ゴジラ
ファイナルウォーズ

これが最後。・・・っつても10年くらいしたらまた作りそうだけどね。


 50周年記念&最終作「ゴジラ・ファイナルウォーズ」を観てきた。一言で言えば「何でもアリのてんこ盛り怪獣アクション巨編」。昨年、一昨年の「メカゴジラ」2部作が正統派怪獣映画の血統だとすれば、本作は今までのシリーズには全く無かった特異な作風の映画。

 初っぱな、いきなり海底軍艦「轟天」がマンダと戦闘してる。あれあれぇ?と思っていると、アンギラスを初めとする歴代の怪獣たちが総出演。ラドン、モスラ等のメジャー怪獣は言うに及ばず、カマキラスやクモンガみたいなマイナーなヤツ、そしてハリウッド版ゴジラまで登場したのにはビックリ。もちろん宝田明や水野久美などもしっかり出演。

 舞台は世界各地で同時進行でゴージャス感がある。でも等身大のミニラまでもが登場した時には「え?どうするつもりなの?」と思ったけどね(^^; で、どうすんのかなと思ってると今度はX星人が出現。そして妖星ゴラスまでもが。東宝特撮映画の総決算か?

 基本的なストーリーは「怪獣大戦争」(1965年)と同じ。要するにX星人が地球の怪獣を操って地球を征服しようとする話だ。それをハリウッドばりのアクション大作に換骨奪胎。

 ゴジラなどの怪獣の動きが軽快で、良い意味で「怪獣プロレス」が面白い。人間のアクションも「マトリックス」的な”ありえねぇ〜”アクションがガンガン入ってて、良くも悪くも今風の映画。娯楽大作として見応え十分。アメリカ人には受けそうだ。日本にもこういう映画を撮れる人がいたんだねえ・・・と関心。

 またX星人のリーダー役、北村一輝の独特のキャラクター「いぃーひっひっひっ」的なブチ切れ具合がまた良かった。悪役のキャラが立ってないと主役が引き立たないもんね。

 最後、ゴジラが海に帰っていくシーンあたりでは、もうやれる事は全部やった・・・という感じが出てて、思わず「ああ、ゴジラよ永遠に・・・」いう言葉が脳裏に浮かんじゃったよ。つまり、なかなか良かったって事。

 とは言うものの、クセの強い内容なだけに好き嫌いがハッキリ分かれそう。確かに突っ込みどころは多いし、唐突で脈絡が破綻してる所も目につく(いきなりミニラが巨大化する所とか・・・)。でも、面白いか面白くないかで言うなら俺は面白い映画だと思ったね。地球防衛軍の空中戦艦のデザインや戦闘シーンもかっこ良かったし。

 これまでの怪獣映画とは全く異なる作風だが、ちゃんと怪獣映画の総決算的作品になってるのは監督の非凡な手腕か?


【異端作と言えば・・・】
 ゴジラシリーズの中で好きな作品を挙げるとすると、やはり初代「ゴジラ」が第1位に来るが、一般に異端作と言われている「ゴジラ対ヘドラ」も忘れがたい。

 何かの評論では「最もひどい映画」に選ばれた事もあるとかいう「ゴジラ対ヘドラ」だけど、何を言うか!どこを観ているのか!と言いたいね。初代「ゴジラ」が原水爆問題を真っ正面から描いた作品とするならば、「ゴジラ対ヘドラ」は公害問題を真っ正面から描いている傑作だ。

 今、小学校ではリサイクルとかエコロジーとかを大きく扱っているが、この映画が作られた70年代は光化学スモッグ、ヘドロ、排気ガスなどの公害問題が社会的に大きな問題になっていた。このまま公害が進むと人類絶滅じゃないのか?という意識が社会一般にあり、そこらへんが「ノストラダムスの大予言」の大ヒットの要因にもなっていたと思われる。

 そんな中で作られた「ゴジラ対ヘドラ」は他のゴジラ映画とはかなり異なる作風。一見子供向けっぽい雰囲気でありながら、実は「大人のためのブラック寓話」的な内容になっている。風刺アニメが挿入されたり、人間があっさり骨になっちゃったりするあたりがとてもシニカル。”水銀、コバルト、カドミウム〜”という有名な主題歌も、”地球の上に誰も、誰もいなけりゃ泣く事もできない”、”返せ、返せ、緑を青空を返せ〜”と、ストレートなメッセージまで聞けば笑ってなんかいられないはずだ。

[2004/12/10]


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