龍シリーズ」として3部作くらい作るつもりなんじゃないか?とも思わせる終わり方でもある。ああ、それは面白そうだ!!作って欲しい!! あ、でも昨年の「大怪獣総攻撃」も続きそうな結末だったけど続かなかったから、どうなるか判らないか。

 もうひとつ残念な点を言わせてもらうと、ゴジラがタフで強いのはよく判るのだが、ミサイルとか光線とかバシバシ受けても外見的には何にもダメージが見えないのがちょっと引っ掛かった。ガメラシリーズは昔から怪獣が血を流したり痛がったりする描写が多かったが、ゴジラに代表される東宝系怪獣はそういう描写があまり登場しない。昔、円谷特技監督がそういう方針だったからだ。

 それにしても今回のゴジラではあんまり痛そうでない。いつも着ぐるみが綺麗な状態で、見た感じダメージを受けているのかどうなのか判らないのだ。もうちょっと外見で判るようなダメージ表現があった方が、「これまでいかなる攻撃も受け付けなかったゴジラに、遂にダメージを与えたぞ!!」とか、「やれる・・・これならやれるぞ!!」などといった演出ができて良かったと思うのだが。(でも、痛めつけすぎるとゴジラが可哀想に見えてしまうから難しいか・・・)

[2002/12/16]


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