キャプテン・ウルトラ

古き良き宇宙時代


 昔懐かしい「キャプテン・ウルトラ」。今となっては、知っている人は知っているが、知らない人は全然知らないヒーローとなってしまった。

 「キャプテン・ウルトラ」は、「ウルトラマン」が終わり、「ウルトラセブン」が始まるまでの隙間を埋める形で放送された特撮ヒーロー番組だが、いわゆるウルトラシリーズではない。非円谷系で、かつ非変身系のヒーローだ。

 古典SF「キャプテン・フューチャー」をベースにしたような宇宙もので、キャプテンが、宿敵バンデル星人や、不気味なメタリノームなんかと戦う物語。

 実はわたくし、このキャプテンウルトラが大好きなのだ。非円谷系なので、特撮レベルとしてはちょっとアレなんだけど、他には無い独特な魅力を感じるのだ。

 え〜と、これは今の若い人にはちょっと解らない事かも知れないけれど、これが放送されていた当時は、宇宙に夢があったんですよ。いや、今でも宇宙に夢を感じる人が多いとは思うけれど、今感じる宇宙と、当時感じていた宇宙はかなり違うと思うのだ。

 当時は丁度アメリカとソ連(今のロシア)が宇宙開発競争をしていた頃で、特にアメリカがアポロ計画(月に人間を送る計画)を推し進めていた時期なのね。だから何つーかその、宇宙への道がどんどん切り開かれていく様がみんなの目の前で展開されていたワケです。(アポロが打ち上がるたびに各テレビ局で特別番組やってたくらいの大イベントだった)

 そう。あの当時の宇宙は本当の意味で前人未踏の地だったのだ。そこに今のレベルから見たら”おもちゃ”レベルのコンピューター等を頼りに、命懸けで宇宙に挑んでいたのだ。まさに冒険。いや挑戦だったのだ。それに対して一般人は損得勘定とか、人命リスクどうこういう話が出る隙がないくらい盛り上がっていたワケです。

 危険を承知で誰も行った事のない所に行く! そういうパイオニア精神にみんな興奮し感動し、未来を感じていた。そういう当時の夢がこの「キャプテン・ウルトラ」からは感じられるのよね。

 「海よりでっかい 海より青い
  飛んで行こうよ 僕らの世界へ」

 という後半の主題歌「宇宙マーチ」がそれを象徴している。

 そしてこの番組を語る上で絶対に外せないのが最終回。誰も行った事の無い無限の彼方にキャプテンが挑戦するという内容で、理屈的にはちょっと無理のある設定なんだけど、「人類の限りない挑戦は続くのだ」という事は十分に表現されていた。子供心にもそれはわかった。だから今でも強く印象に残っているのだ。劇中の「無限」はお花畑で表現されていて、非常に象徴的であった。

 「(危険を承知で)誰も行った事の無い所へ行く」
 「(無理を承知で)誰もやった事の無い事をやる」

 というチャレンジャー精神への賛歌はビシビシ当時の子供達に伝わった。

 宇宙開発にかかる膨大なコストの問題や、「何のための宇宙開発なのよ」的な冷めた見方も多い昨今。昔の「古き良き宇宙時代」を懐かしむのも一興かと。

[2005/10/16]


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